いよいよ日本香堂の巡業の稽古が近づいて来た
これは稽古初日に皆さんに配る予定の作品解題として ブログ(142)「お初天神」のこと の内容を加筆したものである
味の家(ケチのや)の人びと 作品解題 吉村正人
今回の日本香堂の公演「味の家」の人びとは花登筐さんの「お初天神」というお芝居を原作にして 吉村が東京の話に代えて高度成長バブル期に入る直前の時代の中で「古き良きもの」を守ろうとする老舗料亭の女将を中心とした人々の話を作り上げました
左とん平さんが初めての女将役に挑戦していただけるということで企画しました
花登筺の「お初天神」は元々浪花千栄子のために書かれ昭和45年名鉄ホールにて初演
浪花さんはこの芝居を気に入り昭和47年南座にて再演 それが浪花千栄子の遺作となった
この初演の公演は敬子役に有馬稲子 その他の配役は判らなかったが花登さんが書いたもの(昭和57年一月公演パンフレット)によると 大芝居を打つ八重という役をまだ舞台経験が浅いジャズ歌手でもあった園佳也子がやったという 着付け一つとってもあまりにもひどく見るに見かねた浪花さんに手取り足取り厳しくしごかれ、それによって女優の演技開眼した作品だそうだ (しかし47年の南座の配役を見ると園は別の役・アパートのおばちゃんに回っている)さらに花登さんによると彼女は誰よりも浪花さんの演技を吸収した女優で 時折見せる演技にまったく<浪花さんの面影を偲ばせる何か>をもっているという
それで花登が彼のTV5000本記念番組の「お初天神」に園をお千代役に抜擢した
そして昭和57年1月(それまで名鉄公演の正月公演は10年間劇団喜劇公演だった)名鉄ホールで劇団喜劇10周年記念作「お初天神」にも園さんをお千代に抜擢
そののち平成6年南座で園さん主役で「お初天神」を上演(この時の演出は僕)
これは僕が松竹新喜劇の面々と初めて仕事をした記念すべき作品で このあと松竹さんに気に入られて新喜劇の演出を担当するきっかけになった
そして平成11年日本香堂の観劇会も園さんのお千代役で(演出は僕)上演した
僕の知っている「お初天神」の上演は都合この5回であるが(その外「劇団喜劇」公演で地方巡業があったらしい、それに宮園純子さんが女社長役ででていたらしい) 花登さんの初映画監督作品の「おめてたいやつ」もこの作品のアレンジであるし 僕の知っている範囲では梅コマの西郷輝彦がやった「梅田界隈」という作品も同じような筋立てだったと思う 花登先生お気に入りの作品だったことが伺える
主な配役
昭和45年名鉄ホール 千代(浪花千栄子)敬子(有馬稲子)八重(園佳也子)
昭和47年南座 千代(浪花千栄子)敬子( 鳳八千代)八重(森明子)番頭留吉(谷幹一)
板前吉岡(沢本忠雄)仲居頭とく(初音礼子)女社長(久慈あさみ)ドングリ(早崎文司)
(この時のメンバーがこの年誕生した「劇団喜劇」の中心的メンバーとなる)
昭和57年名鉄ホール 千代(園佳也子)敬子((星由利子)八重(正司花江)番頭留吉
(高田次郎)板前吉岡(小林勝彦)女社長(月丘千秋)ドングリ(左とん平)
平成6年南座 千代(園佳也子)番頭留吉(高田次郎)女社長(阿井美千子)板前吉岡
(入川保則)敬子(土田早苗)和子(小鹿ミキ)ドングリ(曾我廼家貫太郎)
平成11年日本香堂 千代(園佳也子)番頭留吉(高田次郎)敬子(鳩笛真希)
女社長(丸山みどり)板前吉岡(宗方勝巳)八重(御園恵美子)和子(三浦リカ)
この女社長は実在の人物で北新地のママから財を成した人物で花登さんのちょっとHな小説「銭牝」のモデルでもある
息子賢太郎は原作ではすでに亡くなっていて登場しませんが 今回は狂言回し的に出てもらった
もはや戦後ではないと言われて久しくたっているが未だに戦争の影を引きずって生きている人々が多い時代だった 今回は東京大空襲被災者 戦争未亡人 特攻くずれ 戦災孤児などのエピソードを新しく書き加えた
今回は名前は何人か変えた
千代~久代 留吉~平助 正太郎~賢太郎 栗田~栗橋 安宅社長~山之内シヅ子
平沼~田崎 泉常務~細川常務 玉寿司のおやじ~柴藤のおやじ とく~はつ 敬子~ゆき
玉枝~あき すず子~あすか 特に理由はない
和子 八重 春子 吉岡 管理人の澄恵 特に理由はない
さあいよいよ稽古がはじまる
舞台が落ち着くまでブログはしばらく お休みさせていただきます
今回はいつもより長く旅に付き合う予定です
これは稽古初日に皆さんに配る予定の作品解題として ブログ(142)「お初天神」のこと の内容を加筆したものである
味の家(ケチのや)の人びと 作品解題 吉村正人
今回の日本香堂の公演「味の家」の人びとは花登筐さんの「お初天神」というお芝居を原作にして 吉村が東京の話に代えて高度成長バブル期に入る直前の時代の中で「古き良きもの」を守ろうとする老舗料亭の女将を中心とした人々の話を作り上げました
左とん平さんが初めての女将役に挑戦していただけるということで企画しました
花登筺の「お初天神」は元々浪花千栄子のために書かれ昭和45年名鉄ホールにて初演
浪花さんはこの芝居を気に入り昭和47年南座にて再演 それが浪花千栄子の遺作となった
この初演の公演は敬子役に有馬稲子 その他の配役は判らなかったが花登さんが書いたもの(昭和57年一月公演パンフレット)によると 大芝居を打つ八重という役をまだ舞台経験が浅いジャズ歌手でもあった園佳也子がやったという 着付け一つとってもあまりにもひどく見るに見かねた浪花さんに手取り足取り厳しくしごかれ、それによって女優の演技開眼した作品だそうだ (しかし47年の南座の配役を見ると園は別の役・アパートのおばちゃんに回っている)さらに花登さんによると彼女は誰よりも浪花さんの演技を吸収した女優で 時折見せる演技にまったく<浪花さんの面影を偲ばせる何か>をもっているという
それで花登が彼のTV5000本記念番組の「お初天神」に園をお千代役に抜擢した
そして昭和57年1月(それまで名鉄公演の正月公演は10年間劇団喜劇公演だった)名鉄ホールで劇団喜劇10周年記念作「お初天神」にも園さんをお千代に抜擢
そののち平成6年南座で園さん主役で「お初天神」を上演(この時の演出は僕)
これは僕が松竹新喜劇の面々と初めて仕事をした記念すべき作品で このあと松竹さんに気に入られて新喜劇の演出を担当するきっかけになった
そして平成11年日本香堂の観劇会も園さんのお千代役で(演出は僕)上演した
僕の知っている「お初天神」の上演は都合この5回であるが(その外「劇団喜劇」公演で地方巡業があったらしい、それに宮園純子さんが女社長役ででていたらしい) 花登さんの初映画監督作品の「おめてたいやつ」もこの作品のアレンジであるし 僕の知っている範囲では梅コマの西郷輝彦がやった「梅田界隈」という作品も同じような筋立てだったと思う 花登先生お気に入りの作品だったことが伺える
主な配役
昭和45年名鉄ホール 千代(浪花千栄子)敬子(有馬稲子)八重(園佳也子)
昭和47年南座 千代(浪花千栄子)敬子( 鳳八千代)八重(森明子)番頭留吉(谷幹一)
板前吉岡(沢本忠雄)仲居頭とく(初音礼子)女社長(久慈あさみ)ドングリ(早崎文司)
(この時のメンバーがこの年誕生した「劇団喜劇」の中心的メンバーとなる)
昭和57年名鉄ホール 千代(園佳也子)敬子((星由利子)八重(正司花江)番頭留吉
(高田次郎)板前吉岡(小林勝彦)女社長(月丘千秋)ドングリ(左とん平)
平成6年南座 千代(園佳也子)番頭留吉(高田次郎)女社長(阿井美千子)板前吉岡
(入川保則)敬子(土田早苗)和子(小鹿ミキ)ドングリ(曾我廼家貫太郎)
平成11年日本香堂 千代(園佳也子)番頭留吉(高田次郎)敬子(鳩笛真希)
女社長(丸山みどり)板前吉岡(宗方勝巳)八重(御園恵美子)和子(三浦リカ)
この女社長は実在の人物で北新地のママから財を成した人物で花登さんのちょっとHな小説「銭牝」のモデルでもある
息子賢太郎は原作ではすでに亡くなっていて登場しませんが 今回は狂言回し的に出てもらった
もはや戦後ではないと言われて久しくたっているが未だに戦争の影を引きずって生きている人々が多い時代だった 今回は東京大空襲被災者 戦争未亡人 特攻くずれ 戦災孤児などのエピソードを新しく書き加えた
今回は名前は何人か変えた
千代~久代 留吉~平助 正太郎~賢太郎 栗田~栗橋 安宅社長~山之内シヅ子
平沼~田崎 泉常務~細川常務 玉寿司のおやじ~柴藤のおやじ とく~はつ 敬子~ゆき
玉枝~あき すず子~あすか 特に理由はない
和子 八重 春子 吉岡 管理人の澄恵 特に理由はない
さあいよいよ稽古がはじまる
舞台が落ち着くまでブログはしばらく お休みさせていただきます
今回はいつもより長く旅に付き合う予定です