海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「氷河消滅の誤りに対してパチャウリ謝罪せず」と題する『ガーディアン』紙の記事。

2010年02月03日 | 環境問題
『ガーディアン』紙との独占的インタビューで、「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の代表であるラジェンドラ・パチャウリは、ヒマラヤの氷河が2035年までに溶けるだろうという虚偽の主張に対して謝罪するのは偽善的だろうと述べた。その理由は、報告書のその部分に対しては彼には責任がないからである。「3,000ページの報告書のどの言葉にも私が個人的に責任があると期待しては困る。」
IPCCは、間違いに対して遺憾の意を表す声明を公表したが、パチャウリは個人的謝罪は「人気取り」だと述べた。
「私は余り多くの人気取り的なことはしない、それがわたしが社会のある部門について不人気である理由だ」と彼は言った。
「この間違いは、IPCCの信頼性を重大に損ない、気候変動に懐疑的な人たちを元気づけた。それは、人間の活動が温度を上昇させているという『基本的真理』を否定するものではない。」
パチャウリは、イースト・アングリア大学から盗まれたe-mailに対する『ガーディアン』紙の調査の二日目に語った。そのe-mailは、気候学者達が自分たちが好まない研究をアカデミックな雑誌から排除しようとどのように働きかけたかを暴露した。イースト・アングリア大学の科学者キース・ブリッファは、自分が編集している雑誌から一つの論文を拒否するのを手伝うように同僚に頼んだ。「内密には、僕は拒否するためのある冷徹で広範な論拠を必要としている。」この要望は、査読の過程が独立で無記名であるべきだという決まりを明らかに破っている。ブリッファは、盗まれたe-mailに対する独立の閲覧が進行中だとの理由で、コメントすることができなかった。
2003年に送られた別のe-mailでは、米国の指導的な科学者であるマイケル・マンが自分の著作を攻撃した論文を公刊した雑誌を弾劾することを示唆していた。「われわれが気候研究を合法的な同僚雑誌だと考えるのを止めねばならないと私は思う。多分、われわれは、この雑誌にもはや服従しないようにわれわれの同僚を励ますべきだ。」しかし、マンは、「気候変動についての懐疑家」を黙らせようとする試みをしたことを否定した。(後略)
[訳者のコメント]学者の間でも批判を抑えたりする試みはあるんですね。ちょっと驚きました。
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