白鷺だより

50年近く過ごした演劇界の思い出話をお聞かせします
     吉村正人

白鷺だより(459 )わしゃ、つんぼで聞こえまへん

2024-03-05 17:14:56 | 梅沢劇団
(459)わしゃ つんぼで聞こえまへん



 「買い物ブギ」を服部良一が作詞しの時のペンネームは村雨まさをという 本当は百人一首の寂蓮法師の「村雨の露のひぬまにまきの葉に霧立のぼる秋の夕暮れ」から 取ったので村雨まきをだったのに印刷やのミスでまさをとなった まあ服部にとって作詞のアイデアは笠置シズ子が出したのでペンネームはなんでも良かったのでそのままにした 

 さて1970年から1980年にかけてテレビ界において いわゆる放送禁止用語なるものを設定して自主規制が始まった レコード業界も右へ倣えとばかり古い楽曲の不適切と思われる言葉を探しだした その第一号が「買い物ブギ」だった 「わしゃツンボできこえまへん」がカットされた 丸山明宏(美和明宏)の名作 「ヨイトマケの唄」も「土方」が職業差別用語としてカットされたが最近カットなしで歌っているのを聞いた 美和が土方の母親が男に混じって働く姿を歌うことによって
土方=差別用語ではないことを歌い続けた結果 名作を歌い続ける条件ことでオッケーになったらしい 「買い物ブギ」もこのフレーズがなければ歌として、また落語のオチにも成立しないので是非復活をのぞむ

 魚屋から八百屋へ 膨大な歌詞の後半

おっさん おっさん、今日は
おっさん おっさん これなんぼ
おっさん おっさん これなんぼ
おっさんなんぼで なんぼがおっさん
おっさん おっさん おっさん おっさん
おっさん おっさん おっさん おっさん
おっさん おっさん おっさん おっさん
(盛り上げておいて次てストンと落とす)
わしゃツンボできこえまへん
わて ほんまによう云わんわ
わて ほんまによう云わんわ

(アメリカ巡業でこの歌を唄ったらオッサンガールと呼ばれたらしい)

さて元の歌詞はこう続く

そんなら向かいの おばあさん
わて忙ししゅうて かないまへんので
ちょっとこれだけ おくんなはれ
書付渡せば  おばあさん
これまためくらで読めまへん
手探り半分 何しまひょ

わてほんまに よう云わんわ
わてほんまに よう云わんわ

あー しんど

このめくらのおばあさんのエピソードは当時SP版は時間の制約があり 聞いた覚えがない

それよりこの歌がNHKで歌われないのは「仁丹」の商品名があるからだと言われていたが
今は歌われている

僕らか子供のころ 昭和20年から30年頃まで
街には傷痍軍人が溢れ、身体の不自由な方が多かった記憶がある この曲はその頃の歌である







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