田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 18 遠藤山

2011-09-20 22:39:04 | 北海道低山紀行 & Other
 山としては易しい山だったはずなのに…。塩谷丸山で体力を使い果たしていた私には難行苦行の遠藤山だった。その上、遠藤山山頂は周りを樹木に囲まれてまったく眺望の効かない山頂だった…。

          
        ※ 塩谷丸山山頂から少し下りたところ標識が立っていた。遠藤山まで3.4Kmとある。たいした
         ことないと思うかもしれないが、山を知っている人ならそれがかなりの負荷を伴う距離であること
         を理解できるだろう。大変だった…。
 
           
          ※ 塩谷丸山からの下山途中、遠藤山方面を望んだところ。どれが遠藤山かは分からない。       
 
 塩谷丸山山頂で約30分休み、12時10分に重い腰を上げた。
 次の遠藤山に向かってまずは下りである。この下りになる登山道が両脇から草が覆いかぶさり遠目には道が見えない状況だった。足下にわずかに足跡が残っているといった具合で、草をかき分けるように下山した。

          
          ※ 写真の先が私の進む道である。まるで藪漕ぎだった…。          

 すると、ポツリポツリと空から落ちてきた。「やはり雨か…」とガッカリしながら、まずは傘を用意した。しかし、風もあったし雨もポツリポツリから本格的にはならない。傘を差さないまま下山を続けた。
 実は二日前まで天気予報は雨だったのだが、一日前になって予報が曇りに変わっていたので山行を強行したのだった。幸い雨はポツリときた後、上がってくれて最後まで予定通り縦走を続けることができたのだった。

          
          ※ こちらだと多少は進むべき道が分かるかもしれない…。

 藪を漕ぐような下山を続けること約25分、最上町コースからの分岐点に達する。ここまでは下るだけなので、上るのとは違い順調に歩をすすめることができた。この地点が遠藤山に登るには下り切った地点となり、ここから再び上りとなる。

          
          ※ 分岐点の標識である。ようやく藪漕ぎを終えることができた。
 
 上りといっても最初は緩やかな林間のトレッキンググコースといった感じだった。塩谷丸山を下ったときの藪漕ぎのような状態ではなく、下草も刈られ広いコースができていた。

          
          ※ こちらはご覧の通りの快適なトレッキングコースだった。

          
          ※ 雲間から一瞬、林の中に陽の光が差し込んだところを写した一枚である。

 「遠藤山1.9K」の標識が立っていたあたりから徐々に勾配が立ち始めると途端に私はいくじなくなり始めた。
 私の場合一度体力的なピークが来てしまうと、その後の頑張りがまったくきかなくなる。またまた先ほどと同じように10歩上っては休み、20歩進んでは休みの登山になってしまった。

          
          ※ 塩谷丸山から2.1Km来たところの標識である。ようやく半分程度来たポイントということになる。

          
          ※ 写真のように徐々に勾配がきつくなってきた。写真ではその厳しい勾配が映っていないなぁ~。

 そんな繰り返しをしているうちに林道が交差するところに出た。そこも真っ直ぐ横切り、さらに高度を上げていく。頂上が近いのか、ますます勾配がきつくなっていった。
 悪戦苦闘しながら登っていたら二股のようなところに出た。ハッと思ったところ案内板があり、右が遠藤山、左が天狗山と出ていた。右に折れて直ぐに「遠藤山 735.3m」と書かれた山頂の看板が立っていた。
 しかし、そこは樹木をわずかに払っただけといった小さな広場のような頂上だった。周りは樹木が生い茂っていて周囲は何も見えない頂上だった。

          
          ※ これが遠藤山山頂である。なんだかガッカリしてしまうような山頂の小さな広場である。

【遠藤山 登山データー(塩谷丸山からの縦走ルート】
標 高  735.3m
行 程  塩谷丸山山頂→(25分)→分岐点→(25分)→標識(遠藤山まで1.9Km)→(40分)→遠藤山山頂
時 間  塩谷丸山からの登山(約1時間30分)
天 候  薄曇り
登山日  ‘11/09/16

北海道低山紀行 17 塩谷丸山

2011-09-19 22:48:26 | 北海道低山紀行 & Other
【札幌近郊低山紀行】とは、「低山」の定義を標高1,000m前後の山としてその山々を巡ろうというものである。数えたところ札幌近郊には30峰以上の登山に適した低山があるようである。そこを体力づくりも兼ねながらぼちぼちと挑戦することにした。 
 7月末以来の久しぶりの山行だった。某先輩に紹介されて以来いつかやってみたいと思い続けていた小樽近郊の三山縦走だった。ようやく念願かなった三山縦走だったが、久しぶりの山行は思っていたよりずーっと厳しいものだった…。 

 9月16日朝、妻が「晴れているよ~」とベッドで眠る私に声をかけた。
 「これは行かねば!」と跳ね起きた私は急いで支度をし、8時10分発の小樽行高速バスに飛び乗った。
 小樽駅前からバスを乗り継ぎ、小樽市塩谷のバス停に降り立ったのは9時41分だった。

          
          ※ 跨線橋のあるところがJR函館本線塩谷駅です。

 早速ガイドブックを頼りに登山口を目ざした。バス停の「塩谷」からJR函館本線の「塩谷駅」まではひと山越して1Km以上あった。9時55分塩谷駅の横を通過し、緩い坂道を20分ほど上ると登山口があった。入山届に名前を記入し、登山を開始した。

          
          ※ 塩谷丸山の登山口です。近くにはヒグマ注意の看板がありました。

 上り始めは緩やかな林間コースが続き、「これは楽勝かな?」と思われた。ただ、数日来の雨のため登山道はところどころぬかるんでいた。また、晴れているとはいっても厚い雲間からときおり太陽が顔を出す程度で林間の湿度は相当高かった。

          
          ※ ご覧のように登山道はところどころぬかるんでいました。

          
          ※ 山は一足早く秋が訪れススキがあちこちに顔を出していました。

 緩やかだった林間コースも徐々に斜度がきつくなってきた。すると湿度が高いせいもあり、全身が汗に見舞われ始めた。と同時に私の息も荒くなり始めた。

          
          ※ 徐々に上りがきつくなってきて、何度も何度も休みながら登るはめになりました。

 「たいしたことはない」と思っていた塩谷丸山だったが、そんなことはなく私の体を十分苛め始めた。そうこうしている内に高い木がなくなり、見晴らしのきく笹原に出た。「間もなく頂上かな?」と思ったのだが、そうではなかった。どうやら「450m台地」に出たということだった。この時、時計は11時05分を指していた。

          
          ※ 「頂上間近し!」と思ったのですが、まだまだ先でした。

 笹原になって見晴らしが効くようになり、後ろを見ると小樽の海岸線が見えた。前方にはこれから登る塩谷丸山の頂上が見えた。
 ここからが長かった。反射板のところを通過し、最後のきつい登りになった。すでに私の体力は相当に消耗し、10歩上って休み、20歩進んで休むといった情けない状態になっていた。猛暑の夏に何もせずにいたツケが回ってきた感じだった。

          
          ※ 450m台地から後ろを振り返ると日本海が見えました。

          
          ※ 前にはこれから上る「塩谷丸山」の山頂が見えます。

          
          ※ 何の電波の反射板なでしょうか?
 
 最後の岩場を登り切ったところが塩谷丸山の山頂だった。この時11時45分。450m台地から標準の時間より10分も余計にかかって辿り着いたことになる。
 頂上は360度視界がきく素晴らしい眺めとガイドブックにあったが、曇り空のために残念ながら遠くの視界はきかなかった。
 ここで昼食を兼ね30分の休憩をしたのだが、この調子では残る二つの山を登ることができるのかかなり不安になった…。(以下、明日に続きます)

          
          ※ とうとう辿り着いた「塩谷丸山」山頂です。

          
          ※ 山頂から余市方面を見た景色です。

【塩谷丸山 登山データー】
標 高  629.2m
駐車場  登山口手前のゲートのところに数台の車を停めるところあり。
行 程  「塩谷」バス停→(35分)→登山口→(50分)→450m台地→(40分)→塩谷丸山山頂
時 間  登山(約2時間05分)
天 候  薄曇り
登山日  ‘11/09/16

安田侃 野外彫刻展 その3

2011-09-18 23:13:59 | 講演・講義・フォーラム等
 イタリアの評論家は安田侃の作品について、「安田侃は何かを語ろうとしているのではない。作品を観る人に種を与えているだけである」と評したということだ。それでは野外彫刻展の期間中だけ展示されている20作品の中の残り10点を写真とともに紹介する。
 

 冒頭に紹介したイタリア人の評論家は続いて、これまでのフィレンツェの人々は作品を知性で見ていたが、21世紀は感性の時代になると語り、安田作品を高く評価したという。
 フィレンツェ、ローマで開催した野外彫刻展において安田の作品は非常に評価され、それぞれの街で安田の作品は永久設置されることになったということである。

◇「真無」 大通公園西4丁目
          
 若者の発想は豊か(?)である。恋人に中の球を持ち上げるようなポーズをとらせて写真を撮っていたので私もちゃっかり借用した。

◇「意心帰」 大通公園西3丁目
          
 ここでは兄弟が彫刻の上で相撲を取っていた。これなど安田氏が歓迎する(?)光景の一つであろう。

◇「妙夢」 大通公園西1丁目
          
 どうもこの「妙夢」の穴の部分は人が腰かけてみたいという欲求をかきたてるのだろうか?

◇「地人」 狸小路1丁目
          
 この写真を撮影したのは彫刻展が始まってから2週間後である。小路を行く人たちは突然現れた物体をどのような思いで見ながら通り過ぎているのだろうか? それとももう小路の景色の中に溶け込んでいるのだろうか…。

◇「吹雪」 狸小路1丁目
          
 「吹雪」とはまた北海道人にとっては具体的すぎるほどのネーミングであるが、イマジネーションに乏しい私には作品から吹雪をイメージすることはできなかったのだが…。

◇「生棒」 狸小路2丁目
          
 大理石製の同名の作品が創成川公園にあるのだが、私にはその作品とはまったく違った作品に見えるのだが…。(私の一昨日のレポートを参照してほしい)

◇「相響」 狸小路2丁目
          
 一つの疑問が浮かんだ。それは今回の彫刻展の展示が狸小路の1丁目、2丁目に集中して設置されていることが分からなかった。なぜ3丁目以降には設置されなかったのだろうか?

◇「天泉」 中島公園
          
 写真に写る人は盲目の人で作品に触れながら鑑賞されていた。

◇「天沐」 中島公園
          
 実はこの「天沐」と下の「天聖」はどちらがどちらかはっきりしなかった。ネットを繰ってかろうじて「このようである」と区別できた。どうも二つはセットで設置される場合が多いようである。

◇「天聖」 中島公園
          
 この写真は「天聖」の側から遠くに「天沐」を望んだもの。前の写真はその逆である。


 さて、このシリーズを閉じるにあたって宿題が一つあった。それは、札幌市内に常設されている作品が白大理石製なのに対して、開催期間中だけ設置された作品がブロンズ製であるということについてである。
 まったくの門外漢がきわめて俗っぽくその理由を考えてみた。
 理由の一つは物理的な問題ではないかと思った。
 大理石だと相当な重量となり運搬とか、会期後の処置が大変である。その点、ブロンズ製だと中空であるからさほどの重量とはならない。それでも設置にはクレーンなどの機器が必要だったようだ。
 二つ目にブロンズ製だと複製がわりあい簡単にできるということがあげられるようである。実は安田侃氏の講演会の中で安田氏の活動を紹介する映像が流れた。その中に型の中にブロンズを流し込んでいる映像が紹介された。
 白い大理石ばかりでなく、ブロンズで製作される黒色、銀色、銅色など多彩に色彩で展示することにもねらいがあるのであろう。

 野外彫刻展開催中、解説ツァーも開催されると聞いている。この機会にそちらにもぜひ参加してみたいと思っている。



安田侃 野外彫刻展 その2

2011-09-17 23:29:06 | 札幌(圏)探訪
 今回の「安田侃 野外彫刻展」ではこの彫刻展のために期間中(9/3~11/20)15か所に20点の作品が臨時に設置されている。一挙公開と思ったが、あまりにも写真の羅列となる。2日間に分けることにした。
 
 今回の野外彫刻展のテーマは「街に触れる」である。
 そのことについて安田氏は講演会で次のように語った。
 実は今回のテーマは苦肉の策であったと…。イタリアにおける最近の野外彫刻展では「時に触れる」と題して彫刻展を開催し好評を博した。しかし2000年余の歴史を有するイタリア(フィレンツェ、ローマ)では時の流れを感じながら彫刻を見てほしいとの願いがあったが、わずか100余年の歴史しかない札幌には相応しくないとの思いもあり、「街に触れる」としたと…。
 私流に解釈すると、札幌という街の風景の中で安田作品を鑑賞し、感じてほしいということなのだろう。
 それでは順を追って(私が撮影した順に)、会期中のみ設置されている作品を紹介していきます。

◇「無何有」 日本生命ビル1F

          
 非常に意味深な作品名であるが、その角ばった形とともに作品の上に描かれたデザイン(?)も何を意味するのか、しないのか?

◇「帰門」 北海道旧本庁舎(赤レンガ庁舎)

          
 いかにも北海道の開拓を担った赤レンガ庁舎の前に置く作品としては相応しいのでは、と思える作品である。

◇「ひとつがふたつ」 サッポロファクトリー

          
 安田作品の中で唯一異質を放つネーミングである。その名のように植物が一つの種からふたつ、みっつと増えていくさまを表現していると解釈できるのだが…。

◇「生誕」 札幌駅前地下歩行空間

          
 この作品は比較的分かりやすいネーミングなのだが、作品そのものからは生誕というイメージが伝わってこないのだが…。(イメージする能力に乏しい私の限界? トホホッ…)

◇「無何有」 札幌駅前地下歩行空間

          
 日本生命ビルに置かれた作品と同名の作品である。

◇「意心帰」 札幌駅前地下歩行空間

          
 北海道知事公館前庭に設置されている作品と同じ題名である。実は、お気づきと思うが常設されているものは全てイタリア産の白大理石が使われている。一方、期間中設置されている作品はブロンズ製である。そのことについては別途ふれることにする。

◇「天秘」 札幌駅前地下歩行空間
        
          
 昨日紹介した創成川公園の同名作品は横に寝かされていた(?)が、本作品は立てた状態で展示されている。

◇「意心帰」 札幌駅前地下歩行空間

          
 またまた出ました!「意心帰」である。

◇「妙夢」 札幌駅前地下歩行空間

          
 JRタワーに設置されて有名な「妙夢」のブロンズ製である。くり抜いた穴がJRのものより大きいようだ。

◇「天翔」 札幌駅前地下歩行空間

          
 札幌にはこの作品名の大理石製はないが、その作品名からして、どこかの街に設置されているのではないかと思わされる作品である。

 今回常設展示も含めて全ての作品を見て歩いたのだが、その設置場所を選定するに当たってはいろいろと苦慮されたものと思われる。
 安田氏の思いと街の事情と…。ここまで見てきてお分かりのように「札幌駅前地下歩行空間」に展示された作品数が7点と圧倒的に多い。比較的広い空間がある地下歩行空間は絶好の展示箇所とも思える。そう考えると、地下歩行空間が開通した今年というのは開催時期(年)としても適していたのかもしれない…。

安田侃 野外彫刻展 その1

2011-09-16 22:40:45 | 札幌(圏)探訪
 昨15日夕、彫刻家安田侃氏の講演会があった。その講演会をより理解するためにも、講演会前に現在札幌市内で開催され展示されている安田侃氏の作品を見ておきたいと思った。昨日、その全てを見て、写真に収めたので紹介することにします。 

 今回の野外展示会では、札幌市内に常設されている作品が8点。今回の展示会のために設置された作品が20点である。
 そこで本日はすでに札幌に常設され、札幌市民もよく目にしている作品を並べてみることにした。

 今回私が作品を撮るにあたって留意した点が一つだけある。
 それは作品だけではなく、作品とともにその周りの様子も取り込みたいと思ったことだ。
 この思いはどうやら間違いではなかったらしい、その夕刻の安田氏は「彫刻があることによってその後側の風景がどう見えるか」「彫刻は置かれた風景の中で生かされたり、無意味なものになったりする」と話されていた。
 それでは北海道知事公館前庭に設置されている作品から写真とともに紹介します。

◇「童心帰」 北海道知事公館

          
 私が札幌市内に常設されている安田氏の作品の中で最も周囲の風景に溶け込んでいる作品とみているものである。

◇「妙夢」 JRタワー

          
 安田氏の作品の中では最も人々の目に触れているであろう作品である。札幌駅の待ち合わせ場所の一つとして定着しているようである。この日も何人もの人が人待ち顔で傍に立っていた。

◇「生棒」 創成川公園

          
 安田氏の作品では丸みを帯びたものが有名であるが、対してこのように極端に角張った作品も何点か見られる。

◇「天秘」 創成川公園

          
 同じ作品名の作品が創成川公園にはもう一つあった。

◇「天秘」 創成川公園

          
 同じ作品名とはいえ、その形、置かれている状況で違った作品に見えてくる。

◇「相響」 札幌コンサートホールKitara屋外

          
 同じ作品をまったく角度を変えて撮ったらどのように印象が違ってくるだろうか、と思い表と裏から撮ってみた。あなたはどちらのシュチエーションが気に入りましたか?

          

◇「相響」 札幌コンサートホールKitaraエントランスホール

          
 実はもう一つ同じ作品名の作品がKitaraの大ホールホワイエにも設置されているのだが、こちらは扉が閉ざされ撮ることができなかった。


 さて、ここまで作品を紹介してきて気が付かれることがあるだろう。それは作品名の難解さである。一つ一つの文字からなんとなくイメージできるものがあるのだが…。講演会でそのあたりを語ってくれるのではと期待したが、それはなかった。ただ示唆的な言葉があった。「自分の作品は抽象彫刻である。見る人がどのように思ってもかまわない。願わくば、作品を見て自分の人生を感じてほしい」と述べた。そこには作品名についても確としたものを感じなくとも、それぞれが何かをイメージしてくれれば良いのだ、と語っているように私には伝わってきた…。


札幌市民の誇り 大通公園

2011-09-15 23:23:25 | 札幌学 & ほっかいどう学
 札幌市民の誰もが集い、そして憩う大通公園…。大都市札幌の都心にあって札幌の発展を見続けてきた大通公園…。その大通公園が誕生して100年を迎えたという。大通公園の来し方を振り返り、未来を考えるシンポジウムを聴いた。

 9月12日、道新ホールにて「大通公園100周年 記念シンポジウム2011」(サブテーマ)~大通、中島、円山~三つの公園の100年とこれから~が開催された。
 実は、大通公園が今年100年を迎えたばかりでなく、円山公園は102年目、中島公園は101年目だそうである。
 シンポジウムは、初めに特別講演としてハードボイルド作家の東直己氏が「都市の緑陰-『コタンの口笛』から平成まで」と題して講演した。
 続いて、東氏も含めて5人が登壇してパネルディスカッションが行われた。

          
          ※ 最近の室内でのイベントはほとんど写真はNGである。開会前のステージを撮った。

 東氏が演題の中に「コタンの口笛」という児童文学書名を入れたのは、「コタンの口笛」には東氏が生まれ育った当時の昭和30年代の札幌の情景が描写されているということが理由だったようだ。その東氏は自らの幼少時代、そしてお子さんが小さな時に大通公園や札幌都心の街角で過ごした思い出を語られた。そうして、子どもにとって楽しく過ごした公園での思い出は一生の宝になると話された。

 パネルディスカッションでは北大名誉教授の小林英嗣氏、専修大北海道短大教授の小林昭裕氏、フリーアナウンサーの野宮範子氏、会社社長の小島神次郎氏、そしてコメンテーターとして東直己氏が登壇して、それぞれの立場から三つの公園を評価し、これからの大通公園をはじめとする三つの公園について提言された。

          
          ※ 入場者に配布された開催要綱と三つの公園の現況を記した小冊子。

 さまざま語られた中で、会場の共感を呼び説得力ある提言の一つとして、大通公園で市民や観光客がゆったりと寛ぐことのできるカフェなどが数多く出店してほしいという提言があった。いろいろと規制があるようであるが、私もこの提言には賛同したい。
 また、札幌市内は意外と緑が少ないという指摘があった。札幌の中心部を全て公園化するというような大胆な提言もあったが、そこまでいかなくとも三つの公園が緑で繋がるような工夫を行政も市民も考えていくべきではないか(それは一人ひとり家庭の庭先からという発想で)といったことが各氏から話された。

 他の都市の実状を私は知る由もないが、私から見ると札幌は緑を大切にし、公園の整備にも積極的に取り組んでいるように見える。そうしたことが全国の都市に伍して「魅力ある都市」全国一に何度も輝いている一因なのではと思っている。
 ただ、大通公園で開催されるイベントがあまりにも多く、公園の本来的な目的である市民や観光客が寛いだり、談笑を楽しむ空間としての役割が制限されているのではないかと感ずる点が少々残念である。


万葉集 巻十七を読む

2011-09-14 21:57:16 | 講演・講義・フォーラム等
 古文にも、和歌にも素養のない者が「万葉集」の講座を受講することは間違いなのかもしれないと思った。講師の流暢なる講義について行くのがやっとだった。というよりも落ちこぼれていたと称した方が適切かもしれない…。

 道新ぶんぶんクラブ主催の教養講座はできるだけ応募することにしている。
 これまで何度も受講していた国学院大・国学院道短大主催の「いにしえの日本を探る」講座シリーズを今回も応募したところ受講券が舞い込んだ。
 今回のテーマは「萬葉集巻十七を読む-贈答歌から文学へ」と題して国学院道短大の月岡道晴准教授の講座だった。

          

 まず、冒頭からやられてしまった。「巻十七」は「まきじゅうしち」と月岡氏は称した。私には「じゅうななかん」という言い方しか知らなかったので、冒頭から異次元に彷徨いこんだ感じだった。
 巻十七から巻二十までは大伴家持を中心とした歌日誌が中心になっている。

 まずは天平十八年の正月に宴を催したときに詠われた歌「肆宴歌(しえんか)」の紹介があった。
 講師の月岡氏の歌を詠む流暢さや弁舌さわやかな解説に、私の理解度はついていけなかった。「肆宴歌」は家持をはじめ多くの人が集い詠ったようである。そのうち五首が紹介されたが、それらの歌は先に詠われた歌のどこかにかけて詠われているということだけはなんとか理解することができた。

 次いで私が多少は理解できたかな?と思われたのは、大伴家持と大伴池主の間で詠われた「贈答歌」のことである。
 家持は天平十八年、都から遠く離れた越中の国守として赴任した。そのとき越中の掾(じょう)の任にあったのが池主である。「掾」とは国守の部下に当たる役人である。二人の関係は同族との見方もあるが定かではない。しかし、家持が赴任したことによって二人の間には交流が生まれた。
 ある時、家持が病に倒れたのだが、都から遠いこともあってその心細さを歌に詠って池主に贈ったところ、それに対して家持を慰める歌が返ってきた。さらに両者の間で歌のやりとりが続くのだが、その際池主は和歌だけではなく漢詩も併せて贈った。すると家持もまたそれに倣ったのだが池主のそれには及ばなかったということだ。
 それ以来、家持は漢詩文+和歌というスタイルを確立したということである。

 理解できたとはいっても、それは月岡氏の解説を理解できたということであって、歌そのものを理解できたわけではないところが辛~い。
 う~ん。いにしえの世界は深く、遠いの~。

札幌ウォークⅡ №23 地下街コース

2011-09-13 22:56:05 | 札幌ウォーク & Other Walk
「札幌ウォーク Ⅱ」とは、札幌市の各区が設定した118のウォーキングコースを完歩した筆者が、次のターゲットとしてさっぽろ健康スポーツ財団や札幌歩こう会、その他民間の機関などが設定した日本ウォーキング協会認定の25(平成22年8月現在)のイヤーラウンドコースを巡ろうとするものです。平成23年になって南区に二つのコースが新設された。このため現在札幌市内のイヤーラウンドコースは27コースとなった。

 9月に入ってもまだまだ暑かった8日、地上と地下が混じり合ったこのコースは、炎天下ではウォーキングに適しているコースといえそうだ。しかし、私には平坦で硬い化粧石の上のウォークは意外に疲労を感ずるコースでもあった。

          
        ※ 一番手前の緑色のビルが札幌歩こう会の事務所が入るビルです。

 夏の猛暑、そしてそれに続く長雨と、なかなかウォーキング日和に恵まれなかったが、9月1日に続き札幌中心部、それも地下街を中心としたコースを巡った。

 ウォーキングステーションの「札幌歩こう会」の事務所は中央区の南11条西7丁目にある。
 したがってこのウォーキングステーションをスタート&ゴールとするコースはほとんどが都心部に向かうコースとなる。
 今回の地下街コースもやはり繁華街ススキノを目ざし、そこから地下へ潜るコースだった。

          
        ※ 中島公園の象徴の一つブルーの色が眩しい「豊平館」です。

 まずコースは、ウォーキングステーションを出て、中島公園に向かう。平日の午前、しかも炎天とあって公園内に人影は少なかった。
 中島公園からススキノの街中の駅前通りを地下鉄南北線のススキノ駅を目ざして歩いた。昼中のススキノは気の抜けたビールのようでなんともしまりない。

          
        ※ 歓楽街ススキノの一丁目一番地(?)ニッカウィスキーの広告ネオンです。

 地下鉄ススキノ駅から地下へ潜った。地下鉄駅構内は冷房が効いていないが、ポールタウンに入ると冷房が効き快適なウォークとなる。人影も地上と違いそれなりに多くの人たちが行き交っていた。

          
        ※ 多くの人が生き交う地下鉄大通駅のコンコースてす。

 地下鉄大通駅のコンコースから右折し、地下鉄バスセンター駅までの地下通路を行く。バスセンター駅を越え約1kmの直線の突き当たり10番口から再び地上に出る。

          
        ※ 人の通りが少ない地下鉄バスセンター駅に通ずる地下通路です。

 地上に出ると進路を北に取って、中央体育館、カトリック北1条教会、旧永山武四郎邸と過ぎて北3条通に出る。この通りは西の突き当たりが北海道庁に通じ、その昔「札幌通」と称されていたそうである。

          
        ※ 歴史的建造物の一つカトリック北一条教会の建物です。


          
        ※ こちらも歴史的建造物として保存されている旧永山武四郎邸です。

          
        ※ 通りの突き当たりには旧道庁の赤れんが庁舎が見えます。

 北3条通の西2丁目から右折し、ナショナルビルの地下鉄さっぽろ駅22番口から地下に下りる。ここから地下に下りるのは初めてだった。下りて直ぐのところが東豊線さっぽろ駅だった。
 ここからはJR札幌駅の周囲に張り巡らされた地下路の外縁をなぞるように歩いた。

          
        ※ 地下鉄東豊線札幌駅から北に伸びる通路です。

 地下路の中でも最も北側となるエルプラザ付近は最も低い位置に地下路がある。そのためか春の雪解け時期とか、雨がたくさん降った時にはタイルに水が沁み込んだようになる。そこを乾燥させるため乾燥ファンが回っていることが多いが、今回も一部のところで回っていた。

          
        ※ 写真をよく見てください。沁みのようになっているところが確認できると思います。

          
        ※ その水分を含んだ沁みを乾燥させるファンが回っていました。

 エルプラザのところからは「駅前地下歩行空間」が完成したことにより、南に向かって一直線。ススキノ駅まで約1.5km強のウォーキングだった。途中、北1条通の地下駐車場通路のところにも寄ってみた。

          
        ※ JR札幌駅と地下鉄札幌駅の乗降客でいつも込み合っている地下コンコースです。


           
        ※ 北1条通地下の地下駐車場通路に設けられたベンチです。

           
        ※ 札幌駅前地下歩行空間の大通側の入口です。

 ススキノ駅からは地上に出て、ススキノの繁華街を通り、ウォーキングステーションに還った。

 コースとして特別目新しいところはなかったが、以前に地下道を歩いた時にも感じたのだが、地下道は平坦で硬く、その上滑りやすいために意外に疲れを感じた。
 私の体力が衰えてきていることも一因だと思われるが、地下道ウォークは意外に疲れるウォーキングのようである。
《ウォーク実施日 ‘11/09/08》

ミニ大通お散歩まつり

2011-09-12 22:50:48 | イベント

 まつりの名前からしてほのぼの感が伝わってこないだろうか? 地域住民が主体となった手作り感いっぱいの第2回目のおまつりが開催された。私もまつり運営のボランティアの一人として参加した。 
 
             
        ※ 市立大学デザイン学部学生によるまつりのプログラムの表紙である。

 子どもがそこここで歓声を上げている。
 若いカップルがそぞろ歩きを楽しんでいる。
 老夫婦がフリマの露店を覗き込みながら出店者と談笑している。
 まつりをのんびりと楽しんでいる顔はどの顔も優しく見えてくる…。

          
        ※ 地域住民が出展したフリーマーケットは大賑わいでした!

 昨日(11日)、桑園地区に関わるさまざまの人たちが力を出し合い、桑園地区を貫くミニ大通りを会場に「お散歩まつり」が開催された。
 このまつりは「ミニ大通や桑園近辺の住民、同地域で働く人たちが、そぞろ歩きを楽しみながら、気軽に近所交流ができる場を地域住民と共に作りたい」と考えた住民有志が集まって昨年初めて開催したものだった。そうした熱い思いは地域住民にも伝わって、昨年は5,000人もの人たちがまつりを楽しんだという。
 自信を得た実行委員の人たちは昨年よりバージョンアップしたまつりを企画した。

          
        ※ 子どもたちを対象に紙芝居など楽しい催しが盛り沢山でした。

 近隣の人たちが出店したフリーマーケット、地域のお店が出店した各種の販売ブース、医療関係者などが行う無料健康セミナー、札幌市立大学デザイン学部学生による樹上展、飲食業者が提供するフードコーナー、会場全体を巡るお散歩テーリング、お楽しみ抽選会、などなどとても全てを紹介できないくらいの多くの出店や催し物が準備された。

          
        ※ ミニ大通の樹木を利用してデザイン学部の学生さんが樹上展を開きました。
 
 当日は薄曇りながらも暑くもなく寒くもなくほど良い気温に恵まれ、たくさんの人たちが会場に駆けつけてまつりを楽しんだ。実行委員に伺うと「昨年以上の人出では?」とのことだった。
 さてそこで私だが、私は「誘導係」を仰せつかった。誘導係とは会場が歩行者天国ではなく会場内を普通どおり車が行き交うため、参加者が事故に遭わないよう注意を促す役割だった。何度か注意を促す場面もあったが、誰もが文句を言うこともなく注意を聞いてくれ、何事もなく終えることができた。

          
        ※ 会場の一角ではフラダンスの講習も行われていましたよ。

 私に与えられた場所は地域住民が出店したフリーマーケットの前だった。
 人の流れが途切れたときに店主に話しかけた。「札幌のいろいろなフリマに出店しているんですか?」と。すると店主は「いえいえ、初めてですよ。実行委員に勧められて、家で余ったものをこうして並べているんですよ」とのことだった。そしてフリマを覗き込む人たちとの会話を楽しんでいる風だった。
 これぞ手作り感を感じさせるまつりの代表的な光景だった。

          
        ※ ミニ大通に面した居酒屋さんはお酒の試飲会です。右側のお酒は東北
         大震災の際に仕込まれていたお酒だとか…。

 私は当日の夕方に家族行事を予定していたため、まつりの終わる午後4時までの協力だった。その後関係者は後片付け、反省会とまつりを支える縁の下の役割を担われたようである。
 住民自らが、しかも手弁当で、地域住民の交流を促すイベントを企画・実施することは素晴らしいことだ。さらに驚くのは実行委員たちを束ねリードしたのはごく普通の主婦の方だったということだ。凄いパワーであり、素晴らしい能力の持ち主なのだろうが、お会いして話すと本当にごく普通の主婦にしか見えない。
 彼女をはじめとして実行委員会の中心を担った方々の行動力・実行力には脱帽である。地域を思う気持ち、地域を盛り上げたいという心意気が今回のまつりに結集し素晴らしいまつりとして結実したのだと思う。
 次回の開催には体力と時間さえ許せば、単なるボランティアではなく、実行委員の一人として協力しようかな?と思ったりしている。

          
     ※ 桑園地区の飲食店でこれから売り出そうと考えている「桑園バーガー」だそうです。


札幌Cafe紀行 №81 The WORLD BOOKS & CAFE

2011-09-11 22:58:56 | 札幌Cafe紀行
 知る人ぞ知る店というか、「ちょっとお茶でも」と思ってもすぐには目に付かない隠れ家的なカフェ、それがThe WORLD BOOK & CAFÉである。店内には旅に関する世界の書籍が書棚にびっしりだった。 
 「シンポジウム エゾシカを考える」の後、「ちょっとお茶でも」という友人の誘いにガイドブックに載っていた「The WORLD BOOK & CAFÉ」に行こうと考えた。
 場所は丸井今井(と今は言うのかな?)の駐車場の近くのビルだったのだが、路面店はカフェではなかった。ちょっと迷ったのだが、よく調べてみるとビルの5階にカフェはあった。
 ガイドブックにでも載っていないかぎり、私には見つけることのできないカフェである。

          
          ※ 1階のところにあった店の表示だが、ここには5階に店があるとは
           表示されていなかった。

 エレベーターに乗って5階まで上がると、エントランスには小粋な演出がされていた。

          
        ※ 店のエントランスに据えられた椅子に店名と小さな植物が置かれていた。

 そして入り口を入ると、いきなり大きな書棚が迎えてくれる。世界の旅に関する書籍など約800冊を陳列し、販売しているという。

          
          ※ まるで書店のような書棚である。

 細長い店内の奥がカフェスペースだった。
 お客さんはなんとなく常連さんが多いようであり、カウンターを眺めると昼だけではなく、夜のカフェとしても多くの人に利用されているような感じだった。

          
          ※ 書棚の向こうがカフェスペースになっていた。

 ここでハプニングがあった。座席を見つけて座りホッとしていると「丸尾さんですね」と一人の女性から声をかけられた。私の記憶にない女性だったが、彼女の自己紹介によって私の花の活動に関してお世話になっている事務局の方だった。いや~、広い札幌と思っていたが、どこで知っている人に出会うか分からないものである。ヘタのことできないなぁ、気をつけなくちゃ~。

 そんなことがあって今回のオーダーは大人しく(?)「ブレンドコーヒー」(400円)にした。
 コーヒーは酸味、苦味にそれほどクセがなく、美味しく飲めた。

          

 もう一つのトピックは、お店のメニューである。扉が板でできたメニューで珍しいと思いながら見ていたのだが、表紙の部分が気になった。真ん中部分がへんてこな形にくり抜いてあるのだ。「これはどこかの国の形に違いない!」と直感した。そしてスタッフに聞いてみると、私たちが見ていたのは「ウガンダ」の国の形だということだった。他にまだ3カ国の国の形をくり抜いたメニューがあるらしい。

          
        ※ 木製のメニューの真ん中のくり抜いた形がウガンダの国の形である。

 旅が好きな人、外国に憧れる人、外国に行こうと思っている人などには多くの情報に接することのできる格好のカフェなのかもしれない。

【The WORLD BOOKS & CAFE データ】
札幌市中央区南1条西1丁目 大沢ビル5F
電  話 011-206-7376
営業時間 11:30~23:00
定休日  なし(一部期間を除く)
座  席 30席
駐車場  なし
入店日  ‘11/09/04