鹿児島県人のみならず、今なお日本人を魅了してやまない西郷隆盛という人間の基礎を築いたのは、西郷の母・政子である、と西郷の曾孫にあたる西郷隆夫氏は語った。西郷の知られざる姿を隆夫氏は生き生きと語った。
6月4日(土)午後、北海道南洲会の主催による講演会がエルプラザで開催され、参加してきた。
講師は西郷の嫡男・寅太郎の孫にあたる西郷隆夫氏が「西郷隆盛の子孫が語る秘話」と題して講演した。
隆夫氏は西郷家の系図でいうと、西郷と妻・糸子の間に生まれた長子・寅太郎の孫にあたる。(西郷隆盛の長男は、西郷が奄美大島に遠島処分にされていた時期に、愛加那との間に設けた菊次郎が長男ということになっている。その菊次郎の孫にあたるのが、陶芸家として有名な西郷隆文氏だそうだ)
寅太郎には8人もの息子が名を連ねでいるが、隆夫氏の父親・隆正は7男のようである。
講師の隆夫氏は1964年神戸市生まれだが、サラリーマン生活の後、2009年に鹿児島の食品会社に転職し、現在は観光事業企画や講演会、ツアーガイドなどを扱う(株)ナンシュウの代表取締役に就任しているとのことだ。
隆夫氏は2時間を超える講演時間の中、多岐にわたる西郷の秘話を語った。
その全てを再現することは到底無理だが、印象的だった話を2~3レポすることにする。
西郷は写真を一枚も遺していない。そこには、西郷が武士として「名を残さず、功を残さず」という思いの表れだということだが、それと共に坂本龍馬の妻・おりょうの「写真を撮らないで」という願いと、そのことに共鳴したこともその理由だという。
西郷と犬は、東京・上野公園の銅像でも有名だが、西郷は15匹も犬を飼っていたそうだ。犬を愛した西郷の心は、忠実な犬を鑑として自らも生きようとする表れだったという。
西郷隆盛の座右の銘として「敬天愛人」という言葉は有名である。
天を敬い、自然の恵みに感謝し、神に仕えること。人を尊重して大切にすることであり、自分を犠牲にしてでも、世のため人のために尽くすことを生涯ぶれずに全うした西郷に最も相応しい言葉である。
西郷は何より人を愛し、人を信頼した人だと隆夫氏は言う。
リード文でも触れたが、西郷隆盛の基礎を作ったのは母・政子の英才教育に依るところが大きいという。さらには、薩摩の若者を鍛えた「郷中教育」の存在も大きいと隆夫氏は指摘した。隆夫氏は、「郷中教育は知識から知恵に変えていく教育」だったとも語った。
隆夫氏は、その郷中教育の伝統を受け継ぐ、薩摩の誇りをアピールし、鹿児島を盛り上げていきたいと話を締めた。
西郷隆盛については、全国に多くの熱心な研究者、崇拝者が存在している。何せ西郷に関する著作を著している人だけでも760人もいるという。
私ごときが言うべきことではないかもしれないが、敢えて言わせていただければ…。
グローバル化した現代において、日本の文化やモノの考え方が世界から注目されているとも聞く。その底流には、私たちの中に西郷の生き方に通ずる何かがあるような気がしてならない。
「時代が違う」と言ってしまえばそれまでだが、混迷する今の世だからこそ、西郷隆盛から学ぶ点も多いのではないだろうか?
6月4日(土)午後、北海道南洲会の主催による講演会がエルプラザで開催され、参加してきた。
講師は西郷の嫡男・寅太郎の孫にあたる西郷隆夫氏が「西郷隆盛の子孫が語る秘話」と題して講演した。
隆夫氏は西郷家の系図でいうと、西郷と妻・糸子の間に生まれた長子・寅太郎の孫にあたる。(西郷隆盛の長男は、西郷が奄美大島に遠島処分にされていた時期に、愛加那との間に設けた菊次郎が長男ということになっている。その菊次郎の孫にあたるのが、陶芸家として有名な西郷隆文氏だそうだ)
寅太郎には8人もの息子が名を連ねでいるが、隆夫氏の父親・隆正は7男のようである。
講師の隆夫氏は1964年神戸市生まれだが、サラリーマン生活の後、2009年に鹿児島の食品会社に転職し、現在は観光事業企画や講演会、ツアーガイドなどを扱う(株)ナンシュウの代表取締役に就任しているとのことだ。
隆夫氏は2時間を超える講演時間の中、多岐にわたる西郷の秘話を語った。
その全てを再現することは到底無理だが、印象的だった話を2~3レポすることにする。
西郷は写真を一枚も遺していない。そこには、西郷が武士として「名を残さず、功を残さず」という思いの表れだということだが、それと共に坂本龍馬の妻・おりょうの「写真を撮らないで」という願いと、そのことに共鳴したこともその理由だという。
西郷と犬は、東京・上野公園の銅像でも有名だが、西郷は15匹も犬を飼っていたそうだ。犬を愛した西郷の心は、忠実な犬を鑑として自らも生きようとする表れだったという。
西郷隆盛の座右の銘として「敬天愛人」という言葉は有名である。
天を敬い、自然の恵みに感謝し、神に仕えること。人を尊重して大切にすることであり、自分を犠牲にしてでも、世のため人のために尽くすことを生涯ぶれずに全うした西郷に最も相応しい言葉である。
西郷は何より人を愛し、人を信頼した人だと隆夫氏は言う。
リード文でも触れたが、西郷隆盛の基礎を作ったのは母・政子の英才教育に依るところが大きいという。さらには、薩摩の若者を鍛えた「郷中教育」の存在も大きいと隆夫氏は指摘した。隆夫氏は、「郷中教育は知識から知恵に変えていく教育」だったとも語った。
隆夫氏は、その郷中教育の伝統を受け継ぐ、薩摩の誇りをアピールし、鹿児島を盛り上げていきたいと話を締めた。
西郷隆盛については、全国に多くの熱心な研究者、崇拝者が存在している。何せ西郷に関する著作を著している人だけでも760人もいるという。
私ごときが言うべきことではないかもしれないが、敢えて言わせていただければ…。
グローバル化した現代において、日本の文化やモノの考え方が世界から注目されているとも聞く。その底流には、私たちの中に西郷の生き方に通ずる何かがあるような気がしてならない。
「時代が違う」と言ってしまえばそれまでだが、混迷する今の世だからこそ、西郷隆盛から学ぶ点も多いのではないだろうか?