田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

剥き出しの地球 南極大陸

2013-11-19 16:33:30 | 講演・講義・フォーラム等
 気温マイナス30℃、風速30メートルのブリザードが吹き荒れる極地の大陸「南極」での3ヶ月のキャンプ生活…。想像を絶する中での生活に3年続けて参加したという写真家・ビデオジャーナリストの安部幹雄氏の話を聞いた。 

 「道民カレッジ」を運営する北海道生涯学習協会が直接開催する「『ほっかいどう学』かでる講座」の11月講座は11月12日(火)午後、「剥き出しの地球 南極大陸」と題して写真家でビデオジャーナリストの安部幹雄氏が講師を務めた。

 安倍氏は札幌在住の方であるが、その活動歴を見るとミニャ・コンガ登山隊に加わり生死の世界を彷徨ったり、カムチャツカ半島のジミナ峰(3,080m)の頂上から滑降したり、と写真家というよりは冒険家としての活動の経験をかなり積んだ方らしい。
 そして、今回の舞台南極へは2007年から3年連続して日本南極地域観測隊のセール・ロンダーネ山地地学調査隊のフィールドマネージャーとして参加した体験を私たちに語ってくれたものである。

          
          ※ 講演をする阿部氏です。半そで姿で現れました。若い!

 南極観測隊といっても設備の整った「昭和基地」での観測ではなくて、3ヵ月間テント生活を強いられるという過酷なものである。安倍氏の担当のフィールドマネージャーとは、研究者たちを支え、装備・食料を準備し、安全を管理することがその任務だということだが、誰も怪我させず、ひとりも失わないで帰ってくることが最大の任務だったという。

 安倍氏が語った南極でのキャンプ生活の一端を描写してみると…。
 風速30メートルで吹き荒れるブリザードは、極地用の頑丈なテントが何度もつぶされ、吹き飛ばされたそうだ。
 そうした中、生活はまず水づくりからだそうだが、水は全て氷を融かして作る以外なかったということだ。
 テント生活のため風呂はもちろんなく、3ヵ月間風呂なしの生活で、身体を時々体拭きシート(介護用)で拭くくらいのため、時間の経過に従い身体から発する臭いに悩まされたそうだ。
 食事はそのほとんどがフリーズドライのものが主だったという。

 氏が隊員の食料に準備したフリーズドライは、工夫を加えることによって多彩なメニューが実現し隊員を喜ばせたようだ。その経験を活かし、氏は現在「極食」という会社を起こし、フリーズドライ食の販売を手掛けているそうだ。

          
          ※ 阿部氏が開発し(?)、販売するフリーズドライの数々です。

 南極から日本に帰ってきて嬉しいことが三つあるという。それは、
 1)夜(闇)がある。 ※安倍氏たちが滞在するのは南極の夏で夜がほとんどない。
 2)お金が使える。
 3)蛇口をひねるとお湯が出る。
ということだという。
 そして最後に「南極の自然に人間は敵わない!」と締めた。

          
          ※ ハンバーグではありません!南極で収集したという隕石です。15cmくらいの大きさでした。

 安倍氏は現在60歳だという。その若々しさに驚いた。きっとそれもあくなきチャレンジ精神の賜物なのだろう。
 安倍氏には敵うべくもないが、私もあまり老け込んでばかりはいられないなぁ…。