春の陽射しが公園内の大木に遮られて、公園内は雪と枯草の茶色がまだら模様だった。それでも春の兆しが公園内のあちこちに顔を覗かせていた。春は近い♪…春は近い♪…足音が近い♪
借りていたDVDを返却したその足で、陽気に誘われて札幌市民のオアシスの一つ円山公園まで足を伸ばしてみた。円山公園内は大木が生い茂っていることもあり、全体としてはまだ雪が消えずに残っているところもあり、雪と茶色のまだら模様だった。
公園内で例年いち早く鮮やかなチューリップが咲き誇る花壇のところへ行ってみた。すると、雪が溶けているところではチューリップの芽がたくさん顔を出していた。あるいは、あと一週間も経つと鮮やかな色のチューリップが花を咲かせるのではないか?そんな期待を抱かせるほど、チューリップの芽は元気そうに空に向かっていた。
私は次に公園の縁辺にあたる方へ行ってみた。そこには私の手が届くようなところに枝が垂れ下がっている桜の木があるのを知っていた。桜の蕾はどんな状態なのだろうと近寄ってみた。予想どおり蕾はまだまだ堅かったが、その様子からは今年もまた爽やかな花をたくさんつけてくれることを予感させてくれるものだった。
桜の蕾を見ると、梅の蕾も見たくなった。円山公園の隣の北海道神宮内の梅園に向かった。梅園もまたまだら模様だった。そこで梅の木に近づいてみると、やはり蕾は付いているもののまだまだ堅そうだった。
梅園では梅の木を管理されている方が枝を剪定していた。たくさんの蕾を付けた枝が惜しげもなく剪定されていた。それを見ていた婦人が剪定された「枝をいただいても良いか?」と聞いたところ「どうぞ!どうぞ!」と言っていた。私は婦人に聞いた。「これ、家に持って帰って咲くのですか?」と…。「昨年はたくさん咲かせましたよ」と言うではないか!私は婦人に倣って3本の枝を持ち帰った。果たして梅の花は咲くのだろうか?
※ 北海道神宮の梅園で剪定された枝を持ち帰り、花瓶にさした梅の枝です。
帰り道、日当たりの良い家々の庭を注意しながら歩いていると、ようやくそこここに春の花が顔を出していたのでカメラに収めさせてもらった。
春が確実に近づいてきたことを感ずることができた今日の午後だった。春の到来とともに、コロナウィルスの方は遠ざかってはくれないものか…。
※ おまけの一枚です。我が家で咲いている桜の花です。妻が買い求めたものです。
春の到来を感ずると、私は自然にリード文にあるような歌が口をついて出てくる。何という歌かも知らずに…。そこで何という歌なのか調べてみた。すると1972~1973年にかけて放送されたTVドラマ「冬物語」の主題歌だと判明した。(私も古い人間である)作詞:阿久悠、作曲:坂田晃一、歌:フォーククローバーズとなっていた。
「春は近い♪春は近い♪足音が近い♪」などというフレーズはさすが言葉の魔術師と言われた阿久悠氏らしい言葉の紡ぎ方だなぁ、改めて阿久悠氏を偲んでいる。(私は阿久悠氏の「甲子園の詩」に接して彼の凄さを知った)