高橋まゆみ・創作人形「まゆみの気まぐれ日記」

農道をかっぽして歩く笑顔のおじいちゃん。姿が見えなくなるまで手を振るおばあちゃん。やさしさはいつもそばにいた。

四角いあすぱら

2007-05-28 07:26:38 | まゆみのつぶやき室
アスパラ話は続く。
昨日もアスパラを収穫に行き選別していたら、『え!?』四角いアスパラが。

プレスされちゃった?と思うような、まっ平なアスパラが。

おばあちゃん一言「アスパラの世界にも変わりもん」がいるさけ{こと・・・さけはこちらの方言}

写真撮影後、食べた。やはりあすぱらだった!

太さの違いはあっても、形の違うのは珍しい。

しかし、考えてみれば、だいこんの二股や、ジャガイモやにんじんだって、「何これ!」と笑ってしまう物も良くある。

しかしだ。こういう特殊なアスパラは勿論出荷できず、はみ出されてしまう。

人間の世界も同じ。

個性・・・というのは許されるが、他の人との協調性が無いのは、やはりはみ出されてしまう。

気をつけよっと

あすぱら、アスパラ!

2007-05-24 10:38:30 | まゆみのつぶやき室
我が家のアスパラ畑。

ほんの一部であるが、気温が高く、天気のいい日にゃ出るわ出るわのアスパラ畑。

農家にとって、5月と言うのは、田んぼを耕したり、苗を植えたり、収穫したりと一年で一番稼ぎ時だ。

農家に嫁いでしまった私も、そっぽを向くわけに行かない。
毎日、二度、朝夕の収穫。帰って機械で選別、大きさごとにゴムやテープで括り出荷となる。

考えてみたこんなに体を駆使して、動かしているのに太って行くのは、お腹は空いていつもより食べてしまうけど、使われる筋肉は一定の所だけだと。
そう、腰の両側が硬く締まって来たような・・・・そんな気がする。

まだ、序の口の百姓なので辛さは無いが、収穫後に軽トラの後ろに乗って(本当は違反}山から下りてくる時の、風の心地よさ、程よい疲れ、何ともいえない。

何も考えず、ただモクモクと草を取ったり、アスパラを切ったり、そんな自然の待ってはくれないペースに振り回されるのもありだと思う。

人形の場合、意外と頭の中で固まるまでに時間がかかり、布を染めたり、小道具に何を使おうかと悩んだり、チクチク縫ったり、衣装もみんな同じに見えるが、一つ一つ考え抜いている。・・・・結構、頭が凝る仕事だ。

腰を痛めたおばあちゃんは、すっかり復活
じっとしている方が辛いと言いもう何でもこなしてしまう。

今までは、お百姓の話はちんぷんかんぷんで、会話に入れなかったが、今は違う。

これから出来る範囲で

今日も、これから田植えでぇ~す!




母の日

2007-05-16 22:15:23 | まゆみのつぶやき室
昨年、この時期に書いた事。

息子が付き合っていた彼女の19歳での事故死。

息子はショックで何日も暗い部屋で一人泣いていた。
付き合っていたといっても、もう別れて数年がたっていた。

今年、就職をして、初任給をもらい、彼女の一周忌に花を買って墓参りに行ってきたと突然帰ってきた。
家の人が留守だったので、玄関先にそれを置いてきたそうな・・・・


私も前々からそんな話をしてはいたが、きちっと節目に実行してくれた事に胸をなでおろした。

墓参りの後、家に寄ってくれた。

ぶっきらぼうに、300円の値札がついた、黄色いカーネーションを私に差し出す。
母の日・・・だから・・・・とも言わず。
しかし、私が鎌倉から帰った日、やはり息子は家に立ち寄り、初任給で飯をおごる・・・と約束を果たしに来てくれたようだった。

ご飯を食べかけていた家族。母の居ない家。祖父母、父、母、4000円で何か食べて・・・置いていくと言ったようだ。
しかし、見習い美容師の初任給なんて、たかが知れている。
父は・・・・「いいから」と言ったとたん即、待ってましたとばかりに財布にしまったようだ。


300円の、黄色いカーネーションは今も出窓に元気に飾られている。
母親になって、幾度も学校で作ったものなどのプレゼントは頂いたものの、今回は一味違う嬉しさがあった。
息子の気持ちが嬉しかった。


ところで、ところで、娘達はどうしちゃったんだヨォ~    

山形   酒田市

2007-05-13 09:51:14 | まゆみのつぶやき室

11日、山形での人形展の為、飛行機で庄内空港に向かった。50分ほどのフライトはあっという間であった。
前日に入ったスタッフは、暴風雨に見舞われ、汽車が2時間も足止めをくらったようだ。

山形は2005年に米沢、上杉博物館で一度人形展を開催している。
来年、また上杉博物館での二度目の開催も決まっているが、3時間もかけて、そこの学芸員の方も来てくれた。

今回開催された、酒田市美術館は何と広大。松林に隣接された美術館は今までと違い、第一会場、第二会場、第三会場と別れ、第一会場から第二会場に移るまで何十メートル、そしてその館道からは手入れの行き届いた青芝が広がる。
しゃれた、皮の椅子も随所に置かれ、癒しの空間でもある。

いつも思うのは、こういう美術館、博物館というのは、物を見せる以上に景観や空間を見せる物でもあり、一時の心のオアシスを与える場所でもあると思った。

人形の飾りこみは、あっち、こっちでいつもと勝手が違う所もあったが、見る側に立ってみると、一会場を見て、一息つけると言う長居したくなる場所でもあった。

そして、その日は海に近い酒田市ならではの食事をご馳走になり、美術館から2~3分程の簡保の湯・・・に宿泊。

浴衣を着たまま歩く人、温泉だけつかりに来る人、家族連れなど、庶民的な気を張らない宿だが、私はこういう所が大好きである。
久々に、アスパラ疲れから開放され、何度も温泉に入った。

初日が開けた。

今回は一カ月以上と長い期間の展示ではあるが、前に見て、もう一度と米沢からやってきてくれた人や、秋田県から来てくれた人もいた。

そんな中、20歳くらいの若い集団が・・・・

へぇ~  息子みたいな茶髪のお兄ちゃんもお人形に合いに来てくれたのかぁ~みんな熱心に見ている。

あまり熱心に見ているので声をかけてみた
私「どうですか?」

二人の若者「良く、作られていますねぇ~!」

私「そうですか。ありがとう」

って、どうも天井を見上げ、建物の作りを見ている。
学生達は設計を学んでいる研修旅行生達であった。

なぁ~んだ!褒めていたのはそっちかよ!

そんな事もありながら、帰りの飛行機の時間がたっぷりあったので、土門拳さんの美術館で仏像の生写真に圧倒されながら、土産を買って帰途に着いた。


いよいよ

2007-05-03 17:36:52 | まゆみのつぶやき室
いよいよ、我が家の大切なアスパラ君たちが出始めた。

20キロの肥料をショって、可愛がったかいがあると言うもの。
家では出荷できない、曲がったのとか、ほけてしまったのとか、器量の悪い物しか口に出来ないが、味は同じ。春アスパラは甘くて本当においしい。

今朝も朝採りを4箱くらい収穫できた。
採ってきたアスパラを機械に一つ一つ置いて振るいにかける・・・と言っても、機械が勝手に大きさや長さを選別する。
選別されたアスパラは100グラムずつ、束ねて出荷となる。
まだ、値がいいので、人に送れないでいるが、これから、「見るのもいや・・・」になって来る日も近い。そうしたら・・・そうしたら・・・・デス。

そんな今日、貴重なアスパラを少しお土産にして、平安堂長野店で初サイン会をしている未来君に会いに行った。

2時からというのに、30分も前から未来君は、緊張しながら机の前で構えていた。
ベージュのチャイナ襟のジャケットが大人っぽさを見せていた。
未来君と目があった。きりりとした青年の目に少し「ドキ!」
すると、ゴールデン街様{未来君のお父さんのニックネーム}が居たので、腰掛けながらおしゃべりをした。
サイン会が始まり、「うば桜・・・」でもいいかなと行ってみたのだが、なんの何のたくさんの人が並んでいる。
私もかつて同じ場所でサイン会をやった事があるが、そんなに人はいなく、店員さんまでならんでいただいたような・・・・この差はなんなの差
未来君は一人一人にしっかりと、お父さんに手を助けられながら、言葉まで入れたサインをしてくれた。
『命{ぬち}どぅ宝』と書いてくれたが、意味が解らず尋ねた。
ハンコウを押している、おば様が「沖縄の言葉で、命あればこそ宝」だと言った気がする。ごめんなさい。しっかり聞いてなくて。もう一冊の本には「強くあれ」と書いてくれた。
嬉しかったよ!未来君。

その後、お母さんともおしゃべりをした中で、当たり前のことを当たり前にさせてきただけだとカラっと言ってのけるその瞳の強さには、ゆるぎない信念を感じた。

双子の弟の自由君は、遊んでいたマグネットのダーツに私を連れて行き、「おばさんもやってみる?」「エイ!」全然ダメだった。
そして、あちらには寝そべって本に読みふけるマイペースの希望君が居た。

いい家族だ!