インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

『風のマジム』、ラム酒

2014-11-20 19:55:32 | 映画や小説、テレビなど
 雅太は、会社で事件を起こしたわけであるが、何とか収束したようにみえる。今のところ、何事も変わっていないが、来週あたり、何か起きそうである。全く会社、職場というものは色んな人間がいて、役職が分かれたり、馬が合う合わないがあったりして、ギスギスしているのだが、やはり、これもヤスリで擦られるような感じで、これが人生の修行なのだと思う。職場とは、人生の修行場なのだ。その結果、個人的な力がついたり、衝撃的な出来事が起こったりする。全く面白い。

 さて、昼休憩に読書をしていたのが『風のマジム』という、南大東島で、ラム酒のベンチャーを立ち上げる女性の物語である。これはどうやら実話のようで雅太がネットで調べると実際にそんなサイトがあった。グレイスラム サトウキビ畑が風に揺れる大平原が彷彿される文章。純国産の美味いラム酒を作らんとする志。おばあ、頭の切れる上司、沖縄的な人情味ある仲間、純文学的で面白い小説だった。

 主人公マジムは、「ラム酒」を社内ベンチャーに応募して、通ったのであるが(その辺はかなりリアルである)、これもまた、人生修行の場の結果であり、その人物の「個人的な力」のなせる技なのであろう。夢をおびき寄せた、彼女はある意味、呪術師かもしれず、拍手を送りたいものだ。

 小説を読んだため、雅太は「COR COR AGRICOLE (アグリコール)」なるものを注文したい衝動に襲われた。ただ720mlで四千円を越えるようだ。

 本を味わい、酒で味わう。

風のマジム 講談社文庫
原田マハ
講談社


 それはカスタネダとかの本も同じかもしれぬ。
 本で味わい、現実で味わう。
 
 世界が神秘的で、底知れぬものであるということ、目の前に現れているのは、すべて意志が、お前に見せているものだということ。それは動物だったり、前兆だったり、死だったり。雅太は、カスタネダの作品の中で一番味わい深いのが『力の話(未知の次元)』なのではないのか、と思うのであった。

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