天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

映画『フレンチ・カンカン』フランソワーズ・アルヌールは自著で初共演したジャン・ギャバンに恋したと告白

2011-01-15 18:20:31 | 日記
今日の続々編日記は、映画『フレンチ・カンカン』(1954年フランス製作 ジャン・ルノワール監督 ジャン・ギャバン フランソワーズ・アルヌール主演)のことです。添付した写真は、とても魅力的なフランソワーズ・アルヌールがベットで物思いに耽るシーンです。
ジャン・ギャバンと初共演したフランソワーズ・アルヌールは、自著『フランソワーズ・アルヌール自伝 映画が神話だった時代』(石木まゆみ訳 2000年カタログハウス刊)で彼のことを次のように語っています。
『私は最初のうち、相手役として力量不足だとギャバンに思われるのではないかと、不安でたまらなかった。けれど、彼を、優しく守ってくれ、とてもかわいがってくれていた。私は、大船に乗った気持ちになった。彼はおそらく、私が心をひかれていたことにもーいや、はっきり言ってしまうと、少し”恋して”いたことも気づいていたはずだ。・・彼とはその後「ヘッドライト」でもラブシーンを演じた。でも、監督のアンリ・ヴェルヌイユにシナリオを変えてくれと頼んだ。ギャバンはさすがにもう、私とわらの中で転げ回るほど若くはないと感じていたからだ。』
この彼女の記述では、映画『ヘッドライト』の製作が、映画『フレンチ・カンカン』から大分経ってから印象を受けますが、正確には翌年に製作されています。『フレンチ・カンカン』が製作された時、1904年生まれのジャン・ギャバンは50歳で、1931年生まれのフランソワーズ・アルヌールは23歳です。
二人の歳の差は、親子ほどの27歳です。だから、翌年51歳になったジャン・ギャバンを、フランソワーズ・アルヌールがもう若くはないと思っても当然かも知れません。さらに、ジャン・ギャバンは老け顔だから、印象は実年齢より年寄りに見えます。
でも、私は1960年以降の貫禄充分になったジャン・ギャバンがとても大好きです。男の価値は、単なる若さだけの美男子的な魅力でなく、人生を積み重ねた年齢から湧き出す風格がより重要だと、当時若造だった私に教えてくれたフランス名優だったからです。
私自身は、ジャン・ギャバンがフランソワーズ・アルヌールからもう若くはないと言われた年齢を6歳も超えています。
久しぶりにこの映画『フレンチ・カンカン』を鑑賞して、私もジャン・ギャバンのような人生の重みを感じさせる「風格ある男」になりたいと思いました。
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