インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

『見知らぬ心臓』 事実は小説より奇なり

2015-03-22 18:00:52 | 映画や小説、テレビなど
 この前と同じで「ポン酢」を入れる予定の煮物を作っている間、雅太はブログを書くことにした。実家に戻ってタイヤ交換やら森林浴やら、さらにアパートに戻る途中で買い物やら支払やら済ませ、慌ただしく、一日が終わらんとする中、印象に残ったことが幾つかある。

 森林浴では、まだ若葉が生えていないので、枯れ枝の隙間から太陽を筒抜けにしていた。しばらくエネルギーを浴びていた。突如、見知らぬ老人が茂みから姿を現した。近所の人だろう、散歩なのか山を歩き回っていたようで、雅太を見て驚き、「あんた誰じゃ?」と質問攻めにしてくる。「ここは自分の家の裏庭、あんたこそ誰だ?」と思いつつも、笑ってごまかす。田舎の老人は、人間の多さを忘れ、孤立しているせいか、自己中心的なように思われる。親父に聞くと、放っておけと、構うことがなく、老人同士の間でも自意識の争いがあるのかもしれぬ。

 さて、雅太が読了した本がこれだ。

 
見知らぬ心臓
シャルロット・ヴァランドレイ
マガジンハウス


 鍋が煮えた。やはりラーメンのスープより味ポンが美味い。だから味ポンは絶え間なく売れるのだ。
 ちなみにこの本もフランスで35万部売れたらしい。これはノンフィクションであるが、これまで読んだミステリー小説よりも、不思議であり、感動的だった。やはり自分自身の体験というのは説得力があるがゆえに、最強である。

「16歳でベルリン映画祭女優賞受賞。17歳でHIVに感染、34歳で心臓移植……」、病気に負けんとするための薬漬けで、心臓に負担がかかり、移植してさらに戦いながら、まるでラブストーリーとミステリー小説の中に自らを置き、さらに女優業や自伝を書きながら世界に働きかけ、それがフィードバックしていくという、「著者は一体これからどうなるのか?」、という自伝である。

 これは確実に「映画化される」であろう。これほどまでに人の心を打つ物語は、なかなかお目にかからない。
 それにしても、この本で著者を誘導した最高の占い師「ピエール」というのは、雅太もちょっと会って、観てもらいたいと思う。
 パリの西郊外に住んでいるという。もちろん予約いっぱいだし、この本のおかげで、特別なコネでもないと観てもらえぬだろう。

 と、そこまで書いた時、「呪術師を目指している輩が、フランスの占い師に頼ってどうする!」という声が、どこからともなく聞こえてくるのであった。

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1 コメント

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紹介 ()
2015-04-11 21:16:16
百花繚乱  http://www13.ocn.ne.jp/~ryouran/

全生庵  http://www.theway.jp/zen/

言霊百神 http://futomani.jp/
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