天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

映画『無防備都市』ドイツ親衛隊拷問を受けた抵抗派指導者の覚悟の死に様を知っていれば後藤氏の肉声は無い

2015-02-04 21:34:16 | 日記
今日の日記は、高村正彦副総裁が「蛮勇」と称した「イスラム国」に殺害されたジャーナリスト・後藤健二氏の最後のメッセージに見られる覚悟なき情けない男の姿のことです。
残念ながら、この人質事件は、軍人(ヨルダン軍パイロット)と民間人の3人の殺害で終わりましたが、この途中で、後藤氏が残した最後のメッセージに、このヨルダン軍パイロットに触れるコメントがありました。以下に、その声明文を引用・掲載します。
『ヨルダン政府がこれ以上遅らせば、ヨルダン人パイロットの”死は彼らの責任”であり、それに続いて、私が死ぬことになる。私には24時間しか残されていない。パイロットに残された時間はそれより短い。どうか、われわれを、死なせないないでくれ。』
ヨルダン政府はこのヨルダン人パイロットの生存を確認できなければ、この交渉に入ることは無いと、最初から強く拒否していました。至極当然なことです。そして、一方の「イスラム国」はこの後藤氏が語った”われわれを死なせないないでくれ”の確固たる”われわれ”の生存を公表せず、不当に同志である死刑囚の釈放だけを要求していたのです。
結局、「イスラム国」は利用価値の無くなった後藤氏を殺害し、既に事件の前(注:ヨルダン軍よると1月3日)に殺害していたヨルダン人パイロットの焼死状況を、全世界にネット公開したのです。だから、この後藤氏は「イスラム国」の悪しき宣伝の片棒を担いで、嘘のメッセージを流していたのです。
この後藤氏が、イタリア映画の名作『無防備都市』(ロベルト・ロッセリーニ監督 1945年製作・1950年日本公開)を鑑賞して深く感動していたら、いくら拷問や殺害の恐怖があっても、自己の信念を貫き通したと、私は今強く痛感しています。
この映画では、第二次世界大戦末期、ドイツ軍が制圧中のローマで抵抗派の指導者(マルチェロ・パリエーロ扮する)が、ナチス・ゲシュタポ親衛隊に拷問を受けながら、仲間の情報を売らなかった毅然たる覚悟の行動が描かれています。添付した写真は、この拷問の末死んだ指導者と彼に祈りを捧げるドン・ピエトロ神父(アルド・ファブリッツィ扮する・ラストで公開銃殺される)です。
この鮮烈な男たちの”死に様”を脳裏に刻んでいれば、覚悟の上の自己の行動に、こんな女々しい最後のメッセージを語らなかったと、私は強く確信しています。
このヨルダン人パイロットにも、「イスラム国」は、酷い拷問をして有志連合の空爆に関する情報を手に入れようとしたはずです。でも、彼は一切の情報公開を拒否したから、拘束されて直ぐ鬼畜の所業である殺害方法(イスラム教徒には、タブーの生きたままの焼死)で、酷く処分されたのです。二人は、同じ人間でも、全く正反対の行動をしています。
このようなとても迷惑な身勝手な行動をした日本人を、民主党の細野豪志政調会長は、<安倍首相の中東での人道的支援声明が、後藤氏らのケーススタディーをして考えた跡が感じられない>と政府の一連対応を批判して、強く弁護し正当化しています。高村氏は、少し遠慮して「蛮勇」と称していますが、私なら立派なヨルダン兵士と違い、日本人の評判を著しく低下させた「覚悟なき情けない無様な男」と否定的に言いたいです。
そして、取材の為シリア入りを強行した朝日新聞社の記者たちに、この映画『無防備都市』で見せた抵抗派の指導者の覚悟があるのか?私は、今強く問いたいです。
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