海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「ロシアは、アジアで権力を巡って賭けをしている」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2009年06月15日 | 国際政治
ロシアは、現在の世界的な危機の時代に、それが数年前からモスクワの外交日程に書かれている「多元的な世界」というモデルに熱心に鑿を振るっている。主な競争相手であるアメリカが、金融危機によって揺さぶられているから、この道を前進する機会は、好都合であるように見える。
歓迎される仲間は、中国だが、その胡錦涛主席は、今日開かれる上海機構のサミットに協力するためにイェカテリンブルクへやってくる。胡錦涛主席は、メドベージェフ・ロシア大統領や他の国の代表たちと、世界的危機に対する戦いにおいてさらに共同歩調を取ることを語るだろう。両者は、自分たちの潜在能力を解決を求める世界中の努力の中に持ち込もうとしている。さらに、北京とモスクワは、ルーブルと人民元が既にドルとユーロの次に基準通貨に役立つと信じている。
上海協力機構(SCO)は、どちらの野心の場にも役立つかも知れないとモスクワと北京では期待されている。2001年に設立されたこの機構は、その構成員であるカザフスタン・キルギスタン・タジキスタン・ウズベキスタンの地理的状況から中央アジアに焦点を置いている。しかし、それ以上に、軍事的治安的問題も一役演じている。
既に、イェカテリンブルグでの今日の会合に先立って、ロシアと中国とは、彼らの戦略的パートナーシップの中での軍事的協力を強化するこで意見が一致している。「今年だけで、25回にのぼる共同軍事訓練は、両方の陸軍の密接な関係を誇示するものである」とアナトーリー・セルジュコフ・国防相は、五月初めにモスクワで開かれた中国人の同僚リアン・グアンリとの会議で述べた。
ロシアと中国とは、この軍事的協力が誰に向けられたものでもないとしきりに主張している。しかし、専門家の意見では、米国と北大西洋同盟軍とを中央アジアとその資源から遠ざけておくという意図があるようだ。ロシアと中国との間に激しい競争が維持されており、中期的長期的にそれが勃発することは、確かである。他の「小さな」国々は、それを評価する能力がある。彼らは、唯一の大国が、対抗者なしに自分たちの地域で行動することを望んでいない。
アメリカ人を寄せ付けないことは、思ったよりも困難であることが判明した。国連とロシアによって正当化されたアフガンでの米国の行動は、上海協力機構の構成メンバーを一時的にワシントンと密接にさせた。ウズベキスタンとキルギスタンとは、アフガン出兵のためのアメリカ軍兵士に武器や装備や食料を供給するための基地を提供した。(後略)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「2名の日本人が米国債券を密... | トップ | 「サハラ太陽計画」と題する... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国際政治」カテゴリの最新記事