インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

『ダンテズ・ピーク』

2011-03-27 19:25:31 | 映画や小説、テレビなど
  小説『死都日本』を、よりリアルにイメージするために、火山噴火の映画『ダンテズ・ピーク』を観る。これは1997年アメリカのパニック映画で、主人公のハリー(火山調査員)が、女性町長の観光地でドラマを繰り広げるのである。霧島観光地を髣髴させるが(?)、歴史的に大爆発を繰り返し原形をとどめていないので、むしろ富士山界隈に近いか。

 ここでも噴火の予兆が現れた後、「いつ非難すべきか」が大問題となる。空振りしたケースもあるし、「ここで生まれてここで結婚して…」と住民の思いやら、利害関係が絡み、そう簡単ではない。警告を出すと、住民は逃げるし、地価は大暴落するし、せっかく築き上げた町が壊れる。

 「もう少し冷静に科学的データに基づき判断を下すべきだ」となるが、ハリーは「火山は変わりやすい」と反対する。大噴火してしまえば、「ここは一分と持たない」わけである。もういいだろうと、思った矢先、水道水に二酸化硫黄が混じり、コーヒー色に。「この山は時限爆弾だ!」って、こんな映画を観たら、タダでも今の霧島温泉郷へ行きたくなくなるだろう。

 いざ噴火してしまえば、もはや車でも逃げれないとわかる(当然か)。地震で道路寸断、落石、大混雑。そして何より衝撃的だったのは、先が見えないほど灰が降り、辺り一面真っ暗闇であるということだ。灰が機械のエンジンに積もり、空の救援も不可能。湖は酸性になり、何もかも溶かしていく。

 その中で、ハリーとヒロイン町長は生き延びるわけであるが(相当無理すぎる!)、最後の最後までみせるドラマであった。

 過去に何度も起こったことは、必ず再び起こるわけで、それがまさに今回の大津波である。ある特定の場所で起こる確率は非常に低いかもしれないが、そういう場所がこの日本には沢山ありすぎるので、これから何か起こるのではないか。特に火山の大噴火が。(あって欲しくはないが)

 どうやら大津波とは比較にならないほど被害のスケールは凄まじいようで、なってしまったら、社会のルールも経済システムも、ぶっ壊れてしまうだろう。火山灰の散った地域だけでなく、太陽が出ないので作物が実らず、飢えて寒い。何千万人もの被災者を、一体誰が助けてくれるのだろう。十万人単位でも大変なのに。

 あんまり酷い大噴火が起こると生き延びた後も悲惨だから、そのまま大火砕流(その前に火砕サージか)に飲まれた方が…、とはならないか。