田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

古の道を往く旅を振り返る 終章

2016-04-13 18:25:47 | ロングトレイルフットパス
今回の旅は、ただ自分の記憶に刻みこまれただけではなく、自らの肉体にも強烈な思い出を刻みこんだ「熊野古道トレッキング」だった。これまでも印象的な旅を経験してきた私であるが、それに優るとも劣らない今回の旅だった。そのような旅を今一度振り返ってみたい。 

 今回の旅でこれまで触れてこなかったことで、印象的なことが一つある。
 それは熊野古道沿いの住民たちが、旅人に対して非常にフレンドリーであったということだ。
 道ですれ違った人の誰もが、先方から「コンニチハ!ご苦労さま」と声をかけてくれたのだ。それに気づいた私は、今度は私から積極的にあいさつをするようにしたのだが、誰一人無視するような人はなく、誰もが気持ちの良いあいさつを返してくれた。
 東京オリンピック招致の際に日本人の「お・も・て・な・し」が話題になったが、まさに私はこの地域の方々から、心のこもった「おもてなし」をいただいた気持になった。
 このような体験は沖縄の先島諸島を旅していたときに、地元の中学生から受けた挨拶以来だった。私にとって、沖縄の波照間島が忘れられないように、熊野古道も忘れられないところとして、私の中の記憶に長く残ることだろう。

 私はいつも「旅のスタイル」にこだわって旅してきた。
 私の旅は、全てを自分でプロデュースするところにある。いわゆる旅行社というところには一切お世話にならない旅なのだ。
 そのことをくだんの岡崎市のお二人と話をしたのだが、T氏は「計画の段階から旅を楽しんでいるんですね」とズバリ私の思いを言い当ててくれた。
 そうすることで、旅の印象が一段と色濃く私の中に沈殿し、残っていくことを私は知ってしまったのだ。
 さすがに妻と旅行するときは、そうはいかないのでツアーなど準備されたものを利用するのだが、そうするとその印象はまるで陽炎のように淡くしか残らないことに私は気付いてしまったのだ。
 これからも私の一人旅は、自らプロデュースする旅を選択していくことだろう。

 リード文にも記したが、今回の旅は、自らの肉体を駆使した旅という点でも印象深かった。そうした旅の体験を思い出すと、2010年の屋久島・縄文杉トレッキング、2011年の木曽路11宿トレッキング、昨年の北根室ランチウェイトレッキングなどがそれにあたるだろう。
 それらに比べ、今回の熊野古道トレッキングは最も身体に負荷のかかるトレッキングだった。それはもちろん加齢による影響も大きいのだが…。
 正直なことを吐露すると、帰宅してから疲れがどっとでたようだ。帰宅して一週間くらい、疲労感に包まれていた。
 このような旅のスタイルの魅力を再発見した今、私はまたいつかこのような旅を、と妄想するのだが、はたして身体がついていけるかどうか、そんなことが心配な年齢となってきた。
 まだまだ今回のような旅のスタイルにこだわりたいのだが…。

 旅の思い出になる品を購入することは頑としてしない主義の私である。
 しかし、今回はその掟を破り、「八咫烏」のお守りが旅の記念として私の手に残った。