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海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「日本の陰の将軍、小沢一郎」と題する『フォーリン・ポリシー』の論説。

2009年09月02日 | 国際政治
(前略)
1990年代初め、小沢は、自民党の利益誘導型政治に失望した。彼は日本の安全保障政策を「正常化」すること、つまり、日本の国外での軍事的参加を弁護し始めた。何よりもまず、彼はこの国にはもっと活力のある民主主義が必要であり、政党が最善の政策を作ることによって投票を競い合うことが必要だと確信した。小沢は、彼の考えを共有する同士の一群を集めた。
小沢は内閣に入らなかったが、短命だった非自民党政府のキー・パーソンだった。彼は脆弱な連立政権を舞台裏から支えた。彼は『新しい日本の青写真』を公刊した。それは選挙法改正とより積極的な外交政策と防衛政策とを要求する高度に影響力のあるマニフェストだった。
「青写真」を実現するため、彼は90年代の間中、安定して強力な野党を作ろうと努力した。彼は「新進党」の創立を助けた。この党は、1997年に解散するまで、一度だけ普通選挙を競った。次に彼は「自由党」を支持した。それは自民党と連立したが、政治的な牽引力はなかった。
最後に、小沢の自由党は、2003年に未熟な民主党と合同した。彼はこの党を騙して中心に食い込み、さまざまなイデオロジーをもった党員の間で外交政策について合意を作り上げ、事務局に将来性のある候補者を募集した。長い間の自民党の支持者に訴えるために、党の農業政策を大きくした。2006年から今年春まで、彼が党代表を務めた三年間に、民主党は規律があり、よりはっきりした目標をもった政党になった。
この彗星のような政治的経歴のせいで、小沢は、問題の多い評判を得た。彼は右から左まで敵には不足してない。政治家や評論家の多くは、彼のマキャヴェリ風の振る舞いや秘密主義のせいで彼を嘲っている。彼は自分の決断の背後にある推論を説明することはめったにせず、信奉者たちが彼の指導を無条件に信じるものと思っている。悪名高いのは、2007年には、彼が多くの民主党の上位のメンバーに相談しないで、自民党と大連立をしようという話し合いをしたことである。
他の人たちは、小沢が政策よりも政治により神経を使う点を非難している。小沢は田中角栄の副官だった時代から変わっていないということである。つまり、彼は権力をどう使うかを考えるよりも、権力を奪取することにもっと興味があるということだ。彼の批判者たちの激しい憎しみと信奉者たちの同様に激しい忠誠とは、結びついている。小沢はインタービューをすることが少なく、舞台裏で仕事をしているから、彼には不可解さの雰囲気が付き纏っている。(後略)
[訳者のコメント]筆者は、トビアス・ハリスという人です。小沢一郎という政治家がどういうタイプの政治家かよくわかって書いていると思いました。
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「東欧でロシアに対する不安が増大」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2009年07月25日 | 国際政治
それからほんの六年しか経っていない。第二次イラク戦争が始まる数週間前に、八っのヨーロッパの国家元首や首相は、「八人書簡」を書いた。その中で、彼らはブッシュの率いるアメリカ合衆国に対してサダム・フセインに対する措置で連帯することを保証した。一人のポーランド人と一人のハンガリー人と一人のチェコ人(ヴァツラフ・ハーヴェル大統領)が署名者のなかにいたが、後は西ヨーロッパ人だった。新たに欧州連合に加わった東欧圏の国は、盲目的にアメリカ一辺倒であり、具合の悪いことにブッシュに従順だった。
だが、『八人書簡』は、大急ぎで作成された。ありもしない統一をあるかのように見せかけた。数週間経つと、新たに選挙されたチェコ大統領ヴァツラフ・クラウスは、志願者の連合から脱退した。軍事的伝統を自慢するポーランドと基本的に平和主義的な気持ちのチェコとはあまり結びつかない。ここ数年のロケットによる防衛の傘につなぎとめようとする試みは、うまくいかなかった。ワルシャワでは超党派の合意が得られたが、プラーグでは、果てのない内輪もめと市民の抗議に出会った。
今度は、22名の政治家が一通の書簡を書いた。今度は、それは東欧からの書簡である。確かに今度は、元大統領たちだけだが、転換と欧州連合加盟を達成した世代である。署名者のリストには、エソトニアからブルガリアまで、ハーヴェル、ワレサ、クワシネフスキーが含まれている。今度の書簡は、米国に対する憂慮の書簡だ。オバマのモスクワとの関係の「リセット」は、われわれに何をもたらすか?われわれは世界史の影の部分に落ち込んだのか?
「22名書簡」からは、二つの憂慮が語っている。一つは、プーチン時代の始まり以来、ロシアの新しい政策に結びついている非常に具体的な恐れである。エネルギー確保が語られ、隣人たちの現実的利害と歴史的経験を尊重しないモスクワの意志が語られている。ロシアは、21世紀の手段を使って、19世紀の目標に到達しようとしているという参加者たちの診断は、当っているだけでなく、それはモスクワ政府にはおそらくお世辞だと評価されるだろう。しかし、北大西洋同盟(NATO)がどのように新しい同盟構成員に対して適用されるのかという問いも出されている。条約の第五条は、東の境にあるエストニアにも適用されるのか。ロシアとの国境にある町ナルヴァのために死ぬ覚悟が、西ヨーロッパ人にはあるのか?
 他の心配は大西洋の向こう側との関係に向けられている。米ロ関係において、上位に置かれた利害、つまりイラン問題のために犠牲にされるのではないかという恐れは、重大である。しかし、中欧と東欧の国々においても、大西洋の向こう側との関係を脱色させる展開が遂行されている。ベルリンの壁崩壊以後、東欧には、アメリカとの共感が存在した。しかし、永遠に続くものは何もない。利己的な計算、地域主義、それどころか正真正銘のヨーロッパの孤立主義と「俺だけはゴメンだ」という態度が、東欧にも広がっている。(後略)
[訳者の感想]西欧と東欧の接触点にあるドイツ人は、東欧人の考え方もよく理解しているように見えます。米中関係が変われば日本に大きな影響が及ぶことは避けられないでしょう。さあ、日本はどうするか?
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「テヘランのデモは、歴史的出来事」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2009年07月19日 | 国際政治
ハンブルク・テヘラン発:シリン・エバディは、イランの再び強められた反政府運動に感銘を受けた。「イランにとってだけでなく、全イスラム世界にとって歴史的出来事だ」とこのイラン人の女性弁護士でノーベル賞受賞者は、テヘランの金曜礼拝のための改革運動の行進を評価した。
「中国に死を、ロシアに死を」という宣伝文句は、重要だった」とエバディは、『シュピーゲル』に語った。「国民は数十年来誰が政府に味方してきたかを見抜いたのです。人権を大量に傷つけたこの二つの国です。」
エバディは、いくらかの限定つきで、大規模な操作があったと非難された6月12日の大統領選挙以来、一度も公式に発言しなかったラフサンジャニ元大統領の説教を歓迎した。「ラフサンジャニは、批判はしたが、十分断固たるものではなかった。」
最大の大衆抗議を伴って、ラフサンジャニは、ハメネイ師の指導下にある指導層を厳しく攻撃した。彼の金曜日の説教で、選挙の際の明白な違反行為について語り、現職のアフマディネジャドが当選したとする公式の最終結果に疑問を投げかけた。同時に、選挙戦ではホセイン・ムサビ候補を支持したラフサンジャニは、逮捕されたデモ参加者の釈放と新聞雑誌の検閲を緩めることを要求した。
エバディ女史は、政権と国民との間の和解は、「指導層が国民の意思を尊重しこれ以上改革運動に暴力で立ち向かわない場合にのみ」可能だと見ている。「イランの体制は、重大な危機に陥っている。政府が理性を持ち、人々に向き合う場合にのみ、対立の解決があるだろう。さもなければ、抗議運動が継続するということを私は疑わない」と彼女は言う。(後略)
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「米軍は、アフガニスタンの拠点を占拠するつもり」と題する『ニューヨーク・タイムズ』の記事。

2009年07月04日 | 国際政治
ワシントン発:オバマ大統領によって命令された追加の部隊でもって始まった最初の大規模な作戦は、南部のヘルマンド州にあるタリバンの根拠地を掃討するように工夫されている。村民に近い小さな基地に海兵隊の一群を残すことを目的にしている。
部隊の兵員数と火力にもかかわらず、この戦略にはリスクがなくはない。実際、木曜日、最初の海兵隊員が戦死した。
米軍と連合軍とは、以前にヘルマンド州を討伐し、しばしば、空中からの攻撃で、出来る限り多くのゲリラを殺したり、捕虜にした。米軍は、以前には作戦で反乱軍を殲滅した大きな地域を維持するだけ十分な地上部隊を持っていなかった。
今回は、数週間前に到着した4千名の海兵隊員に650名のアフガン政府軍兵士が加わった。
「本質的に、彼らはがやろうとしていることは、ヘルマンド州に生産的プレゼンスを作り出し維持することである。単にタリバンの影響を取り除くのではなくて、その影響を治安作戦と再建と置き換えることである」と将校は言う。「単に敵を殺すのではなくて、住民を保護し、彼らの生活を改善すれば、反政府軍的要素の復帰を阻止するのを助けるだろう。」司令官は、海兵隊は、かなりの数が残留し、多くの小さな作戦と補給基地を住民の中に作り出すことを約束した。この戦術は、イラクにおけるいわゆる部隊の高まりの成功にとって中心的であった。
海兵隊は、木曜日、ラシュカル・ガーの南方の75マイルに及ぶヘルマンド渓谷に沿った重要な三つの町に突入した。散発的な抵抗に出会った。ヘルマンド州中央のナワとアルムシル、および、ヘルマンド州南部のカーン・ネスリンにプレゼンスを持っていると海兵隊報道官のビル・ペレチエは言った。
この特別任務は、住民たちに部隊が彼らを保護し、NATO軍や米軍やタリバンによる民間人の死傷を防ぐために、そこにいるのだということを見せる意図をもっている。
作戦が敵を殺傷するよりも、住民の保護に焦点を当てていることを示すために、海兵隊は砲兵隊も航空機からの爆撃も利用しなかったとペレチエ大尉は述べた。(中略)
国務省の報道官であるイアン・C・ケリーは、ワシントンで、この作戦に二人の民間人が参加していると述べた。一人は国務省の職員でもう一人は、「国際開発局」の職員である。来る数週間にもう数名加わる予定だ。
5月、国防省のゲイツ長官は、オバマの命令を受けた2万名の追加兵士の先遣隊として、キャンプ・レザーネックに到着した数百人の海兵隊を訪問した。その当時、海兵隊の多くは、まだ、武器を受け取っていなかった。「われわれがこの戦闘のために資源を追加していなかったら、われわれはこの規模の作戦をこれほどすばやく行うことは出来なかっただろう」とこの特別任務に参観した高位の将校は述べた。
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「ロシアは、アジアで権力を巡って賭けをしている」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2009年06月15日 | 国際政治
ロシアは、現在の世界的な危機の時代に、それが数年前からモスクワの外交日程に書かれている「多元的な世界」というモデルに熱心に鑿を振るっている。主な競争相手であるアメリカが、金融危機によって揺さぶられているから、この道を前進する機会は、好都合であるように見える。
歓迎される仲間は、中国だが、その胡錦涛主席は、今日開かれる上海機構のサミットに協力するためにイェカテリンブルクへやってくる。胡錦涛主席は、メドベージェフ・ロシア大統領や他の国の代表たちと、世界的危機に対する戦いにおいてさらに共同歩調を取ることを語るだろう。両者は、自分たちの潜在能力を解決を求める世界中の努力の中に持ち込もうとしている。さらに、北京とモスクワは、ルーブルと人民元が既にドルとユーロの次に基準通貨に役立つと信じている。
上海協力機構(SCO)は、どちらの野心の場にも役立つかも知れないとモスクワと北京では期待されている。2001年に設立されたこの機構は、その構成員であるカザフスタン・キルギスタン・タジキスタン・ウズベキスタンの地理的状況から中央アジアに焦点を置いている。しかし、それ以上に、軍事的治安的問題も一役演じている。
既に、イェカテリンブルグでの今日の会合に先立って、ロシアと中国とは、彼らの戦略的パートナーシップの中での軍事的協力を強化するこで意見が一致している。「今年だけで、25回にのぼる共同軍事訓練は、両方の陸軍の密接な関係を誇示するものである」とアナトーリー・セルジュコフ・国防相は、五月初めにモスクワで開かれた中国人の同僚リアン・グアンリとの会議で述べた。
ロシアと中国とは、この軍事的協力が誰に向けられたものでもないとしきりに主張している。しかし、専門家の意見では、米国と北大西洋同盟軍とを中央アジアとその資源から遠ざけておくという意図があるようだ。ロシアと中国との間に激しい競争が維持されており、中期的長期的にそれが勃発することは、確かである。他の「小さな」国々は、それを評価する能力がある。彼らは、唯一の大国が、対抗者なしに自分たちの地域で行動することを望んでいない。
アメリカ人を寄せ付けないことは、思ったよりも困難であることが判明した。国連とロシアによって正当化されたアフガンでの米国の行動は、上海協力機構の構成メンバーを一時的にワシントンと密接にさせた。ウズベキスタンとキルギスタンとは、アフガン出兵のためのアメリカ軍兵士に武器や装備や食料を供給するための基地を提供した。(後略)
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「外交官達よ、北朝鮮と話をするな」と題する『ヴェルト・オンライン』の論説。

2009年05月31日 | 国際政治
数日の内に、北朝鮮は巨大な地下核実験を引き起こし、幾つかのロケットのテストを行った。その上、隣国の韓国を、1953年の休戦協定をこれ以上認めないぞと脅した。最後の帰結がどうなるか、米国との新たな戦争状態に入ることになりかねない。
これらは、極度の挑発行為であって、実際、軍事的攻撃だけが、これを凌駕するするだろう。勿論、唯一の可能な反応は、外交的性質のものでなければならないけれども。だが、ある特別の種類の外交だけが、実際は、プラスの結果を実らせるだろう。それは、静寂と沈黙の外交である。北朝鮮政権に対して如何なる呼びかけもされないだろう。如何なる態度決定も、如何なる伝達も、北朝鮮のどの外交官に対しても会話をしないことである。そして、最も重要なことは、どんな形の交渉を採用するという如何なるシグナルも与えないことである。
これは、外交官の普通の行動や好みに矛盾する。どこであろうといつであろうと、敵対者でありうる相手と話し合いをするという彼らの本能が彼らを導いている。その際、歴史に精通した人なら、好んでチャーチル首相の言葉を披露するかもしれない。つまり、「戦争、戦争よりは、話し、話することのほうが、常により良い」
もっと簡単に言うと、譲歩と交換の外交的承認がなければ、外交官達は、次のような標語にしたがって行動する。つまり、「話すことは、常によいアイデアである。なぜなら、言葉はいずれにしても金がかからないのだから。」だが、言葉は手でつかめる結果をもたらすことができる。それがどんなに僅かな価値であれ。
しかし、今回は違う。何年も前から、米国、中国、ロシア連邦、日本、韓国は忍耐強く、北朝鮮と交渉してきた。核計画の断念と引き替えに、経済援助や安全の保証や「正常化」という長所が提供された。韓国に至っては、莫大な供与や投資や食糧や現金贈与まで提供した。
こうして、金正日のこの奇怪な軍事独裁制に何年間も報いた。それは、金を軍備につぎ込み、イランやシリアと武器ビジネスをするために、自国民を何百万にも餓死させた。金正日の代理人は、米国、ロシャ、中国の代表と並んで座っていた。この政権とその承認や体面に対する何たるご褒美だろう。この政権がまたもや、世界中に恐怖の叫びを挙げさせるたびに、それに対する返答として、韓国からますます多くの贈り物が届けられた。
こんなことは、もう止めなければならない。なぜなら、あらゆる交渉は、北朝鮮を利するだけだから。今回は、挑発は、単にご褒美が欲しいというだけではない。この政権の願いは、またもや、もっと贈り物が来るように、もっと注意を引き起こし、承認を手に入れることである。しかし、北朝鮮にはこれ以上何も手に入れてはならない。話が失敗すれば、いぜれにせよ、話は何の役にも立たないとすれば、われわれは沈黙せねばならない。
[訳者の感想]筆者のエドワード・ルトワック氏は、アメリカの軍事戦略と国際関係について多数の著作がある軍事戦略家であり、歴史家です。
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「中国、北朝鮮政府に堪忍袋の緒がきれる」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2009年05月28日 | 国際政治
北朝鮮は、世界中で非難された核実験の後、その隣国に対するさらなる戦争の脅しによってこの地域の緊張を極度に高めている。このスターリン主義的な国家は、自分がもはや、1953年に締結された米国・韓国との休戦協定に拘束されないと感じている。その陸軍は、他国が海上封鎖で制裁を加えようとすれば、「どのような試みに対しても軍事的に反応する」だろうと述べた。これは韓国が2003年に作られたPSI(核兵器拡散禁止同盟)に加入したことへの回答であると声明は述べている。この同盟には、これまで、95ヶ国が加入しており、核技術を第三国あるいはテロリストグループに供与することをぼうしすることを目的としている。
この同盟は、特に、北朝鮮に対して向けられているので、平壌は、それに対応して憤激した反応を示した。それは、「まもなく朝鮮半島は、再び、戦争状態に戻る」と脅した。「自国の船舶を臨検することは、その領土と主権に対する侵害であると見なす」と述べた。これに対して、北朝鮮は、「報復を行うだろうが、それはあらゆる想像を超え、無慈悲と思われるようなものだ」と述べた。
平壌は、水曜日、このようなサーベルをがちゃつかせるレトリックで、その隣国にショックを与えただけでなく、その間にプルトニウム獲得のために再び機能を回復した原子炉を再稼働した。五月初め以来、核燃料処理室は、再び稼働開始したと韓国の通信社「ヨンハップ」は、伝えている。北朝鮮は、以前、半ダースの原爆をつくるために、ヨンビョンで再加工した燃料棒から十分なプルトニウムを手に入れた。
水曜日には、更に短距離ミサイルを発射することによって、脅迫をエスカレートしたが、軍事的に高度の軍備を備えたこの貧乏国は、国際的には孤立している。特に金正日政権は、唯一の同盟国である中国を挑発している。「北朝鮮の長く続く攻勢の程度は、十分だ」と北京の『環球時報』は書いている。その上、中国は、地下核実験の直接的影響に曝されている。実験場から、180キロ離れた、人口40万人の延吉では、振動のため、小学生達や工場の従業員達は、パニック状態で外に避難した。
『環球時報』のアンケートでは、実験後に指導的な北朝鮮専門家40人の内、10人が制裁に賛成した。更に、北京の政治学者達は、以前中国の政治的に密接に結ばれていた隣国の保護を止めるように要求した。『環球時報』は、トンジ大学の「アジア・太平洋研究所」の所長であるチョー・ジインの次のような言葉を引用している。「北朝鮮に対する国際的反応に中国もしたがって、以前の政策と分かれるべきだ。」北京大学の国際研究所の副所長であるジア・チングオは、この新聞に対して、「二国関係も、この道路封鎖にぶつかっている」と述べた。
北朝鮮のエネルギー補給は、中国の供給に依存している。北朝鮮の国民は、国際的な人道援助によって飢餓から救われうる。もっとも、北京の圧力手段は、経済に限られている。北朝鮮が必要とするガソリンの4分の3は、中国のパイプラインから提供されているが、それは数年前に一度中断したことがある。もっとも、原因は技術的なものだったのであるが。(以下省略)
[訳者の感想]この記事を書いたのは、ジョニー・アーリング記者です。北朝鮮の強腰は果たしてアメリカとの二国間協議にまで発展するでしょうか。かなり疑問です。
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「南米での中国とイランの活動は、気がかりだ」とクリントン国務長官が述べる。

2009年05月02日 | 国際政治
ワシントン発:「イランと中国とはラテン・アメリカで気がかりな拡大をしており、ワシントンは、もはやヴェネズエラやボリビアのような国の指導者を避けることはできない」と金曜日、ヒラリー・クリントン国務長官は述べた。
「以前の米国政府は、彼らを孤立化させ、彼らの反対者を支持しようとし、彼らを国際的なのけ者にしようとしたが、うまくいかなかった」とクリントン長官は国務省での外国報道機関に語った。
 中国・ロシア・イランは、ラテン・アメリカで利益を得ている。「皆さんがイランや中国が特に南米で得ている利益を見れば、それは全く気がかりです。彼らは多くのこれらの指導者と非常に強力な経済的政治的コネクションを築きつつあります。われわれは関係を求めて、少なくともロシア人や中国人やイラン人と競争しています」と彼女は述べた。「この西半球にある如何なる国にも背を向けることは米国の利益にはなりませんでした。」
 オバマ行政府は、ヴェネズエラを含めて、ラテン・アメリカの諸国との関係を改善しようと努力している。オバマ大統領は、先月開かれたサミットでチャベス大統領と握手している写真を撮らせた。
 クリントン国務長官は、2008年9月にボリビア政府に反対の勢力と共謀したという理由で、アメリカの駐ボリビア大使を国外に追放したボリビアのモラレス大統領とも、米国はより良好な関係を築こうと努力していると述べた。
「われわれはボリビアのモラレスと協力できる大使をどうしたら得られるか考慮している」とクリントンは言った。
 ヴェネズエラは、昨年9月にボリビアと連帯して、米国大使を追放し、米国は報復措置でヴェネズエラの駐米大使を追放した。
 クリントン国務長官は、トリニダッドでのサミットでチャベス大統領に会っている。彼らは、大使を交換することを話し合った。
 米国は、また、エクアドル大統領のラファエル・コレラやニカラグア大統領のダニエル・オルテガともよりよい関係を樹立することを望んでいる。
「イラン人は、ニカラグアの首都マナグアに巨大な大使館を建設中です。何のための建設なのか想像することはできます」とクリントンは、イランの大使館について述べた。
米国は、核計画からイラク・シリアなど中近東諸国への介入など一連の問題でイランと言い争っている。
 クリントンは新たなアプローチは、経済・政治など多くの点で異なる意見を持っているチャベスのような指導者については旨く行かないかもしれないと述べた。
「私の最低のラインは、何がアメリカにとって最善かということです。われわれの利益になる行動にどのように影響するかです。」(以下省略)
[訳者の感想]5月2日づけの『ロイター通信』の記事です。ヒラリー・クリントン国務長官の外交政策の基本が国益をまもることにあることがこの記事で明確になったと思います。ブッシュ時代よりはより柔軟な外交路線だと言えるでしょう。何が米国にとって本当に国益なのか、考え直した結果ではないでしょうか。
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「イスラム過激派、インターネットでショイブレ内相を殺すぞと脅迫」

2009年04月30日 | 国際政治
インターネットにあるドイツ語で書かれた「イスラム主義者フォーラム」においては、新聞の報道によると、ヴォルフガング・ショイブレ内相が主唱して開かれた「イスラム会議」の参加者を殺すように呼びかけられた。
憲法擁護庁は、治安機関に対して警告を発した、と『ビルト新聞』は報じた。この呼びかけに際して、ショイブレ内相とムスリム中央評議会の代表であるアユーブ・アクセル・ケーラーとプロテスタント教会の評議員であるヴォルフガング・フーバーの写真が掲げられた。
殺人の呼びかけにおいては、ドイツ在住のムスリムと国家と宗教との間の対話フォーラムである「イスラム会議」の参加者は、「猿と豚の息子」だと罵られた。
「憲法擁護庁」によると、「ユスフK」は、インターネットで、誤訳され先鋭化されたコーランの引用で、「奴らをしろ!そうすれば、アラーは、彼らをおまえ達の手で処罰し貶め彼らに対しておまえ達を助け、信心深い人々の心に救いをもたらすだろう」と書き込んだ。「憲法擁護庁」によれば、「コーラン」のこの箇所の正しい訳では、「しろ」ではなくて、「戦え」となっている。
『ビルト新聞』のポータルサイトによると、このフォーラムでは、いわゆるザウアーラント・グループに所属する4人のテロリストが「コーラン」の詩句を引用して称賛されている。
「汝らの主は、汝らから禍を取り、汝らを小川の流れる楽園に導くだろう」という文句は、現在、デュッセルドルフの法廷で裁かれている4名のテロリストに向けられている。
この機会に、さらに、デュッセルドルフの高等裁判所の裁判官であるオットマール・ブライトリングの写真も掲載されている。写真下の説明には「これは、まだ生き物かそれとも、内面の空虚な、醜い人形の皮に過ぎないのか」と書かれている。
高等裁判所では、「イスラム・ジハード」の4人のテロリストが裁判されている。彼らは、自動車爆弾によるドイツ大都市のテロ攻撃を計画したと思われている。彼らの住居からは、爆弾の材料となる730リットルの水酸化化合物が発見された。
彼らがサウアーラントで逮捕されるまで、300人の刑事が何ヶ月間もかれらを追跡した。
(後書き)これは、4月29日付の『ヴェルト・オンライン』の記事です。
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「少女を鞭で叩いているタリバンのビデオ、パキスタンで憤激を招く」と題するLTの記事。

2009年04月04日 | 国際政治
トルコのイスタンブールとパキスタンのイスラマバードからの報道によると、群衆のなかで俯きにされて10代の少女が泣き叫び身もだえし、慈悲を願っている。だが、3人の覆面した男達は彼女を押さえつけ、第四の男が何度も彼女を鞭で叩いている。
スワト渓谷のパキスタン人タリバンによって叩かれている17才の少女のビデオは、パキスタンの国民に衝撃を与え、人権グループからは抗議の声が上がった。中央政府からは非難の声が上がり、多くのパキスタン人からは嫌悪の声が上がった。
今年、取られたビデオの映像をパキスタンのテレビ局が国内とインターネットに放映した。
パキスタン系タリバンによるひどい行為についての報道は、パキスタン北西部から漏れてきた。
「これは許せない」と著名な人権活動家のアスマ・ジャハンギールは、ラホールの東部の町でジャーナリストに語った。
ジャハンギールは、この少女はスワト渓谷にいるタリバン司令官と結婚することを拒んだために罰せられたと思われていると述べた。この渓谷では、パキスタン政府軍が2月にイスラム戦士と休戦協定を結んだ。彼らはこの少女を非道徳的だと責め、34回のむち打ちの刑に処したのだ。
携帯電話で写されたビデオには、体全体をブルカで覆った少女を男達に押さえつけられて、むち打たれている様子が映っている。「後生だからそれを止めて!私は死んでしまう」と少女は叫んでいる。
タリバンの報道官であるムスリム・カーンは、公開むち打ちを弁護して、この少女は不道徳な行動に関わったのでむち打たれたのだと述べた。「われわれが政府軍と戦っていた、2ヶ月前に起こったことだ」と彼はスワートでジャーナリスト達に言った。しかし、地域の住人によれば、この出来事は、二週間前に、カラカレーの村で起こった。
アシフ・アリ・ザルダリ・パキスタン大統領とユサフ・ラザ・ギリアニ首相はむち打ちを非難し、調査を命じた。シェリー・レーマン元情報相は、この出来事を議論するために特別の議会委員会を開くように要求した。
「このような蛮行が、民主的政府の指導の下で起こることは許され得ない」とレーマンは述べた。イスラムの名の下に人を殺したり、われわれの国民を傷つける過激派にわれわれの市民を好きなようにさせることはできない。」
二月の停戦協定で、タリバンは、敵対行為をやめ、その代わりに州政府は、彼らがイスラム法を執行するためのイスラム法廷を作ることを許した。パキスタンの人権委員会の代表であるジャハンギールは、むち打ちを国と指導者が注意せねばならない前兆であると呼んだ。(後略)
[訳者の感想]国家の法以外にイスラム法を認め、それに従って、恣意的な裁判が行われるとこういうことになるのでしょうね。
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「中国は新しいアメリカになれるか?」と題する『フォーリン・ポリシー』誌の論説。

2009年03月31日 | 国際政治
現在の経済危機と同様、大恐慌の時代にも、国際秩序にリーダーシップが欠けていたために景気の後退は特に厳しかった。19世紀の支配的な力であった英国は、第一次世界大戦で財政的に衰退していた。新たな債権者である米国は、強力な経済力として台頭したが、まだ、開かれた国際的経済秩序を維持するのに十分なリーダーシップを持っていなかった。簡単な診断を言えば、英国は指導することができず、米国はその気がなかった。
このシナリオが身近に聞こえるとしたら、それは当然だ。大恐慌からの話は国際経済の指導力についての現在の議論の中に反響を見出すことができる。今度は米国が英国の役割を演じ、中国が世界の最大の債権者として米国に取って代わろうとしてる。だが、もし、中国が今世紀の米国であるとすると、それは1930年代の米国よりももっと旨く仕事ができるだろうか?台頭する超大国がこの役割を演じる仕方が、どうしたら、世界が景気後退から脱出し、新たな経済秩序を形成するかを決定するだろう。
エコノミストのチャールズ・キンドルバーガーは、米国が1930年代初めに、保護主義の道をたどるよりは、投資に開かれた金融市場を維持し続けるために、最後の頼みの綱の貸し手として、振る舞うべきだったと主張した。米国は、相殺財政政策で世界経済を刺激すべきであった。
だが、大恐慌の時代には、米国が世界を救う重荷を担いたがらなかった説得力のあるあらゆる種類の理由があった。より多くの資金を欧州に送ることは、下水溝にお金を流すようなものだと思われた。結局、ヨーロッパ人達は、その前に世界大戦を戦ったが、それは財政的な失敗の原因だった。経済的に、ヨーロッパを援助することは、長期の視点からは多いに道理に適っていただろうが、政治的には短期的な利益のない失敗だった。
現在の金融危機の最中に、ポケットをふくらませた中国は、同じディレンマに直面している。その不機嫌を飲み込んで、われわれをこの状況に陥れた同じ国々を救済するのを手伝うか、それとも、まず自分自身の短期的な利害に注意するかどちらかというディレンマである。今日、改革されたIMFを通じて、国際的に調整された救済策に中国がもっと貢献して欲しいという要求がある。多くのエコノミストは、中国の成長率の推定を少なくしたけれども、中国はだけが、2009年も成長し続ける少ない国の一つだ。最後に、中国と米国は、十分に大きな国であり、財政的刺激への大きな力を出せる十分整えられた政府財政をもっている。(後略)
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「左翼党政治家、射撃命令に対する疑いで挑発」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2009年02月27日 | 国際政治
ベルリン発:「左翼党」は、チューリンゲン州では、常に30%の得票率を維持している。それは、社会民主党よりもずっと多い得票だ。来る8月の州首相選挙では、八月の選挙のためのトップ候補者の名前は、ボド・ラメロウ。彼は「左翼党」政治家として、初めて州首相になるという野心を持っている。だが、彼は目下、誤解を招く発言で困った状況に陥っている。
自分も州首相になるだろう社会民主党のトップ候補者である、クリストフ・マッチーは、ラメロウを「DDRの宣伝機関」だと非難した。チューリンゲン州文部大臣のベルンヴァルト・ミュラー(CDU所属)は、「歴史の歪曲」について語り、CDUの会派代表であるマイク・モーリングは、彼を「何とも言えない世迷い言言い」だと称した。何が起こったのか?
批判は、『南チューリンゲン新聞』が木曜日に載せたDDRの歴史についてのラメロウとのインタービューと関係がある。それは大部分は問題のいが、二つの質問に対する彼の答えが問題になった。DDRは「無法国家」だったかという問いに対して、彼は、自分は「DDRを不法国家だと思わない」と答えた。そして、自分なら「無法国家」という政治的な概念を用いないだろうと述べた。また、DDRの「労働法」は、法文としては、その法律論理の点で、西ドイツの全く概観できない規則よりは、ずっとましで筋が通っていたと述べた。
ラメロウ自身は西ドイツの出身だが、彼は国境での射撃命令について尋ねられると、「国境は、DDRから出ようとした人々にとっては、「非常に危険だった。」「国境警備隊に対する武器の使用命令は、まさに同じ武器で国境突破を禁止せよという指図として理解されねばならないということは正しい。」「もっとも、射撃命令は、強制的な死による脅しとして刑法的な意味で評価されるかどうかは、疑われるかもしれない」と彼は述べた。
『シュピーゲル・オンライン』の質問に対して、ラメロウは自分の発言を擁護し、「私はインタービューで言ったすべての言葉に責任を持つ。」自がDDRに関しては「無法国家」という言葉を使わない理由は、それが司法で用いられる概念ではないからだ。射撃命令に関しては、「直接的な殺人への文書による命令は存在しない。」「DDRにおける立法に関しては、自分は、法文と法の適用とは区別されねばならないという意見だ。」
 西への逃亡者を止めるために、DDRの指導層が自分の国境守備兵に本当に射撃命令を出したかどうかについては、「左翼党」の内部で繰り返し激しい議論になった。2007年には、ロタール・ビスキイが一般的な射撃命令を否定したとき、党内の憤激をなだめなければならなかった。事実、これまでに、文書に書かれた証拠は存在しない。もっとも、壁で死んだ1千名の人は、武器の使用が国境では、日常に行われていたことを雄弁に物語っている。(以下省略)
[訳者の感想]「左翼党」(Die Linke)は、2007年6月16日に、かっての東独の社会主義統一党(共産党の正式名称)の後裔である「民主社会主義党」(PDS)と「労働と社会正義のための選挙代案」(WASG)とが合同してできた政党です。前者の党首がビスキイで、後者の党首はもとSPDの党員で大蔵大臣をやったことがあるオスカール・ラフォンテーヌです。2008年9月30日現在で、党員数は、7万6139名、連邦議会に53名の代議士を出しています。ドイツでは、「キリスト教民主同盟」、「社会主民主党」につぐ三番目に大きな政党です。
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「アラブ人たちはバシルに対する逮捕命令を停止しようとしている」と題する記事。

2009年02月15日 | 国際政治
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ニューヨーク発:アフリカとアラブ諸国は、安保理の助けを借りてオマル・アル・バシル・スーダン大統領に対する逮捕命令を停止しようとしている。両方の代表者たちあ、日本からの高須ユキオ安保理議長といっしょにニューヨークへやってきた。スーダンのアブドルマームード・モハママド国連大使は、アフリカ連合とアラブ連盟とは手続きの延期を得ようとしていると述べた。ハーグの国際裁判法廷の法的根拠であるローマ議定書によれば、安保理は法廷が特定の事例において12ヶ月間捜査や逮捕を導入したり、継続したりしないように、決議で作用することができる。『ニューヨーク・タイムズ』によれば、国際裁判所は既にダルフール地方における重大な戦争犯罪のかどでアル・バシルに対する逮捕を執行することを決定した。だが、裁判所はこれを否定し手いる。
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「NATOは、アフガンへのより多くの派遣を要求」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2009年02月08日 | 国際政治
NATO(北大西洋同盟)の事務総長であるヤープ・デ・ホープ・シェッファーは、北大西洋
同盟の加盟国により強力な参加を改めて要求した。新しい米国政府は、良い忠言だけでなく、より公正な負担を期待していると彼は土曜日に、ミュンヒェンで開かれている安全保障会議で述べた。そこでは、バラク・オバマが率いる新政府の外交的立場を説明する予定のジョー・バイデン副大統領の出席が待たれている。
バイデンは、既にメルケル連邦首相との会談で、新たな外交政策の急速な決定に対する大きすぎる期待に対して否定的だった。「われわれは根本的な現状認識を望んでいる」とバイデンは、土曜日にミュンヒェンの「安全保障会議」の枠外で述べた。自分が来たのは、しゃべるためであるよりは、むしろ耳を傾けるためであると。
ヨーロッパの安全保障は、土曜日の会議の中心点だった。デ・ホープ・シェッファーは、NATOにおける大西洋両側の協力は、相互性に基づいており、したがって、「片道交通であってはならない」と強調した。
事務総長は、特に、同盟にとって優先事項であるアフガン派兵に言及した。「米国はアフガンへの関与を強めようとしているが、他の国々はこれ以上かかわりになることを否定している。これは、同盟のバランスにとって良いことではなく、ワシントンにおけるヨーロッパの声を弱めるものだ。アフガン特使であるリチャード・ホルブルックは、金曜日のシュタインマイヤー・ドイツ外相との会談で、アフガンへのドイツのこれ以上の参加を要求しなかった。(後略)
{訳者の感想}オバマ大統領は。イラクからは撤退するが、アフガンへの派遣を増やそうとしています。北大西洋同盟諸国は、必ずしも乗り気ではなく、この付けは日本や韓国に回ってくるような気がします。
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「米国の後に来るものは何か」と題するフクヤマとのインタービュー。

2009年01月12日 | 国際政治
ツァイト紙:フクヤマさん、新しい年を一瞥して下さい。あなたを一番不安にしているのは何ですか?
フクヤマ:巨大な経済危機と金融危機です。勿論、アフガンからイランに到る多くの未解決の外交上の争いには、大きな問題が隠れています。ですが、この危機の原因が何かわれわれは知っています。これに対して、ウオール街の崩壊は、われわれに全く新しい問題を突きつけています。それはすべての人間にとって、痛ましいプロセスになるでしょう。われわれはまだほんの入り口に立っています。大きな試練は、まだ、これからです。私が恐れているのは、世界が政治的により不安定になるだろうということです。
ツァイト紙:世界は、バラク・オバマに大きな希望を抱いています。だが、アメリカが指導的な役割を演じる時代は終わったのではありませんか?
フクヤマ:いや、私はそれほどドラマチックには表現しません。勿論、冷戦後、アメリカが現実的なライバルなしに支配した過去20年間は、二度と来ません。中国、インド、ロシアは、今日、遙かに大きな行動の余地を持っています。ですが、私はアメリカの意味喪失について語るよりも、他の諸国の意味獲得について語りたいのです。
ツァイト紙:最初は、惨憺たるイラク戦争があり、次にウオール街の炉心融解が来ました。アメリカは、少なくとも自分の経済は握っていると皆思っていたのですが。超大国は急速に信頼を失ったのではありませんか?
フクヤマ:それは確かです。体面を失ったことは、痛ましいことですが、不可避です。われわれは全世界の忠告や意志に逆らって不必要な戦争を始めました。次にわれわれはこの戦争に疑わしい民主主義と自由の刻印を押し、結局、戦略を駄目にしました。今度は、われわれは、敵も味方も一緒に経済危機に巻き込んだのです。
ツァイト紙:しかし、奇妙ですね。昨日までは、国家の介入は悪でした。今日になると、政府が経済を救っている。アメリカは、突然、非イデオロギー的になったのでしょうか?
フクヤマ:どの方向にも、イデオロギーがあります。私たちはもっとプラグマチックだといいのですが。国家による救済計画は、国民においても、議会においても、問題がない訳ではありません。
ツァイト紙:特に共和党は、ロナルド・レーガン大統領が税を減らし、国家の規制を減らした1980年代に戻りたがっています。
フクヤマ:それで成功したのです。だが、世界はさらに回転しました。かなり多くの共和党員だけが進歩していないのです。彼らは未だに古い解決策を信じているのです。だが、問題は、原理に対する忠実さが足りないことではありません。そうではなくて、原理自身が問題なのです。国家の介入が少なければ、税金が少なければ、必ずしも危機からでられるとは限りません。レーガノミックスの中には、答えはありません。
ツァイト紙:あなたは答えを知っていますか?
フクヤマ:もし知っていたら、私は大統領になって、ノーベル賞をもらったでしょう。長らく支配的だったレーガノミックスに取って代わる新しい経済モデルのための余地は大きく開かれています。
ツァイト紙:世界は左旋回するのでしょうか?
フクヤマ:そうです。だが、違いはあります。ヨーロッパやラテン・アメリカの反応の違いを見てご覧なさい。ヴェネズエラやボリビアやエクアドルの左翼ポピュリスト政府は、国家による干渉によって持ち直そうとしています。彼らが原油価格崩壊を克服するのは困難でしょう。ブラジルやメキシコやチリーは、もっと穏やかな路線を取っています。彼らも危機を回避することはできないでしょうが、多分、もっとうまく。もっと速やかに危機を克服するでしょう。(以下省略)
[訳者の感想]「歴史の終わり」を書いて有名になったフランシス・フクヤマに対するインテービューです。彼の予言はあまり当たらないと思いますが、今度はどうでしょうか?
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