オリンピックマラソンコースの20キロの後半部分は創成川通の長い長い直線コース、魔の七曲り(私が名付けた)、そして北大構内の緑、ビルが林立する都心部と、変化に富んだコースだった。
創成川通りは「南七条大橋」を渡った南7条から北24条まで続く。つまり30条分ひたすら北上する。札幌の区画は1ブロック(1条分)109mということだから、それにブロック間の道路幅を加えると、その距離は4キロくらいだろうか?また、正確には緩やかにカーブするところもあるので全体が直線とは言い難いが、選手にとっては直線コースと感ずるだろう。
その後、コースは宮森・北25条通、新川通を経て、北大構内へと進む。この北大構内に「魔の七曲り」が選手たちを待ち受けている。その後、緑濃き北大の中央通りを北から南に抜け、いよいよ札幌都心へと進む。ビルの谷間を大観衆が歓呼で迎えることだろう。
20キロコースの後半をざっとおさらいした。それでは写真と共に、オリンピックマラソンコース20キロの後半部分を写真と共に紹介することにする。
創成川通は片側3車線の札幌市内でも有数の車が混雑する通りである。選手はこの道路をひたすら北上することになる。
創成川通の北側は地盤が比較的よくないこともあってか高い建物が多くはない。そうした中、突然大きなビルが現れた。壁をみると「FUJI WOMENS UNIVERSITY」とあった。藤女子大学である。実はこのマラソンコースには札幌市内の大学が点在していることが分かった。昨日レポした北海道科学大学豊平キャンバス、北海学園大学、北海道商科大学、藤女子大学、武蔵女子短期大学、そして北海道大学と実に6つの大学が顔を出している。
長い創成川通を走ってきた選手たちは北24条の交差点で左に折れ、宮の沢北24条通に入って、今度は西へ向かってひた走ることになる。北24条通の西3~4丁目あたりはちょっとした繁華街を形成しており、選手たちには「あれっ?」と思うかもしれない。
宮の森・北24条通を西に向かって走ると、やがて新川通と交差することになる。ちょうどマクドナルドの店を通過したあたりから左折し、新川通を今度は南に向かって走る。
コースの左手には武蔵女子大学の正門が目に入ることだろう。
さらに進むと、札幌工業高校が目に入ってくるが、コースはその手前から右折して北大の構内へと進む。
北大構内に入ると直ぐに、正面に創成研究機構の真新しいガラスのビルが目に入る。そこでスタートから15キロの地点である。ここからコースは北大構内を右に左に折れながら進むことになる。それはちょうどL字になったクランクを走り抜けるようである。数えてみると、短い間に7回も右に左に折れ曲がる。私が「魔の七曲り」と称した所以である。短い間に7回も折れ曲がることはスピードも当然制限される。そこにいかにスピードを落とさずに通過するか?はたして選手たちの戦略は?見どころの一つである。
写真は4枚しか提示しなかったが、このように7回の折れ曲がりを通過すると、北大構内の中央通りを南に向かって一気に走り抜けることになる。無味乾燥(?)な各学部等の建物が緑の木々の間から顔を覗かせる。途中には「大野池」(すでに氷結していた)、歴史ある「総合博物館」の建物もあるが、選手たちは果たして目に入るだろうか?
中央通りの南端に近いところに「クラーク博士像」が立っている。選手たちはそこからクラーク像を右手に見ながら左折し、そこから少し行くと正門があるのだが、コースは正門の横にある南門から札幌市街へと入ってゆく。
北大構内を抜けると、JR札幌駅の北側であるが、駅の裏側という一種独特の雰囲気を伴った繁華街へと進む。
そしてJRの高架橋を抜けると、いよいよ札幌の中心部である。前方にはビルに挟まれるようにして道庁赤れんが庁舎の歴史ある建物が目に入ってくるだろう。
さらに道庁赤レンガ庁舎の真下を通り、大通公園へと進む。
大通公園に到達しても20キロには達していない。そこからまた都心を往復することになる。大通公園に達すると左折する。さらに次のブロックを過ぎた交差点でさらに左折し、一度南下する。
ビルの間を南下し、道庁前を通過すると、北3条西4丁目の交差点(日生ビルの角)に差し掛かるが、そこを右折し、さらに1ブロック進んだところの交差点を右折すると駅前通りである。この通りを進むとスタート地点に戻り、20キロを走り終えることになる。
こうして私はなんとか20キロを歩き終え、スタート地点に戻ってくることができた。テレビ塔の時計は15時10分を示していた。要した時間は4時間40分である。信号待ちや途中での小休止を除くとおよそ4時間で20キロを歩いたことになる。
たまたま昨日の夕刊にスポーツライターの増田明美氏が今回決定したオリンピックマラソンコースの前半20キロの印象について「札幌コース文句なし」との一文を寄せていた。私も今回実際に歩いてみて、増田氏と同様の感想をもった。コース全体がフラットで、周りの景色は変化に富み、きっと出場選手たちからも好評を得るに違いない。これからの興味は残り20.195キロがどのようなコースが決定されるか、である。もし、今回歩いたコースと違うところが設定されるのであれば、再び歩いて確かめてみたいと思う。
今回、マラソンコースを実際に歩いてみたことで、オリンピックマラソンに対する興味が一層増したことは間違いない。