優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。
『八日目の蝉』
監督・・・成島出
原作・・・角田光代
出演・・・井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子、田中哲司、市川実和子、平田満、劇団ひとり、余貴美子、田中泯、風吹ジュン 他
【解説】
誘拐犯の女と誘拐された少女との逃亡劇と、その後の二人の運命を描いた、角田光代原作のベストセラー小説を映画化したヒューマン・サスペンス。監督は、『孤高のメス』など社会派エンターテインメント作品で定評のある成島出。
誘拐された少女の大学生時代を井上真央が演じ、愛人の娘を誘拐する女性に永作博美がふんするほか、小池栄子や森口瑤子、田中哲司など実力派俳優が勢ぞろいする。(タイトルの「蝉」は、「虫」に「單」が正式表記)
【STORY】
子どもを身篭るも、相手が結婚していたために出産をあきらめるしかなかった希和子(永作博美)は、不倫相手の赤ん坊を誘拐してしまう。
警察から逃亡する生活を続けながらも子供に愛情を注ぐが、4年の逃亡の末に逮捕される。
そして希和子に育てられた娘の恵理菜(井上真央)は、本当の家庭に戻るが彼女には居場所がなかった。
やがて大人になった彼女は、皮肉にも不倫相手の子供を身籠ってしまう
とても切ないお話でした・・・
多分、“愛人”に詰め寄るシーンや家の中の様子を見る限り“妻”という人はあまり家庭的ではない人だったのでしょう・・・
“夫”はやすらぎを“愛人”に求めたのか、そういう浮気だったのだと思う。
それか浮気ではなく、本当に離婚も考えていたのかも知れない。
でも少しエキセントリックな“妻”に言い出せないまま、双方とも妊娠。
これって、相当身勝手な男です。
でも・・・この作品では男性側が描かれることはなく、
あくまでも女性としての“母性”にこだわっていると思いました。
血の繋がりがなくても、無償の愛は注げるのです。
私を育ててくれた大好きだった祖母もそうでした。
彼女と血の繋がりがないことを私が知ったのは22歳ぐらいの時だったかな?
小さい頃、一緒にいると、「おばぁちゃんにそっくりだね~」ってよく言われてた。
映画の中で希和子が奪ってきた薫を抱いていた時「お母さんにそっくり~」って言われて、複雑な笑みを浮かべるシーンもあったけど。
つい思い出してしまいました。
希和子という人は本当に母性の強い人だったんでしょうね。
薫に対する、その表情にはいっぺんの曇りもなかった。
捕まる・・・と観念した時の顔。思わず泣いてしまった・・・
誘拐された側の立場からすると、子供を奪われた4年間は相当辛いと思う。
やっと帰ってきても、よそのおじさん、おばさんと思われ逃げられてしまう。
そんな状態で、普通の親子関係を築けるとはとても思えない。
成長し、お互いにわだかまりを持ったままぎこちない会話を交わす姿も切なかった・・・
子供に「お星さまの歌を唄って~」と言われて
普通「見上げてごらん~夜の星を~」とは出てこないなぁ。
私でも「キラキラ光る~」とか唄いそう・・・
あのシーンでは、お母さんが気の毒になった。
単なる好奇心旺盛なルポライターかと思った千草(小池栄子)の存在が、え~?そうだったのと意外でよかった。
一緒に過去を辿るという設定もすごくよかった。
想い出の場所を旅しながら、少しずつ奇和子と過ごした時間を思い出す。
現在の希和子は出てこないのだけど、写真館のエピソードで心情も痛いほど伝わって・・・
ここでも大泣き・・・
長い地中生活から出てきて、七日で死んでしまう蝉。
誰も知らない八日目を生きることが出来たら、その蝉は幸せなのか・・・不幸なのか・・・
旅が終わって、過去を全て思い出した瞬間・・・彼女にはその答えが見つかったんだろうと思う。。
いつもキュートな永作さんが、ノーメイクに近い姿で逃亡生活を続けながら、必死に子育てする姿にはじ~んときた。
井上真央は、衝撃的な過去を持つ屈折した役だけど、うまかったんじゃないかな~。
いつも明るく元気!って役が多いけど、元々表情はそんなに明るくない?と私は思っていて・・・
今、朝の連続TV小説『おひさま』も観てるんですが~その役は元気元気。
あの時ああしていれば・・・
誰でも一度はそう思う時があると思う。
この作品では、“あの時、恵理菜も一緒に車に乗せていれば・・・”とずっと悔やんでいた。
車に乗せるか、全部の場所に鍵をかけるか・・・そうすればこんな悲劇は起きなかったかも。
夫婦が乗って行った車のナンバーが“17ー14” “イナイヨ”だったのが、私はすご~く気になってしまった(苦笑)
劇団ひとりが真央ちゃんとラブシーン・・・ちょっとびっくり!した。
マリー的お気に入り度 ・・・ ★8個+半 (赦すということを考えさせられた・・・)
旦那もひとりもいい加減だなぁ~~~。
男って!プンプン!!
奥さんの描き方が私はとっても気になったの~。
あんなの普通奥さんが一番可哀想だよね。
でも、永作さんにも感情移入したりして、女心もフクザツなんだわ。。。
私は夫は最初から浮気のつもりだったと思うなぁ。劇団ひとりのほうもそうだったしね。
妻はエキセントリックのようだけど、夫が浮気してて、その愛人が我が子を誘拐して、更に罪は無いけど子供がなかなか自分に心を開いてくれないとなったらかなりショックだろうなぁ~と思ったわ。
そうですか~。ななさんも感じるとこありましたか・・・
私、変に感情移入しちゃって大変でした(苦笑)
原作の方が後味悪いのかな?
読んでいないのですが~じゃ読まないでおこう。
実際に産んでも虐待とかの実態をかんがえると、擬似親子でもいいじゃない?というのは危険な考えかなぁ。。。
赦す・・ということを、考えてしまう作品でしたね。
原作を先に読みました・・・切ないよね。
原作ではあの秋山の奥さん,映画よりずっと悪く書かれてて
どうしても希和子に共感するようになってました。
映画はDVDになってやっと観たのだけど
ラストとか,原作より映画の方がすっきりして
癒されて好きだなぁ・・・
希和子と恵理菜がいつの日か再会できる日が来るのかな?
私としては来てほしいけど,やはり現実には
希和子は罪を犯しているのだから,そんな日は無理なのでしょうね。
でも再会差せてあげたいな、と思うほど
あの「疑似親子」に感情移入してしまいました。
どうもありがとう!TBもちゃんと入りました~。楽天では無理なこと・・・(怒)
原作・脚本が女性だというのが分かりやすかったね~。
母性って本当に理屈じゃ語れないものだよね。
原作も読まれたchoroさんも満足と聞いて
原作、読んでみたくなった。
この前はやっと『悪人』の原作読んだけど
やっぱり観て~読んででも、読んで観て~でもより楽しめるなって思った。
そうそう、あの行為(誘拐)には共感できないけど~永作さんの演技で、だんだんいい解釈しちゃったり・・・
で、切なくなって・・・
最近の子役ちゃんって凄いよね~。
大根役者がいない!(笑)
子供に泣かされることが多い多い。
やっぱりオレンジさん、好きだった~?
親子の確執・・かなり凄かったね。
車のナンバーはたまたま目がいって~気になった(苦笑)
劇団ひとりとのシーンは激しくて、私も「いいの?」って思った~。一緒一緒(笑)
千草が最初、やな感じ・・とか思ったら、あの過去が意外だったな~。
うん、その人にとっての幸せって簡単には語れないよね。。。
またこちらでもよろしくお願いしますね!
さて、この映画、私も今週観てきたばかりなのですが、せつないですよね~
徹底的に男性が悪者になり、女性が被害者という設定ですが、母性を語るには女性でないと本当のところはわかないでしょうね。
これは原作も脚本も女性。監督こそ男性ですが、やはり女性映画と言っていいでしょう。
しかし、希和子、恵津子、恵理菜の3人の女性の描き方が上手いですね。
それぞれの立場でそれぞれの母性が際立つように描かれているのは見事でした。
原作もよかったけれど、上手く映像化されていてこれは両方共楽しめました。
TBさせてくださいね。
こちらではお初だけど上手く入るかな?(笑)
後半は涙ジャジャ漏れだったわ・・・
誘拐してしまう行為の希和子には最初感情移入出来なかったけど、永作さんの演技も良かったしでどんどん引き込まれていったわぁ。
実の母の「どうして」の叫びから切なくて切なくてその後涙腺ゆるみっぱなし・・・
車のナンバーには気が付かなかったー^^
このみちゃんも可愛くて上手だったねー^^
屈折系、親子の確執のテーマ・・私はツボなんですよね。
だから『ビッグ・フィッシュ』も好きなのかなぁ^^
男性二人とも、影薄かったけど、そこも狙いなのかな?(原作はどうなのかな?)と思った私です。
そして劇団ひとりとのラブシーンは、何ともどきどき(いいの?真央ちゃんこの人で・爆)みたいな・・
はらはらした私です。
彼女(恵理菜・薫)にとって、不倫相手は普通の愛を教えてくれた、
初めての他人だったんですよね。深いです。
育児・・迷走中のエキセントリックな母としては
考えさせられました(TT)
千草(小池栄子)も、キーマンで
良かったですよね。
幸せって何だろう?色々・・考えちゃいます。
sakuraiさんは原作読んでらしたんですよね。
原作でもみんな真っ当な方へはいかないのかな?
娘たち(エリナと千草)もそうですものね。
あの男の子供を産む!ということが本当に良いことなのか・・・私はちょっと疑問だったけど。千草が2人で育てよう~とか言ってたし・・・えっ?みたいな。
永作さんは童顔なので、私にはキュートで幼くみえちゃうんです。確かに個性的な役が多いですね~。淀君観てなかったの。そのシーン見たい!(笑)
まだ~むも観れるかな?
この作品、きっと賞レースにも絡むんじゃないかな~って思う。
主演女優賞とかも~。永作さん、良かったもの・・・
twitter気づかなくて~
そうです。知りませんでした・・・
@マークなの?今度見てみるわぁ。
migさんはこの女性たち、どう感じるかな???
そうなんですよね・・・
男女の関係っていうのは、本当に当人同士の問題なので、はたからああだこうだと言うのは間違い。でも、子供には親を選ぶことも出来なくて~
こういう育ち方をしてしまった2人(えりなと千草)に自分で幸せを探して欲しい。そして幸せになってと願ってしまいました。
そうですね~。私も男が悪いっ!て言い放っちゃう一人です。でも・・確かにそんな男に騙されちゃうのが女の性なのかな~なんて思った。
それで、この映画のメッセージを“強い母性”ととってしまったんですけど。
kiraさんがおっしゃるように、同情すべきじゃないですよね。
過去パートの印象の方が強いですね。
永作さんが凄かったから、仕方ないかな~~。
よくある不倫の結果に、トンでもないことが起こってしまい、子供にあおりが行ってしまった。
でもって、そこから彼らは何かを反省し、真っ当な道にでも行こうとしているのか・・というと、誰も何もしようとしてない。
何か居心地の悪さを感じたのでした。
なのですが、それらの納得いかないあたりをすべて吹っ飛ばしてくれたのが、永作さんの演技だったなあと感じました。彼女凄いわあ。
あたしはキュートな役よりも、個性的な役の印象の方が強かったので、いつもの感じだなあと思いました。
「人のセックスを笑うな」とかね。
でも、一番印象に残っているのは、大河ドラマの淀君役で、秀吉に対して「殿!お口がくそうござります!!」と、言い放った一言があまりに似合ってて、いつまでも忘れられないんですよ。
楽天ブログ騒動、大変でしたね。
こっちをブックマークさせてもらいますね。
この作品は観たいな~
真央ちゃんは、最近凄く思うけど演技がやっぱり上手なんだよね。
さすがだなーと…
永作ちゃんも演技派だから、安心して観られそう。
これ観たいのー気になる♪
ってツイッターで話しかけたんだけど、
マリーさんに無視されちゃったよ
(@のところあけたらマリーさん宛のツイートきてるって知ってるかな?知らない人けっこういるみたい)
もし観れたらまたお邪魔しまーす☆
>いつも明るく元気!って役が多いけど、元々表情はそんなに明るくない?と私は思っていて・・・
そういえば、そうかもしれないね。
だけど、真央ちゃんの場合、人生経験の陰ではなくて、
その年齢その世代ならではの陰という印象なんだよね。
だからこそ、等身大の青春映画・ドラマで人気を得たんだろうし。
やはり、人生経験の陰が求められる恵理菜役には何かが足らない気がしてしまったかな。
男女関係って理屈ではなくて感情のなりゆきだから
どっちがどうという明確な答えはないんですよね。
どっちもどっちだし・・・。
だけど、子供にとって母親は一人で充分なわけで。
だからこそ、こういうケースは複雑ですね・・・。
そもそもの時点で、私的には大変残念な思いの作品でした。
女優陣の演技は子役にいたるまで素晴しく、
その見せ方も上手いと思える作品でしたが、
多くの方が書かれている「男が悪い」に違和感がぬぐえないです~。
勿論、浮気をして結果その相手に子供を産めない身体にしてしまう男は悪い。でも、
男に妻がいたことを知りながらずるずるとつきあい続けた女にも責任があるし、
家宅侵入の上誘拐、というのはどう言い訳しても同情できない主人公でした。
この作品が絶賛されればされるほど、怖いものを感じてしまいます。
過去のパートが印象的過ぎて、現在の井上さんのパートを食ってしまっていたのも、
このテーマがぼやけて、そこも残念な気がしました