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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 20 樽前山

2011-09-28 22:45:10 | 北海道低山紀行 & Other
 【札幌近郊低山紀行】とは、「低山」の定義を標高1,000m未満と山としてその山々を巡ろうというものである。数えたところ札幌近郊には30峰以上の登山に適した低山があるようである。そこを体力づくりも兼ねながらぼちぼちと挑戦することにした。

 樽前山にリベンジを果たすべく快晴の日曜日の早朝に自宅を発ち、無事に外輪山を一周することができた。外輪山の中央に聳える黒く異様な溶岩ドーム(現在は立ち入り禁止になっている)を眺めながらの一周となった。

 8月21日、突然の大雨のために登山を断念しなければならなかった樽前山にリベンジを果たすべく9月25日、私は樽前山に再び向かった。
 樽前山の7合目にある駐車場は満車となると、5合目のゲートで止められるとの情報から当日は5時起床し、6時前に自宅を出た。
 約60kmを走り7時過ぎ、無事7合目駐車場に車を停めることができた。

          

 午前7時15分、7合目登山口から登山を開始した。
 まずは、いきなり階段登山の洗礼を受けた。何度か触れているが、この階段登山は邪道だと思う。登山者に有無を言わせず直登を強いることになる。登山者の歩幅、体格、年代などを無視して一律に階段を上がるような階段登山は登山の楽しみを奪うものだと思う。
 ただ、高山植物の保護のため、環境破壊を防ぐため、登山路を最小幅にとどめるための措置との見方もあるので、一概には非難できないところがあるのも事実だ。

          

 階段登山の部分が終わり、外輪山が近づいてくるとガレ場の登行となる。その頃には下界の眺望がきくようになり、支笏湖もきれいに見えてくる。
 約40分の登行で外輪山に出る。外輪山の中央部には異様な形をした溶岩ドームがでんと聳えている。
右手を見ると直ぐ近くに「東山」が見え、ほとんどの登山者はそちらに向かったが、私は外輪山の一周を予定していたので時計回りに「西山」を最初に目ざすことにした。

          
          ※ 噴煙を上げ続ける樽前山の溶岩ドームです。

          
          ※ 樽前山の外輪山のトレッキングコースです。

 外輪山のトレッキングはなかなか楽しいものである。外輪山を境にして右と左ではまったく風景が違うからである。私は時計回りに回ったので、右手には絶えず溶岩ドームを眺め、左手は刻々と変わる下界の風景を眺めながらのトレッキングとなった。
 外輪山をトレッキングし始めて15分。石に囲まれた小さな祠が建っていた。「樽前山神宮奥宮」である。奥宮で登山の安全を祈願した後、眼前に聳える西山を目ざした。

          

 前にも後ろにも人の姿が見えないガレ場を黙々と登った。歩幅を小さくして登ると負荷も小さく、快調に高さを稼ぐことができた。

          
          ※ 左手の一番高いところが「西山」山頂です。

 ドームから噴出する硫黄分のため植物は生育しづらいのか背の低い植物がちらほら見える程度だ。中に苔のようなものが硫黄のためか黄色くなっているものが目立った。
 奥宮から25分後、「西山」山頂に立った。

          

 西山山頂で小休止をしていると、外輪山の反対側から西山を目ざす人たちがたくさん見えた。ここの外輪山巡りは反時計回りが主流なのだろうか?
 最初に西山に到達した人に登頂記念の写真を撮ってもらい、東山を目ざして再び外輪山トレッキングを開始した。

          
          ※ 溶岩ドームを別角度から写してみました。

 西山からぐーっと下り続けると広い台地に出る。まるで西部劇の決闘シーンでも使えそうな荒涼とした風景が広がる中を往く。東山から周ってきた人たちと次々と出会う。

          
         

 そうしているうちに「風不死岳(ふっぷしだけ)」へ向かう分岐点に着いた。時間も早かったことから(この時点で9時15分)風不死岳への誘惑に駆られたが、案内ガイドも何も用意していなかったので諦めることにした。

          
          ※ 風不死岳分岐から延びる932峰への登山路です。          
          
 ところが!そこから10数分進んだところで、二人組の登山者に出会った。
 そこでの私と彼らとの会話…。
 「風不死岳から帰ってきたのですか?」
 「いいえ、西山から廻ってきたのです。これから風不死岳に行かれるのですか?」
 「ええ、そうです。よかったら一緒に行きませんか?」
 「ええっ?いいんですか!…。じゃ、ご一緒させてもらいます」

 ということで、私は急遽予定になかった風不死岳を目ざすことになった。
 本来、山行においてこうした予定変更は誉められることではないと思う。山行の場合はどんなに簡単な山でも周到な準備をして臨むべきと思うのだが、今回は天候も良く、食料や水の準備、そして雨・寒さ対策も十分だったので、このような判断をした。 
 そのため、この後のレポートは風不死岳登山の後に訪れた東山のことを切って繋いだ形でレポートすることになることを許されたい。

 風不死岳分岐からはまた上りとなった。
 西山からかなり下っていたので、長い上りとなった。斜面を斜行するように、あるいは蛇行するように高度を上げていく。
 午後になり天候も崩れてきた。風が強い。眺望もきかなくなった。
 風不死岳分岐から35分、東山山頂に着いた。周りはガスに覆われてまったく眺望がきかない。

           
           ※ 「東山」山頂付近はご覧のようにガスに包まれて周りが何も見えませんでした。

           

 早々に東山山頂を後にして、あとはひたすら登山口を目ざして下山した。
 風不死岳に一緒に登った若者が膝に違和感を訴えたため、ゆっくりと下山した。
 午後3時10分、無事7合目登山口に着き、風不死岳同行を感謝して分かれた。

【樽前山 登山データー(外輪山を一周するコース)】
標 高  東山 1022.2m  西山 994.0m
駐車場  7合目登山口に30台程度停められる駐車場がある。
行 程  7合目登山口→(40分)→外輪山分岐→(15分)→樽前山神宮奥宮→
     (25分)→西山山頂→(25分)→風不死岳分岐→(35分)→東山山頂→
     (10分)→外輪山分岐→(30分)→7合目登山口
時 間  外輪山一周登山(約3時間00分)
天 候  晴れのち曇り
登山日  ‘11/09/25