goo blog サービス終了のお知らせ 

田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

沖縄島嶼文明は古代文明の一つ?

2014-12-05 14:33:51 | 大学公開講座
 古代文明というと、エジプト、メソポタミア、インダス、黄河の4大文明に加え、アンデス、メソアメリカも含めた6大文明が通説であるが、講師の高宮氏は沖縄島嶼文明もそれらに劣らぬ文明を擁していたと力説(?)した。 

 11月27日(木)夜、札幌時計台ホールにおいて、札幌大学時計台フォーラムが開催され、参加してきた。
 テーマは「奇跡の島々(?)先史時代のおきなわ」と題して札幌大学の高宮広土教授が講義した。
 高宮教授は沖縄の中でも特に奄美・沖縄本島の先史時代を研究対象としているそうだ。

          
          ※ 講義をする高宮広土札幌大学教授です。照明が暗くぼやけてしまった。

 現在までの研究で、奄美・沖縄諸島では少なくとも3万2千年前にヒトが暮らしていたことが科学的な測定でも明らかになったそうだ。つまり旧石器時代にすでに沖縄にはヒトが存在していたことになる。
 続いて沖縄では7千年前から11~12世紀の間を貝塚時代と称するそうだ。そして特徴的なことは、この間ずーっと奄美・沖縄諸島では狩猟採集時代が続いたということだ。

 ところで、世界を見ると旧石器時代にヒトが暮らしていた島はせいぜい5~6島ほどなのに、奄美・沖縄諸島では8つの島から旧石器時代の遺跡が確認されているという。
 このこと一つとってみても、奇跡に近いことであるが、世界の島々が一部を除いて農耕民族によって植民されていたのに対して、沖縄では農耕の文化はなく狩猟採集の文化だったということだ。
 そして高宮氏は、島に農耕の文化をもった人間集団が植民すると環境の劣悪化・破壊が起こるという。ところが狩猟採集の文化が長く続いた沖縄においては環境への影響は最小限であったと指摘します。

 結局、奄美・沖縄諸島においては、貝塚時代に続くグスク時代に入ってから農耕の時代へと移行してくることになるのだが…。
 このことについても、高宮氏は先史時代に狩猟採集から農耕への変遷があった島というのは奄美・沖縄諸島以外に見られないという。

 その他にもさまざまな特徴を挙げて、奄美・沖縄諸島は世界的にも珍しい先史時代を築いていたと高宮氏は力説した。
 つまりそれは奇跡の島々ではないかと…。そしてそれは「沖縄島嶼文明」と称しても良い文明ではないかと主張された。

 私に高宮氏の主張を評価する術は持ち合わせていないが、いずれ研究者間の学術的な検討を経たうえで評価が定まっていくのだろうと思われる。
 それにしても技術の進歩によって、化石人骨から年代が測定され、沖縄諸島に3万数千年前からヒトが暮らしていたという事実は驚きである。

 なお、こうした講演・講義におけるレポートについて、いつも述べていることだがレポする段階において私の思い込み、受け取り方の違いなど、講師が主張したこと、強調したことと齟齬がある場合が多分にあるだろう、ということをお断りしておかねばならない。