長い長い「厚別川緑地」だった。厚別川の両岸を往復すること、時間にして4時間30分、距離21km、ひたすら歩き続けた緑地ウォークとなった。しかし、緑地としての在り方については多少疑問の残った「厚別川緑地」でもあった。
※ 橋上(神尾橋)から厚別川の流れを下流方向を望んだところです。
厚別川緑地(白石区・清田区) 125,997㎡(ドーム2.5個分) 探索日 ‘20/06/28
私がこの「札幌市の都市緑地めぐり」を実践するにあたって、頼りにしているの「札幌市公園検索システム」である。そのシステムに載っている緑地マップをプリントアウトして持ち歩いているのだが、「厚別川緑地」はそのマップが載っていないのだ。つまり、厚別川の河岸のどこからどこまでが「緑地」なのか分からなかった。
※ スタート地点と定め、車を駐車した「川下公園」です。
そこで緑地を管理する清田区土木センターに問い合わせた。すると、「厚別川緑地」は清田区と白石区にまたがっていることを知らされた。その際に清田区の管轄は「厚別橋 ⇔ 柳瀬橋」間だと教えられた。そして担当の方は「緑地といってもパークゴルフ場だけですよ」と話された。続いて「白石区管轄の方は白石区に問い合わせてほしい」とのことだった。
※ 川下公園の延長線上にある、スタート地点とした「山本栄橋」です。
※ スタート直後は大都会の真ん中にある堤防は思えない砂利道でした。左側が厚別川です。
そこで次に白石区土木センターに問い合わせた。ところが白石区管轄の方はその管理区域がちょっと複雑なことになっていた。河岸の一部が緑地として指定されていないというのだ。その時、担当の方は役所がまとめている「厚別川緑地の内訳」という文書をFAX送信してくれた。それによると「柳瀬橋 ⇔ 大谷地橋」間と、少し間をおいて「開栄橋 ⇔ 緑橋」間が白石区管轄の緑地だということが判明した。ところが今度は手持ちのマップに「緑橋」というのが無いのだ。そのことを担当者に質すと、担当者も分からず「時間を欲しい」といって調べていただいたが、やはり「緑橋」は存在しないということだった。(なんだこりゃ!?廃橋になった?)私は 困惑したが、間違いなく「緑橋」があったところより遠方になるであろう「川下公園」の延長線上にある橋(山本栄橋)からスタートすることにした。
※ 白石区側の中間地点位にあった「親水広場」です。
※ 最初に出会った白石区側のパークゴルフ場は河川敷ではなく、堤防外にありました。
スタートを「山本栄橋」にしたのは、「川下公園」の駐車場に車を駐車できるという思惑もあった。(“川下”というのは厚別川の川下にあたるということから名付けられたと聞いた)
※ 河川敷には散策路が見えてきました。しかし、長くは続きませんでした。
※ ここにもタンポポモドキの「ブタナ」が一面を覆っている所がありました。
「山本栄橋」から左岸を川上に向かって、河岸に造成された堤防上をスタートした。厚別川は札幌の市街地を南北に貫いている川なので、次々と現れる橋を跨いだり、潜ったりしながらのウォーキングとなった。通過した橋は実に20に及んだ。(全ての橋を写真に撮ったが、それらを眺めても面白味はないと思うので特徴的なものだけ掲載したい)
※ 鉄路の近く「厚別鉄北橋」は現在改装工事中でした。
※ その厚別鉄北橋のすぐ隣にはJRの鉄橋が架かっていました。後方には高架の鉄橋が。
※ JR鉄橋を越えて、三里川との合流点近くで釣り人に出会いました。
さて緑地の様子であるが、白石区管轄分も清田区管轄分の緑地とも、パークゴルフ場以外に見るべきものは特になかったように感じた。白石区側が左岸だけに合計27ホール、清田側は左岸に18ホール、右岸に18ホールあり、計36ホールのパークゴルフ場を有していた。
※ 堤防上にたたずむ男の人と、その向こうには流通団地に架かる「繁盛橋」です。
※ こちらは札幌新道の橋ですが、橋の下にトンネルがあってそこを通って通過しました。
※ 厚別橋の橋下で休憩した時、向かいに見えた落書きですが「STAY HOME」と読めます。比較的新しい落書きのようです。
そして資料によると、そのほかに芝生広場、休養広場、親水広場などがあるとされているが、私には特に何か特徴のある造営物が目に入ったということはなかった。さらに、「中の川緑地」では、堤防上に緑地を散策する人たちのための東屋やベンチが適宜配置されていたが、そうした類のものも一切出会わなかった。それはごくありふれた堤防上の通路といった感じだった。
※ 白石区側の第二のパークゴルフ場です。
※ 「白石サイクリングロード」が走る「虹の橋」です。
※ こちらは清田区の「北野ふれあい橋」という人道橋です。橋下にちょっとしたレンガ敷の広場があります。
白石区の管轄する緑地の中で一部が緑地として指定されていないと前述したが(開栄橋 ⇔ 大谷地橋 間)、その間はいわゆる大谷地の流通団地が集中しているところで住宅などがまったくないところだったために緑地としての指定とならなかったのかな?と推測された。その間には札幌新道に架かる橋、また流通団地の中を走る「厚別橋」なとが含まれた。
※ 清田区側に現れた最初のパークゴルフ場です。堤防の法面がきれいに除草されています。
※ 清田区に架かる「田の中橋」です。橋の向こうに見えるのは清田高校です。
※ 清田区の二つ目のパークゴルフ場ですが、あまり整備が行き届いていないようでした。
ここでまた一つ疑問が生じた。「厚別橋」は私の清田区の目的地となる橋である。つまり同じ川に「厚別橋」が二つ存在しているということである。どうしてこのようなことになったのか、いつかの機会に関係官庁に聞いてみたいと思う。
※ 私が歩いた厚別川の最上流となる「厚別橋」です。なぜ「厚別橋」なのか?
さらに私は、復路の右岸を歩いていて大変な困難に遭遇した。簡単に述べると、厚別川の右岸の一部は堤防そのものが無いところが数か所にわたって存在したのだ。私はそのため、3度にわたって右岸と左岸を行ったり来たりしなければならなかった。右岸は明らかに人々が散策するには相応しくない堤防路だった。
※ 右岸に移動してもパークゴルフ場です。川向うにもパークゴルフ場が見えます。
※ 折り返して「虹の橋」近くまで来ると、堤防上の路が怪しくなってきて、この後しばらくすると路は消えてしまいました。
以上のように「厚別川緑地」は、清田区の土木センターの担当者が話していたとおり、パークゴルフ場以外に見るべきものの乏しい緑地だったのではないか、と思い返している。
※ これはもうずっーと下流に下ってからの堤防上の路ですが、車道と兼ねたものでした。
※ 右岸の途中で出逢ったモニュメント「おりひめ像」です。そういえば対岸には「ひこ星像」が確かにありました。
※ 車道は否応なく、左岸へ向かうことを指示しています。それに従わなければ…。
人々に人気のパークゴルフ場を整備することに異論はないが、堤防上、あるいは堤防内を散策したり、ジョギングを楽しむ人たちのための散策路の整備もぜひ図ってもらいたいとの思いを強くした「厚別川緑地」だった。
※ なお、「厚別川緑地」としては、清田区の「厚別橋」からずっと上流の有明地区の厚別川沿いに小さな緑地が併置されていることをお断りしておきます。