高橋まゆみ・創作人形「まゆみの気まぐれ日記」

農道をかっぽして歩く笑顔のおじいちゃん。姿が見えなくなるまで手を振るおばあちゃん。やさしさはいつもそばにいた。

団塊の世代

2007-04-28 09:15:38 | まゆみのつぶやき室
もう、何度も書いているが、今年は山菜の宝庫である。

裏山を、一時間も歩けば、リュックいっぱいになるほど。
特に、王様と言うべき「タラの芽」は豊作。スーパーで何気に見ると、4~5個入ったパックが300円もするではないか。ウヒヒの世界でもある。しかし、最近、もう熊が出没すると言う事で、止めた。

そんな豊作を、もう二度、三度と家では頂いているので、親戚や知り合いに配る事にした。
天ぷらにすれば、3倍にも増えるので、結構な量。

そんな中、昨年9月に連れ合いを亡くし、娘達は嫁いでいるので、一人暮らしの叔父さんにもおすそ分けを・・・と立ち寄った。

前にも書いたが、叔父さんはずっと教職をしていたが、今は引退をしている。
どこか、威圧感があって、近寄りがたい雰囲気を持っていた。

たまたま玄関先に居たおじさんに「タラの芽」持ってきたよぉ~と声をかける。
「おお、まゆみちゃんかぁ~」と垂れ目がより一層下がって見えた。

『ところで叔父さん、天ぷらできるの?』と聞いた。『いいヤ!』とあっさり返ってきた。そうなれば、やるしかない。

かって知らない台所・・・だが、いつも台所に立っていたおばさんの空気がよぎる。使いかけた調味料の数々、年月が増やした食器の山。調理器具の年期とこびりついた油やこげ・・・家主の居ない台所だが、そこを大事に守ってきたおばさんのぬくもりが感じる。

小さなフライパンに油をひき、天ぷら粉に少しの塩を入れ冷水で溶く。
小分けにしたタラの芽を「ジュワ~ッ」と揚げる。

叔父さんは、心配なのか、気になるのか、話したいのか・・・嬉しいのか・・・・寂しいのか・・・・何度も台所に入って来ては話かける。
天ぷらは、結構時間がかかるので、今まで話さないような話までした。
「親父は男子厨房に入るべからず」という時代だったから、自分もそう思って生きてきた」「しかし、出かけるにしても、送ってくれる人もいない。お帰りと出迎えてくれる人も居ない、一人ではやる気も起きないよ・・・」と言った。

確かに、そうだろう。
仕事一途。料理もしたことが無い団塊の世代の不器用さを見た。
でもね、叔父さん。その時は言えなかったけど、「料理だって、出来ない・・・とやる前からあきらめるより、一つ、二つとレパートリーを増やしていけば、結構楽しいよ!」今度、ご馳走してよ!叔父さんの手料理。

大きな皿いっぱいに盛られたタラの芽の天ぷら。
一口、二口、口にしたが、どうやらその日は、おしゃべりが何よりのご馳走だったようだ。




あ~  終わった!

2007-04-23 08:16:48 | まゆみのつぶやき室
忙しい一週間が終わった。

畑の肥料蒔きから始まって、鎌倉での作品展、はたまた22日の昨日は練習を積み重ねてきた、踊りの発表とせわしい一週間であった。

今年の気候はわからない。温度差の激しい事。
アスパラも、まだまだのようだ。

まず、鎌倉古陶美術館
北鎌倉駅を降り鎌倉方面に線路伝いに2分程歩くと古陶美術館に着く。
空海望さんが円覚寺の敷地内?と言われましたが、そうではなく、隣・・と言ってもいい近さだ。
まず、その建物に圧倒される。古い民家を移築した・・・と言う事であるが、太い梁、年期の入った色艶。部屋を巡りながら望める中庭の何気ない花々や木々。所々に置かれたオ~ナ~の焼き物。これが只の焼き物ではない。仏像や狛犬などすばらしい焼き物が目につく。素焼きの古い大きな壷も展示されている。

こういう中で、私の人形を飾ると、いつもと一味も二味も違った感じに見えるので不思議だ。
今回は、鎌倉と言う独特の土地柄で、人形以外でもいろいろプラスαで楽しめそうだ。

そんな鎌倉から帰り、22日は朝から発表に向け、美容院に行き気合いを入れた。
『信濃の国踊り』は昨年から一年かけて踊りこんできた自信作。
HANA先生は、増えた子供たちに負われている。

仲間達は上がった様子も無く、返って早く披露したい・・自信ありげな顔にも見える。さぁ~  いよいよだ!
会場の暗闇に恥ずかしながら「見にくれば!」と呼んでいた家族が見えた。
音が流れると、自然と体も動く。昨年のように次なんだったっけ?・・・というような不安は今は無い。なんなく踊りは終えて、拍手を沢山もらった。
その後、会場前の公園で桜の花吹雪の歓迎を受けながら、踊った子供たちの家族なども交えながら、60人ほどの花見の席に座った。
大勢で、桜の下で食べる350円のお弁当の何とおいしいことか。
忘れていた久々の満足感であった。

その後、もう一度、ストレッチの教室での『ぱらぱらダンス』を披露して会場を後にした。
ストレッチは年代が広く、未成年の少年から、上は90以上のおばあさんまで居る。
腰が痛い・・・膝がガクガクする・・・なんて言っているような人達ばかりだが、こんな風に、目的を持って、楽しんで参加するのも悪くない。

桜舞う季節は心も体も喜びをくれた。



多忙な日々

2007-04-18 08:48:04 | まゆみのつぶやき室
4月というのは、何でこんなに忙しいのだろう・・・・

特に今週は多忙を極める。

21日から、北鎌倉駅前の古陶美術館での作品展に入る。
民間?での会場は珍しく、古い民家を移築したという雰囲気のあるギャラリーでの作品展。

確か、鎌倉は小学校の修学旅行で「大仏」を見た記憶がある。それ以来なので、何十年ぶり?・・・・あ!いや・・・何年ぶりかしら・・・・オホホ

そんな鎌倉から帰り、22日は、昨年に続き、市内の芸術祭での発表がある。

ストレッチとエアロビを続けている私は2度も踊る事になる。
覚えの悪い頭と、脂肪が邪魔する体を引っさげての挑戦だ。

しかし、練習は楽しく、体も徐々に締まってきている?かのようにも・・・・信じたい。
今週はその発表のリハーサルにお百姓にと・・・・体力勝負だ。

そんな日々。

春はいいねぇ~
裏山を歩いたら、その日一日分の山菜の収穫ができた。

タラの芽、ぜんまい、三つ足、のびろ、あさつき、よもぎの芽・・・・
天ぷらや、酢味噌和えにしていただく。
ただで、こんなにおいしいものがいただけるなんて、何て幸せなんだろう。

私も、何処かの奥様みたいに前世は青虫だったに違いない{青物を食べると元気がでる}

これから

2007-04-14 20:04:21 | まゆみのつぶやき室
末息子が家を出て自立してから、数日が過ぎた。

おじいちゃん、おばあちゃん、旦那、私・・・・4人の生活が続いている。
早めに夕飯を食べ終えた年寄り達・・・・『おごっつぉさん』と部屋に戻る。
京都に会社の旅行で留守の旦那。
たった一人,居間で大家族のドキュメントのテレビ番組をつけている。

ふぅ~!

こういう番組を見るたび思うのは、自分の生活の豊かさと、忘れてしまっているさまざまな心の豊かさ・・・を思い知らされる事だ。
番組の中の働いている子供はお給料そのまま、封も切らずに母に渡している。
小さい子供も、チョットやそこらでは泣かない。
出してくれる物にかぶりついて食す。
なかなか、こんな風にたくましく生きていない家庭に、考えさせられる所も多いながら、我が子には、出世払い・・・とか言いながら車を買い与えてしまう自分が恥ずかしくも思っている。

私はいつもこういう番組を見るたび、自分がなくしてしまっている大事な物を見る。
そして思う。
この子供達は、きっと、少々の事ではへこたれない強い気持ちが育っていると。

今日、長野に出かけた。
横山たか子さんという料理研究家・・・とてもいい本を出版している尊敬している人だが、一緒に食事をした。
初心者的な玉子焼き・・・の作り方を聞いたり、また国酒(日本酒}のすばらしさ、お互いの仕事の行く先を話しながら、冗談を言いながら楽しい時間を過ごした。

その後、息子の勤め始めた美容院の横を様子を伺おうと、ゆっくり通りすぎた。
私の目は観察そのもの。

ガラス張りの中で、確かに見えた息子の姿。
タオルを肩にかけたお客さんのマッサージをしていた。

止まって、見続けたい気持ちを押し殺して、ゆっくり通りすぎた。

そして、親ばかな自分をを急かせながら、家に向かった。





本業はどっち?

2007-04-11 08:05:49 | まゆみのつぶやき室
華の都では桜が満開と・・・

しかし、私の住む信州はこれからが本番。
そんな時期になると、いよいよ百姓も本腰を入れてくる。

雪に押しつぶされぬように囲った木々の雪囲いをはずし、保存野菜を片付ける。

我が家も何度か書いているがアスパラ農家である。勿論、米、野菜何でも作ってはいるが、出荷しているアスパラは唯一肥料代と、年寄りのこずかいくらいにはなるようだ。
時々、猫の手くらいのお手伝いはしたものの、今までほとんどが年寄り任せで、私はのんきに人形作りという綺麗な仕事をさせていただいている。
だが、今回は腰を痛めたおばあちゃんに変わり、田畑を守らなければならない使命感に襲われ、積極的に始めた。

まず最初にやる事は、土をよみがえらせる事。

土、日、だんなとおじいちゃんと3人で畑に上がる。{家の上の小高い所に畑がある}

割烹着に長靴、ゴム手袋に手ぬぐいを二重巻きにして、農業用ボーシをほっかぶる。
このファッションは、作業してわかったのだが、日焼けに強く、すり傷、切り傷にも、対処。また動きやすく、土などが入ってこない優れものなのだ。

ファッションも、気持ちもやる気満々!
アスパラ畑は、幾つものウネになっているので、昨年落ちた種が耕した土から今年も実を出してくるので、毎年植えるのではなく、万年草・・・でもある。

しかし、肥料は沢山与えないと良い作物にならない。

旦那は一つ一つのウネにけいふんを巻く。
私はカセイという肥料を振りまくのだが、リュックのような物にホースがついていて、20キロの肥料を担ぎ、蒔いて行く。20キロは重い。肩がガクン・・と落ちる。それを大きな田4枚分・・・・400キロほど背負って巻いた。

肥料が巻かれたウネをおじいちゃんが機械で耕す。

雪で硬くなった土が軟らかい布団のような光景に変わった。

かなり足腰に来たものの、久々に、体を使った気持ちいい仕事をさせてもらった。

これでおいしいアスパラがでるかな?・・・・と食事時に話していたら、
おばあちゃんが一言「今年は雪が降らなくて、水分不足だから、どうやら・・・」と。
私の今日の苦労はなんだったのさ!

しかしだ!やはり季節季節にあるものがあって、世の中廻っているのだと感じた。

めんそ~れ  沖縄

2007-04-04 08:19:28 | まゆみのつぶやき室
めんそ~れ  沖縄

4月2日、那覇の三越での二度目になる作品の為、沖縄に向け旅立った。
勿論、沖縄といえど遊びではないので、作品展の準備とマスコミに記事にしていただくための訪問などがあり、一日が終わる。

初日はサイン会や取材を受けて、終わるや否や、飛行機に飛び乗り帰途に着く。どんな所でも、駅や空港と会場との直行なので、観光など出来るはずもない。
しかし、主婦は家を出られるだけで幸せなのだ。
そんなあわただしい毎度の人形展ではあるが、やはり楽しみは、夕餉の食事。

前回来たときも、感動物だったが、私は沖縄料理が口に合う。
何を食べてもうまい!
今回も沖縄料理を毎回堪能した。

ソーキそば、ちゃんぷる、海ぶどう、ゴーヤ、もずく、島ラッキョウに、らふてぃ。
勿論、古酒の泡盛つき。
青い{ぶだい}だったかな?のお刺身もおいしかった。

沖縄料理は、決して見栄えとか高級食材・・・という訳ではないが、健康食でどちらかというと、野菜中心なので毎回食べても飽きが来ない。

翌日の昼も、公設市場の二階の食堂で、相席当たり前の席に着く。
私たちの横には、地元だけど、始めてきたという母娘。
同じテーブルで食事をしていると、相手の食べている物が気になる。
お嬢さんはゴーヤちゃんプルを食べていたが、お母さんは黒いスープをすすっている。
あまり、私が、興味深そうに見ているので、お母さんは{食べてみるかね?}と思惑くどうりの言葉。シメシメ
空いた器を差し出していただいたのは、イカ墨のスープであった。
少し塩からく、肉やいかが入った不思議なスープであった。

そんな大好きな沖縄料理を堪能した帰り道・・・・
ぶる!なぜか寒い。

異常気象は、ここ沖縄でも見られた。