インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

反復

2011-03-02 06:54:16 | カスタネダ『呪術の実践』 !
 なぜか幼い頃を思い出したがるのは、カスタネダの本で『反復』なる「追体験してみよう!」が影響しているのかもしれない。現在の自分は、10代前半的には性格やら能力が決定的に完成していて、後で出来た自意識は、何かそこへ戻るための旅をしているのかもしれない。

 反復はエネルギー体に影響するらしく、そのエネルギー体というのは、現在我々が持っている肉体の、有機的世界のものではないらしい。非有機的世界に存在するエネルギーであり、生まれた時には鏡のように一体となっていたのだが、意識の旅を続けているうちに、分離していくようだ。

 「精神と肉体」という二元論的思考で物事をみるというのは、これは肉体の情動による「内的対話」であり、肉体の生命エネルギーを無駄に浪費している、ようだ。意識を与えてくれた存在、果てしない宇宙の、意識の暗い海(イーグル)にむしゃむしゃと食べられているのである。

 「有機的存在(肉体)と非有機的存在(エネルギー体)」という二元論で考える?べきで、古代メキシコの呪術師はこの二つを一つの存在にしようと試み、それに成功したようだ。内的対話を暗い穴のような場所に閉じ込め、「内的沈黙」を維持することによってエネルギー体を復活させる、わけである。

 人間は死ぬときには一挙に記憶が沸き起こるようであるが(たぶん)、怒涛の反復によって、「死の瞬間に意識を放棄する」という行為をしているのかもしれない。イーグルが意識を貸し与え、それを戻させるわけで、各自『反復』することはその先手を打つということか。