天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

カエサルのクレオパトラ出会いは映画『クレオパトラ』絨毯内包説よりプルタルコスの寝具袋隠れ説が現実的と

2019-12-05 16:24:47 | 日記
今日の日記は、今読んでいるプルタルコス『英雄伝5』で書かれたカエサルとクレオパトラとの出会い記述と米映画『クレオパトラ』(1963年製作:ジョーゼフ・L・マンキーヴィッツ監督 主演エリザベス・テイラー)で描かれた巻かれた絨毯から突如として登場した女王の大きな違いの事です。
添付した写真は、その映画の一場面で、解かれた絨毯から突如として現れた妖艶なクレオパトラ(エリザベス・テーラー当時30歳)が、カエサルを見つめる有名な劇的シーンです。そして、右上隅にその巻かれた絨毯の一部が見えます。
私は、この映画をリバイバル上映公開(1970年冬)の時、劇場の大スクリーンで見ましたが、この絨毯から出て来たエリザベス・テーラーに、とても驚いた記憶がありました。はたして、生身の柔肌の女性を、固く頑丈に織られた敷物に巻くことが可能?かどうか、全く確信が持て無かったからです。
でも、このプルタルコスが書いた「カエサルとクレオパトラとの出会い」の記述を読んで、その疑問は氷解しました。以下に、その著書からその記述の一部を引用・掲載します。
『クレオパトラは、侍従の中からシキリア出身のアポロドロスひとりを供に従え、小さな舟に乗り込んだ。王宮では、人目を避ける手当てがなかったので、寝具袋の中にもぐり込んで体をいっぱいに伸ばし、アポロドロスがその袋を紐で縛ったうえで、戸口を抜けてカエサルのもとに運んだ。いきなり見せられたこの奇策に、カエサルはとても驚いた。そして、クレオパトラの妖しい魅力に憑りつかれたカエサルは、その後も彼女の艶美な物腰にすっかり負かされてしまい、弟との和解と共同王位の実現に自らが尽くしてやったのだと伝えられている。』
このように、寝具袋(麻製で人間一人は十分入れるスペース有り)「寝具袋隠れ説」の方が、長く大きな絨毯で包む「絨毯内包説」より、私はより現実的と思えます。しかし、一部の歴史家ら(ウッキ辞書によると)の「古代エジプトでは、贈り物や賄賂として宝物を絨毯に包んで渡す習慣があった。」との「絨毯内包説」をこの映画関係者たちが採用して、映画『クレオパトラ』では、ロール状の絨毯から突如としてクレオパトラが登場したのです。この方が観客に見せる映画では、より劇的な効果があったと私も認めます。女王クレオパトラは、エジプトに凱旋したカエサルに、宝物ではなく自らの身体を贈った事になるからです。
でも、紀元一・二世紀に生きていた歴史家プルタルコスが1963年にタイムスリップして、この映画『クレオパトラ』を観たら、どんな感想を持ったか?私は今、興味深々です。
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