高橋まゆみ・創作人形「まゆみの気まぐれ日記」

農道をかっぽして歩く笑顔のおじいちゃん。姿が見えなくなるまで手を振るおばあちゃん。やさしさはいつもそばにいた。

萩での一泊

2007-02-22 22:00:47 | まゆみのつぶやき室
前々から、話を頂いていた、山口防府市での講演会の話。

講演会なんてとんでもない・・・と断り続けていた私だった。
しかし、八重子のハミングの出会いで何体も心の世界を作ることが出来た人形のモデルでもある陽さんの依頼では断る訳にも行かない。
徹子の部屋・・・のように、質疑応答の形なら何とか・・・と義理も果たす気持ちで望んだ講演会が21日、無事終わった。
それが、どうだったかは解らない。しかし、商工会議所の女性部の主催の方達は、気を使いながらも、良かったといってくださった事に、ほっと胸をなでおろしている。陽さんが言う『これも、勉強だから・・・』と。
本格的に講演会をこれからもするつもりは無い私であるが、確かに人形があって、その作る時の思いや、人形との出会い等を語るには、いい機会を与えてもらえた思いである。ありがとう御座いました。防府市の商工会議所女性部の皆様。

そんな中、陽さんに連れられ、またまた萩へ・・・
待ち構えてくれていた仲間達。持ち寄ってくれた手作りの料理が並ぶ、陽さん同級生の気の知れたプチハウスでは貸切り状態。
魚に飢えている、長野育ちの私は、人の話なんて聞く耳持たず・・・。パクパク、ガツガツ食い捲くる。陽さんが取り寄せてくれた毛蟹にいくら、新鮮な刺身に、貝ごはんに魚介汁をズーズーすすり、何日分もお腹に入れ、気さくで楽しい陽さんの仲間達の仲間入りをしていた。

小さなプチハウスはそのうち一人増え二人増え、市会議員やら、市長さんやら・・・訳のわからない陽さんワールドに化していた。
おいしいお酒と食べ物が並んだ席ではみんなテンションが上がる。
私も以前お逢いした人が多く、気が楽だった。
そしてこの仲間達の中にいられる事が幸せだった。
お酒が入れば、皆、肩書きも何もかも無くなる。
後々聞けば、皆すごい人ばかり・・・すごい…と言っても陽さんの事が大好きで、仕事はしっかりし、ばかになる時は徹底的にばかになる・・・そんな人たちばかりだった。人は衣をはがせば皆同じ人。
そんな萩でのたのしい1日を頂きながら、最後は陽さんいきつけのスナックへ二次会へゴ~!
唄いましたよ!千の風になって・・・ヨイトマケの唄・・・。
やっぱ、いいね!ジィ~ンときた。
酔っ払いの陽さんの唄では涙は出なかったけど、あらためていい歌だナァ~と思いましたよ。

翌日、お昼の飛行機で帰る為、時間が無い中、陽さんは精一杯の時間をかけて、つばきの自然群生林、萩美術館を案内してくれ、空港まで送ってくれた。

小学校の卒業文集に、先生が書いてくれた言葉があった・「するめのような人になりたい」と。

私は、今回あらためて感じた。
陽さんはするめのような人だって。
噛めば噛むほど味が出る・・・人だって。

母のような言葉で「そうじゃないでしょ!」・・・と否占める陽さんの後輩達や
バシっとした言葉で切り捨てる仲間達。「ちがうんよ!」と自分の想いを主張する陽さん。言葉のキャッチボールは
続く。少年、少女の気持ちを持ったまま大人になったような楽しい仲間に囲まれた陽さんの笑顔の素敵な事。

一度目より、もっと萩の人たちが好きになった私。
そして、陽さんがもっと好きになった私でもあった。

おとうのカレ~

2007-02-18 20:47:45 | まゆみのつぶやき室
今回、新しい作品の小道具に『地図』を作ってくれた、暇なおじさん事、伊藤さんとは、最初、奥さんの知恵子さんとの出会いから始まった。
人形展で一つのお地蔵さんを前に、感極まって泣いてくれた人でもあった。

世の中起用で、ものずき{失礼!}な人がいるもので、布以外の小道具をいつもどうしようと悩んでいたが、暇なおじさんはせっせと作っていろんな物を送ってくれた。時にはサイズが合わなかったり、イメージが違ったりで、好意を無にした事もしばしば。
しかし、めげずに「自分の楽しみ」と言って作り続けてくれている。

今回のこの地図は、プロデューサーの畑田市、大切な人の坂田市、未来山、キャプションの文字を書いてくれているグランパ国立公園、地図のカバーには大きくまゆみ岳、そして、このブログで繋がった仲間達の名前がなにかしら、山、川、湖、道等になって、登場する。

三月で人形の旅も4年が終わる。そして5年めに入る全国展で勿論、この地図に登場しなくても応援してくれている皆さんの気持ちと共に、歩きたいと思っています。

おじさんが作ってくれたこの地図は、みんなのおかげ・・・と言う証。
原動力になりました。あらためて感謝いたします。

そんな人の力も借りながら、日曜日の今日も朝から創作台に向かっている。
何やら、下からいいにおい!

おとう{旦那}がカレ~を作っている。
作ることが嫌いでないおとうのカレ~は、野菜をミキサーで砕き、なかなか本格的。私の作る、野菜がドカンドカン入った田舎カレ~とは品が違う。

手を合わせ口に含んだ。その時だった・・・ゴリッ
歯が折れたかと思ったその正体は、カレ~の中に鳥の軟骨が・・・ゲ!!

隣でモクモク食べているおばあちゃんが一言「硬い物はあごに筋肉がついて、ほっぺが垂れないんだって」と。ハァ~?

ま、そんなちょっと変わったおとうのカレ~ではあったが、これも『おかげさん』

只今取り込み中

2007-02-16 14:22:13 | まゆみのつぶやき室
今月に入って、猛烈に仕事に取り組んでいる。

というのも、3月9日からの仙台、次の沖縄展は二度目の会場になる為、目新しいものを・・・と言う事でジオラマと同時進行で創作の日々だ。

前から、頭にはあったのだが、今一つ気持ちの乗りと、題材が浮かんでこなかった。そこで、あせった私はプロデューサーに泣き言を言った。「無理だよ・・・絶対・・・中途半端に出すなら出さない方がいい・・・」と。

プロデューサーは、残念そうであったが、「作家はそういうものかもね」と仕方なく首を縦に振ってくれた。

その晩、何時間も眠れなかった。
やる前から出来ないと、さじを投げている自分が悔しくて、眠れないでいた。
一カ月で何が出来るかわからない。
しかし、気持ちはもう新しいジオラマ「駅のホーム」に置く人形の事でいっぱいだ!

そこで一つだけ最新作、登山の夫婦・・・をお見せします。

ミニサイズの地図は、今回も暇なおじさんが作ってくれました。

夢中になれる時間は、幸せな時間でもありますものね

灯明まつり

2007-02-13 08:53:08 | まゆみのつぶやき室
今年の暖冬は、先日降った恵みの雪でさえ、容赦なく瞬く間にその姿を消し去ってしまう。
今月10日、11日と地元で行われた「雪祭り」も山から200台分のトラックで雪を運び、雪像を作ったもののザクザク雪を踏みつける姿も無く、雪中に隠された宝探しも勿論出来ないで居た。
しかし、今回若者が名乗りを上げて「ボード大会」を催した。
少ない雪をショベルカーで積んだり、たたいたり・・・
何とか成功させようと、人の手もほとんど借りずに頑張っていた。
人口、3万弱のこの地区で若者が自ら提案し成功させたこの催しに、今年だけに留まらずにいて欲しいと願うばかりだ。

と言う事で、まだまだ冬の祭典は続く。
2月10日から18日まで、長野の善光寺周辺で光の芸術蔡、文化祭などが行われる灯明まつり。
国宝善光寺周辺を、照明デザイナー石井幹子さんが5色の光で演出し、常夜灯が道案内をする。
各会場ではさまざまな催しや、コンサート、屋台が並ぶ。
と言っても、私も来週に行って見たいと思っているのですが、人形芝居「百鬼どんどろ」や北川フラム氏の講演など、聞いて見たいなぁ~。
昨年、新潟県、妻有り周辺で大地の芸術祭・・・を見て、すごい演出家だなぁ~と思っていたフラム氏だったので、今回お話を聞けるのは楽しみだ。

これは、説明するより、見るに越した事はないと思います。

こられる方は暖かい格好で・・・。

もろこしの服

2007-02-09 22:58:22 | まゆみのつぶやき室
岩手、さくらの百貨店から今帰ってきました。

決して、会場は広く無いものの、威張った所が無く、車椅子でも見やすい私好みの会場であった。
お客さんも「うまいねぇ~!上手にできてるねぇ~!泣けるねぇ~!」と近所のおばさんと話すような会話だ。

今回は7周年記念と言う事もあり、オープニングセレモニーをやった。
しかし、私はどうもあのリボン・・と言うのが苦手である。
何気に、お客さんと混じって、言葉を盗み聞きするのが私の趣味になっている。
しかし、一応作家さんなのでオープニングに立ち会う。
私の隣にはデパートの大家さんが座った。「若く見えるねぇ~!もっと、人形みたいにおばさんかと思った・・・」と。
『何にも、出ないけど、宜しく・・・』と私。
そんな会話の中、人に見られる・・・というのは、気にする・・・と言う事でもあると思う。

千葉、三越で着ていた、私のブラウスジャッケットは岡正子さんという、地元のデザイナーの洋服を来ていた。
徹子の部屋にも出た彼女は、リサイクル、自然素材を大事にしていて、そういうものを洋服に仕立てている。

私も、ブランド・・・とか全然興味が無いのだが、とても綺麗な色に魅かれて入ったのが岡さんの店であった。草木染、とうもろこしの繊維で作った服。

軽くて、気やすくて、色が綺麗・・・・とても気に入った。

そんなちょっと、いつもにないおしゃれをして望んだ、千葉三越であったが、着る物を大事にすることも良いが、やはり嫌でも着いてしまう脂肪と内面を見つめ頑張ろうと、岩手からそのままエアロビ・・・に行きましたよ。
今年も、信濃の国踊りに向けて練習が始まっているので、遅れまいと・・・おばさん


スキー!

2007-02-05 22:39:40 | まゆみのつぶやき室
今年は暖冬。と言えども、山国信州のスキー場はシーズン真っ只中。

私は長野市生まれなので、どちらかと言うと、スケート場が近いため、学校でもスケート教室があったり、かなり大人になるまでやっていた。
浅田真央ちゃんみたいに華麗にすべる事は無いにせよ、一応、バック、回転くらいは出来た。
しかし、この辺はもっぱらスキーが主役。子供達も小学生の頃から、当たり前のようにスキーを履いて、学校の周りの田んぼをコースにし、クロスカントリースキーが体育の授業であった。

休みともなれば、親子スキーレクレーションがあって、滑りに行くのだが、二度とやりたくない思い出があった。

やった事も無いスキーを履いて、リフトに乗り込んだ。スイスイ前の人たちはリフトから降りていく。自分の番に来て、タイミングが合わず、こけてリフトを止めてしまった。その後、急斜面を覗き込み、失神しそうになった。
「何で、こんな高いところに来てしまったんだろう」後悔遅し・・・悔しい事に、私のそんな想いを尻目に、ちびちゃん達の旨い事。
あっという間に消えていく。
考えていても仕方ない。
ゆっくりゆっくりジグザグに滑っていく。時には尻でずずず・・・と行ったり、雪の中に顔を突っ込んだりしながら、何とか、死に物狂いで下までたどり着いた始めてのスキー教室。

どうも、私は高い、すべる、長い物を着ける・・・と言うのが症に合わないらしい。
同じスキーでも、子供の頃遊んだ雪山を作って滑った、竹スキーは楽しかったナァ~   え?知らない?

沖縄哀歌

2007-02-02 17:15:48 | まゆみのつぶやき室
展示会場の入口に挨拶文・・・というものがある。

その中に「戦争があったって、金が無くたって、食ってくものさえあれば生きていける」という年寄り達の笑いじわに生きるすべを見る。と書いている。
我が家の年寄りが言った言葉だったが、その言葉に噛み付いて来た人がいた。

この『戦争があったって』・・・というのは違うでしょう。どういうこと・・・みたいに。

戦争という物を深く見つめようとしない、過去形にしている自分がいた。

千葉で、しびれる手でサインをした未来君の『沖縄哀歌』を読み終え、そんな自分が恥ずかしく思えた。
終戦から未来君よりもずっと近い年の自分が、20歳になったばかりの息子のような未来君のこの本を読んで、深くため息が出た。

今回初めて出した、からっぽの碑という作品も、写真だけしか見ていないので、広島かと思っていたが、その写真のおばあさんの後ろには石碑郡が連なっているので、これは平和の礎だったんだと、光景が重なる。

過去の何万人もの無念の死をしっかり受け止め、時には涙し、時には震えながら、平和を願い、二度と戦争・・という痛ましい世の中にならないように、祈りを込めて書き上げた、この沖縄哀歌は未来君や家族にとって、戦争で無念の死を遂げた人への
恩返しであると共に、豊かな世の中ボケになっている人へのメッセージだと思います。

本当にがんばりましたね!

ハンディのある未来君の傍らで、いつも支えていたお父さん、お母さん、弟達。
これだけの本にまとめるにはどれだけ沖縄に飛んだのでしょう。歩いたのでしょう。きっと、一途そうな貴方だから、妥協せず・・・と見ましたよ。

これからも、一緒に人形展と旅しましょう。一等賞の旗。沖縄哀歌。

私の名前も入れてくれてありがとうね!