田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

安田侃 野外彫刻展 その3

2011-09-18 23:13:59 | 講演・講義・フォーラム等
 イタリアの評論家は安田侃の作品について、「安田侃は何かを語ろうとしているのではない。作品を観る人に種を与えているだけである」と評したということだ。それでは野外彫刻展の期間中だけ展示されている20作品の中の残り10点を写真とともに紹介する。
 

 冒頭に紹介したイタリア人の評論家は続いて、これまでのフィレンツェの人々は作品を知性で見ていたが、21世紀は感性の時代になると語り、安田作品を高く評価したという。
 フィレンツェ、ローマで開催した野外彫刻展において安田の作品は非常に評価され、それぞれの街で安田の作品は永久設置されることになったということである。

◇「真無」 大通公園西4丁目
          
 若者の発想は豊か(?)である。恋人に中の球を持ち上げるようなポーズをとらせて写真を撮っていたので私もちゃっかり借用した。

◇「意心帰」 大通公園西3丁目
          
 ここでは兄弟が彫刻の上で相撲を取っていた。これなど安田氏が歓迎する(?)光景の一つであろう。

◇「妙夢」 大通公園西1丁目
          
 どうもこの「妙夢」の穴の部分は人が腰かけてみたいという欲求をかきたてるのだろうか?

◇「地人」 狸小路1丁目
          
 この写真を撮影したのは彫刻展が始まってから2週間後である。小路を行く人たちは突然現れた物体をどのような思いで見ながら通り過ぎているのだろうか? それとももう小路の景色の中に溶け込んでいるのだろうか…。

◇「吹雪」 狸小路1丁目
          
 「吹雪」とはまた北海道人にとっては具体的すぎるほどのネーミングであるが、イマジネーションに乏しい私には作品から吹雪をイメージすることはできなかったのだが…。

◇「生棒」 狸小路2丁目
          
 大理石製の同名の作品が創成川公園にあるのだが、私にはその作品とはまったく違った作品に見えるのだが…。(私の一昨日のレポートを参照してほしい)

◇「相響」 狸小路2丁目
          
 一つの疑問が浮かんだ。それは今回の彫刻展の展示が狸小路の1丁目、2丁目に集中して設置されていることが分からなかった。なぜ3丁目以降には設置されなかったのだろうか?

◇「天泉」 中島公園
          
 写真に写る人は盲目の人で作品に触れながら鑑賞されていた。

◇「天沐」 中島公園
          
 実はこの「天沐」と下の「天聖」はどちらがどちらかはっきりしなかった。ネットを繰ってかろうじて「このようである」と区別できた。どうも二つはセットで設置される場合が多いようである。

◇「天聖」 中島公園
          
 この写真は「天聖」の側から遠くに「天沐」を望んだもの。前の写真はその逆である。


 さて、このシリーズを閉じるにあたって宿題が一つあった。それは、札幌市内に常設されている作品が白大理石製なのに対して、開催期間中だけ設置された作品がブロンズ製であるということについてである。
 まったくの門外漢がきわめて俗っぽくその理由を考えてみた。
 理由の一つは物理的な問題ではないかと思った。
 大理石だと相当な重量となり運搬とか、会期後の処置が大変である。その点、ブロンズ製だと中空であるからさほどの重量とはならない。それでも設置にはクレーンなどの機器が必要だったようだ。
 二つ目にブロンズ製だと複製がわりあい簡単にできるということがあげられるようである。実は安田侃氏の講演会の中で安田氏の活動を紹介する映像が流れた。その中に型の中にブロンズを流し込んでいる映像が紹介された。
 白い大理石ばかりでなく、ブロンズで製作される黒色、銀色、銅色など多彩に色彩で展示することにもねらいがあるのであろう。

 野外彫刻展開催中、解説ツァーも開催されると聞いている。この機会にそちらにもぜひ参加してみたいと思っている。




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2 コメント

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テレビ塔の妙夢 (ちゃんこま   )
2011-09-19 23:01:25
 テレビ塔のあの「妙夢」は、そこに集まった人たちがいろいろに活用していて、写真のようにイス代わりに座っていたりしていますね。けれども、狸小路の「相響」についても同じようによく若者たちが最初のころよく座っていましたが、どういうわけか最近は座らなくなりましたよ。これは、あまり座り心地がよくないせいなのか、あるいは、狸小路には、別にベンチが置いてありますからそのためだと思います。
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Re:テレビ塔の妙夢 (田舎おじさん)
2011-09-19 23:12:37
 へぇ~、ちゃんこまさんはよくあの辺りに出没されているんですか?
 私はふだんはほとんど行きませんのでよく事情は分からないのですが、そのような変化があるとは初めて知りました。
 作者の安田侃さんは子どもたちが座ったり、上がったりすることにも寛容のようでしたが、やはり作者としては椅子がわりに使用されることを快くは思っていないんじゃないでしょうかね。そういう意味では見る人の側にも少しは遠慮する雲地が芽生えてきたのでしょうかね?
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