白鷺だより

50年近く過ごした演劇界の思い出話をお聞かせします
     吉村正人

白鷺だより(264)クレイジーキャッツ結成10周年コンサート

2017-09-18 20:58:37 | 思い出
クレイジーキャッツ結成十周年コンサート

NHKで植木等のお付きだった小松政夫原作のドラマ「植木等とぼっけもん」が始まった 
いかにもNHKらしく綺麗ごとばかりのドラマ作りで面白くもないがただ植木を演じる山本耕史の歌と演技だけが見ものだけの作品となった

 さて「クレージーキャッツ」と言えば元々音楽ショウが出発でその洗練された音楽テクニックはこの度YouTubeであげられた「クレイジーキャッツ結成10周年コンサート」で見ることが出来る 正直言って驚いた それは僕がトップホットで見ていたセコい音楽ショウ(横山ホット・殿様キングス・ザ・ダーツ・果てはぴんからトリオ)に比べてその規模もテクニックも素晴らしくフルバンドを後ろに置いて演じられ これぞほんまもんの「音楽ショウ」というべきものであった

 記録によるとこのショウは1965年クレイジーキャッツ10周年を記念して催されたコンサートで この時点ではクレイジーは「スーダラ節」大ヒットも「無責任~」映画大ヒットも「紅白」出場も全部制覇した地位にいた

トータル37分弱しかないので それがショウのどのあたりの部分に当たるか判らない
(当然ザ・ピーナッツらナベプロ歌手やゲストも多数参加していたと思う)
だけど「ホンダラ行進曲」で皆総踊りで幕だと思う・・・ということはオーケストラの指揮のシーンがラストだろう 
そしてオープニングはメンバー紹介からだろう

まずはメンバー紹介から始まる ピン抜きで安田伸が浮かび「ハーレムノクターン」のテイナーサックスのソロ演奏をバックに司会者が経歴を読み上げる (以下のメンバーも同じ)演奏の見せ場があり終わる 続いて石橋エータロー、桜井センリの紹介があり二人でピアノ連弾で「トウ・ラヴ・アゲイン」を弾く 犬塚弘が浮かび「ハロー・ドーリー」のベースソロ 見せ場があって終わる 谷啓が浮かびトロンボーンソロで「スターダスト」
続いてギターソロで植木等が「ウナセラディ東京」を演奏 最後にハナ肇が「オールマン・リバー」をドラムソロを聞かせる 最後に明かりが入り全員で演奏、紹介は終わる


ここまで聞いているとその音楽的テクニックは見事でさすがは進駐軍相手に永年聞かせてきた片鱗を見ることが出来る 特にハナのドラムや谷敬のトロンボーンは見事でその演奏だけで充分活躍出来そうだ
誰が編曲、音楽監督か判らないが(荻原哲晶か?)その人の音楽の知識と腕と力がなかったら出来ない仕事だ

二番目のコーナーは「証城寺の狸囃子」だ
全員で狸囃子を演奏しているが途中で笙の笛が入り突然謡曲になる それが終わり最後の堤の音を石橋エータローが口で「ポン」とする 何回か繰り返すうちにハナが膨らませた口に指をツッコミ「ポン」と鳴らす それを何回か繰り返すが最後にエータローは金桶でハナの頭を叩く「ボン!」谷がエータローに怒る「どうしてそんなことしたんだ 言ってごらん」エータロー「(言おうとする)」谷止めて「言い訳するな、だけどどうしてそんなことしたが言ってごらん」「(言おうとする)」「言い訳するな だけど・・・」繰り返す
最後は全員でジャズアレンジで「狸囃子」安田ロカビリーぽく曲弾き 紙テープが舞う
ラスト ハナドラムソロ決まってドラム台のけ込みや舞台を叩きながら進み 最後はスタンドマイクの下から最上部まで叩き終わり 高笑い 暗転


収録された映像では最後のコーナー 
オーケストラの前に指揮者の植木等「剣の舞」を華麗に指揮する
弦楽四重奏の四人(谷、犬塚、石橋、桜井)が椅子と楽器を持ってスタンバイ
(モーツァルトの「セレナーデ」)
演奏が始まり谷の演奏を犬塚の弦が邪魔をするので谷椅子と楽器を持って移動する
犬塚も移動すると又邪魔をされるので移動する やっといい位置が決まって弾こうとすると曲が終わってしまう 四人揃って一礼
谷、植木に怒る 指揮者合戦 常に谷が勝つ 軍艦マーチ 最後にハナ大きなコントラバスホルンを持って出て 決まりで小さく「ピー」と吹く
ボリショイコーラス団風のメンバーが居並ぶ 「ボルガの舟唄」
「エイコーラ~」植木「おとっちゃんの為なら」「エイコーラ」「おっかちゃんの為なら」「エイコーラ」「もひとつおまけに」「エイコーラ」植木気付いて「およびでない こらまた失礼しました」
 世界一のティンパニー奏者(ハナ)が出る 実は中風で腕が絶えず動くため助手がステッキで調節している 最後にティンパニーを片づける助手の肩を叩きながら入る
おもむろに「白鳥の湖」が流れエータロー、センリがモンテカルロバレー団よろしく華麗に踊る 変奏曲になり最後ジャーンと決まる 植木調子に乗って何度も「ジャーン」
そこから谷のソロで「図々しい奴」の主題歌を歌う
全員揃って「ホンダラ行進曲」ゲスト・ダンサー出て一緒に踊り歌っている中で幕
 


 そういえばこの頃のクレイジーキャッツのマネージャーは後に藤田まことのマネージャーになったSさんだ 
お元気なら詳しく聞いてみよう 



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