コクーン歌舞伎「三人吉三」
毎月一本のペースで上映されるシネマ歌舞伎にちょっと凝っている
今月は若手三人 勘九郎・七之助 松也の「三人吉三」だ
このコクーン歌舞伎は東京渋谷のBUNKAMURAにある劇場シアターコクーンで1994年から始まった歌舞伎公演 当時の勘九郎と橋之助が「東海道四谷怪談」を上演したのが最初で以降「夏祭浪花鑑」「盟三五大切」「三人吉三」「桜姫」などを上演
「三人吉三」は2001年、2007年版は勘三郎 福助 橋之助の三人が演じた吉三(夜鷹のおとせは勘九郎 姉弟の十三郎を七之助 伝吉を弥十郎)から一気に若返った2014年版のシネマ歌舞伎である
串田演出は映画用に付け足した部分も多く現実の舞台では不可能と思われる転換 大雪など
この三人吉三は因縁話を視覚的に見せて(伝吉が盗んだ刀で野良犬を斬る場面・刀を川に落とす場面)ややこしい因縁話を分かりやすくしている
三人の吉三はそれぞれ良く 中でも松也のお坊と七之助のお嬢は予想を超えてなかなかいい この二人の吉祥院でのラブシーン?はエロっぽくいい 夜鷹のおとせの鶴松は可憐すぎて夜鷹には見えないがこれはこれでいい 十三郎の坂東新梧は弥十郎の息子らしいが思えば僕がウン十年前弥十郎と初めて仕事をした頃の同じような年恰好で感慨深い
この芝居は昔の橋幸夫の歌の如く大川端のみを演じられることが多く
「お嬢吉三」
佐伯孝夫 作詞 橋幸夫 歌
月は朧に 白魚舟の
篝も霞む 春の空
絵から抜け出て 大川端や
とんだ仕掛けの お嬢さん
一皮剥けば 白浪の
お嬢吉三た 俺のこと
赤い蹴出しを 捌いた足で
娘をポンと 川中へ
思いがけなく 手にいる百両
虫も殺さぬ 顔してさ
今夜はほんに 節分か
堕ちた娘は 厄落とし
こいつぁ春から 縁起がいいや
行こうとすれば もし姐さん
ちょっと待ってㇳ武士が止める
乙に絡んで 貸せという
セリフを聞けば 同業の
お坊吉三と きやがった
鬼は外だぜ 濡れてで粟の
百両頼む 貸せなどと
しゃらくせえから つい立ち回り
派手なところへ 止め男
小意気な捌き 手を引けば
和尚吉三たぁ 俺の事
の歌でおなじみなのと
節分の夜 大川端庚申塚で夜鷹を川に突き落とし 小判百両を奪ったお嬢吉三が朗々と歌い上げるセリフが有名だ
月も朧に 白魚の
篝も霞む 春の空
冷てえ風も ほろ酔いに
心持よく うかうかと
浮かれ烏の ただ一羽
ねぐらに帰る 川端で
竿の雫か 寝れ手で粟
思いがけなく手にいる百両
「ご厄払いましょう 厄落とし」
ほんに今夜は 節分か
西の海より 川の中
豆だくさんに 一文の
銭と違って 金包み こいつァ春から 縁起がいいわえ
この百両と名刀「庚申丸」の所在が転々とする間に三人の吉三の隠されていた複雑な人間関係が解きほぐされていく
串田演出はナンタを思わせる生活音で演奏をしたり庶民の中のドラマだというメッセージが良く出ている
(11月29日なんばパークスシネマにて)
毎月一本のペースで上映されるシネマ歌舞伎にちょっと凝っている
今月は若手三人 勘九郎・七之助 松也の「三人吉三」だ
このコクーン歌舞伎は東京渋谷のBUNKAMURAにある劇場シアターコクーンで1994年から始まった歌舞伎公演 当時の勘九郎と橋之助が「東海道四谷怪談」を上演したのが最初で以降「夏祭浪花鑑」「盟三五大切」「三人吉三」「桜姫」などを上演
「三人吉三」は2001年、2007年版は勘三郎 福助 橋之助の三人が演じた吉三(夜鷹のおとせは勘九郎 姉弟の十三郎を七之助 伝吉を弥十郎)から一気に若返った2014年版のシネマ歌舞伎である
串田演出は映画用に付け足した部分も多く現実の舞台では不可能と思われる転換 大雪など
この三人吉三は因縁話を視覚的に見せて(伝吉が盗んだ刀で野良犬を斬る場面・刀を川に落とす場面)ややこしい因縁話を分かりやすくしている
三人の吉三はそれぞれ良く 中でも松也のお坊と七之助のお嬢は予想を超えてなかなかいい この二人の吉祥院でのラブシーン?はエロっぽくいい 夜鷹のおとせの鶴松は可憐すぎて夜鷹には見えないがこれはこれでいい 十三郎の坂東新梧は弥十郎の息子らしいが思えば僕がウン十年前弥十郎と初めて仕事をした頃の同じような年恰好で感慨深い
この芝居は昔の橋幸夫の歌の如く大川端のみを演じられることが多く
「お嬢吉三」
佐伯孝夫 作詞 橋幸夫 歌
月は朧に 白魚舟の
篝も霞む 春の空
絵から抜け出て 大川端や
とんだ仕掛けの お嬢さん
一皮剥けば 白浪の
お嬢吉三た 俺のこと
赤い蹴出しを 捌いた足で
娘をポンと 川中へ
思いがけなく 手にいる百両
虫も殺さぬ 顔してさ
今夜はほんに 節分か
堕ちた娘は 厄落とし
こいつぁ春から 縁起がいいや
行こうとすれば もし姐さん
ちょっと待ってㇳ武士が止める
乙に絡んで 貸せという
セリフを聞けば 同業の
お坊吉三と きやがった
鬼は外だぜ 濡れてで粟の
百両頼む 貸せなどと
しゃらくせえから つい立ち回り
派手なところへ 止め男
小意気な捌き 手を引けば
和尚吉三たぁ 俺の事
の歌でおなじみなのと
節分の夜 大川端庚申塚で夜鷹を川に突き落とし 小判百両を奪ったお嬢吉三が朗々と歌い上げるセリフが有名だ
月も朧に 白魚の
篝も霞む 春の空
冷てえ風も ほろ酔いに
心持よく うかうかと
浮かれ烏の ただ一羽
ねぐらに帰る 川端で
竿の雫か 寝れ手で粟
思いがけなく手にいる百両
「ご厄払いましょう 厄落とし」
ほんに今夜は 節分か
西の海より 川の中
豆だくさんに 一文の
銭と違って 金包み こいつァ春から 縁起がいいわえ
この百両と名刀「庚申丸」の所在が転々とする間に三人の吉三の隠されていた複雑な人間関係が解きほぐされていく
串田演出はナンタを思わせる生活音で演奏をしたり庶民の中のドラマだというメッセージが良く出ている
(11月29日なんばパークスシネマにて)