田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 165 TAKAMINE~アメリカに桜を咲かせた男~

2016-06-24 16:42:30 | 映画観賞・感想

 主人公の高峰譲吉は明治時代にアメリカに渡り、タカジアスターゼを発見したり、アドレナリンを抽出したりするなど、科学者として名声を高めたほか、実業家としても腕を振るった。その高峰が私財を投じてワシントンに桜を寄贈したという実話を映画化したものである。 

               

 6月23日(木)午前、ちえりあ(札幌市生涯学習センター)で6月の「ちえりあ映画会」が行われたので参加した。今回取り上げられた映画は、タイトルどおり「TAKAMINE~アメリカに桜を咲かせた男~」という映画である。

 私はワシントンのポトマック河畔に日本から寄贈された桜が咲いていることは知っていたが、その寄贈者が高峰譲吉という科学者であり、実業家だったとは寡聞にして知らなかった。恥ずかしい限りである。

 日本の桜をアメリカに移植しようという発想は、日本の桜に感激した一人の米人女性(ナショナルジオグラフィック協会初の女性理事であったエリザ・シドモア)の提案だった。
 その考えに共鳴した高峰が日米両政府に働きかけ、私財を投じて桜の木をアメリカに寄贈することを実現させたという。しかし、一度目は病害虫の問題で焼却処分されるという悲惨な結果となったのだが、それにもめげず二度目の寄贈によって、現在ポトマック河畔では毎年、全米桜まつりが開催さるほど日本の桜が根付いているというストーリーである。

          
          ※ ポトマック河畔に咲くサクラの様子です。

 映画は、その桜の寄贈の過程を描きながら、高峰譲吉の生涯も描いている。そのあたりが映画の出来としてはどうだったのか?疑問が残るところである。簡単にいうと、映画としては焦点ボケの感が否めないのである。
 つまり科学者であり、実業家であった高峰譲吉という方は、単なる科学者として素晴らしい実績を残しただけでなく、日本とアメリカを繋いだ慈善家でもあった、ということは理解できたが、映画の描き方があまりにも拡散的なために、観る者に感動を与えるような仕上がりにはなっていなかった、というのが私の正直な感想である。

 映画は日本の桜が寄贈された1912年から100年経つのを記念して2011年に制作・公開されたようであるが、映画としては必ずしも成功したとは言い切れないものだったのではないだろうか?

               

 なお、高峰譲吉役を演じた長谷川初範が北海道の紋別出身だと初めて知った。