海外のニュースより

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「貧困層へと転落しそうだ」と題する『ツァイト』紙の論説。

2007年04月06日 | 貧困問題と食糧問題
約1,070万人のドイツ人が貧困に脅かされている。その中には、170万人の16才以下の未成年者が含まれている。火曜日に連邦統計局が公表したドイツにとっての貧困と社会的排除についての『ヨーロッパの生活』と題する研究報告は、そう読まれる。統計局は、いわゆる貧困層の比率を新しい連邦諸州(もとの東独)では、17%、西ドイツでは、12%とはじき出した。
貧困報告は、厄介な問題である。なぜならば、貧困は相対的であるからだ。ドイツでは誰もバングラデシュやコンゴの大多数ほど悲惨な事情に生活している者はいない。にもかかわらず、ここでも、貧しい人たちは存在する。それほどの人がそれに該当するかは、定義の問題である。実際の統計に対してルールを与えている欧州連合は、いつから、ヨーロッパの人間は貧困に脅かされるようになったかと言う問題に関心がある。貧困がどこで始まるかを確定することが問題ではない。なぜならば、これれは、ある人の財政的な事情だけに依存しておらず、ある人の社会的政治的生活条件にも依存しているからである。
欧州連合の答えは、人口の中程度の収入の60%以下の収入でやりくりしてる人は誰でも貧困になるリスクを負っている。ドイツでは、それは13%であって、大抵の欧州連合加盟国よりは少ない。ドイツよりもましな国は、スカジナビア諸国である。同程度の国は、フランスとオーストリアである。これに対して、ポルトガルとギリシャでは、もっと多くの人々が貧困に瀕している。
貧困のランク表を計算した方法は、本当に複雑だ。まず、しべての加盟国によって得られた収入が取り上げられる。特に重要なのは、労賃と財産から得られた収入である。社会的譲渡は、計算の際、除外される。こうして得られた総計を統計学者は、一定の鍵にしたがって、家計の中で生活している人々に配分する。統計学者は、個人がラ、一つの世帯に暮らしている場合、ランニングコストにおいて節約効果を目指していることを顧慮する。例えば、四人家族は、通常、子供の以内夫婦よりは、一人当たりの居住面積が少ない。だから彼らは通常より少ない家賃を払えばいいから、構成員の一人あたりの収入を計算するために、判定の鍵が取り寄せられる。
この一人当たりの収入の総数か中程度の収入の60%よりも少ない収入しかない人を統計学者は、貧困危険度が高いと算出する。ドイツでは、この境界は、独り者の場合、一ヶ月856ユーロ(12万8400円)のところに引かれる。
だが、特に危険に曝されているのは誰か。特に失業と学校教育が完結していない場合に、貧困のリスクが高いと連邦統計局の副局長ワルター・ラーダーマッハーは述べた。失業者の40%と学業をあるいは職業訓練を終えていない者の四分の一は、貧困の危険がある。だが、勤労者の5%は貧困の危険に曝されている。
貧困になる危険がある人間は、日常、多くの基本的な事物を諦めなければならない。彼らの半分以上は、一週間に家以外で休暇をすごすことができない。彼らの14%は、冬に暖房を焚くことを控えねばならない。
この研究で興味があるのは、それが社会的譲渡の効果を記述している場合である。「失業保険金、社会援助、住居金、養育費のような社会的譲渡がなければ、殆ど国民の24%は、貧困の危険がある」と連邦統計局は、述べている。これは独り者や、子供を抱えた家族に当てはまる。彼らにおいては、社会的譲渡によって、貧困危険度が半分に減っている。
[訳者の感想]ドイツでも貧困層に転落するリスクは増大しているようです。なお、ドイツの総人口は、8,200万人ほどです。
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