天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

映画『博士の異常な愛情』ピーターセラーズは英国軍将校・米国大統領・ドイツ帰化博士の三役を巧みに演ずる

2010-12-11 14:06:11 | 日記
今日の続編日記は、映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(1964年製作 スタンリー・キューブリック脚本監督 ピーター・セラーズ ジョージ・C・スコット主演)で三役を演じた名優ピーター・セラーズのことです。
ピーター・セラーズは、添付した写真の左側から1.ライオネル・マンドレイク大佐(間違った核報復命令を出した将軍の副官で、狂った将軍を物静かに説得するイギリス軍将校)2.ストレンジラヴ博士(ドイツからアメリカに帰化した大統領科学顧問)3.マーキン・マフリー大統領(国防省最高作戦室にソ連大使を招く奇策で最悪事態の解決を図ろうとする常識ある政治家)のまったく性格や国籍も違う主要人物の三役を巧みに演じています。
特に、彼の迫真の演技力は、ストレンジラヴ博士で大いに発揮されています。他の二人に比べても、ストレンジラヴ博士が登場するシーンはとても短く、後半の最後部分だけです。でも、この核戦争に突入する非常事態で、寒気のする薄気味悪い笑みを浮かべながら、冷静に自論を披露する博士の姿が、とても印象的で秀逸を極めています。
さらに、この博士は一度興奮すると、その穏やかな姿が一挙に変貌し、アメリカ大統領を総統と呼び間違え、勝手に動きそうとした右手を左手で何とか押さえつけるような奇抜な言動が目立ってきます。右手の動作は反射的にナチス式敬礼をしようとする博士のナチス協力者であった深層心理の可笑しく表現しています。私はこの映画を何度観ても、笑いながら背筋が寒くなる思いをいつも抱きます。
だから、この映画製作は、ピーター・セラーズのこの名演技無くしては大成功しなかったと、私は確信しています。
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