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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

三浦雄一郎氏 エベレスト登頂を語る

2013-11-28 18:18:13 | 講演・講義・フォーラム等
 やはり生の声を聴くことは感動の大きさが違う。三浦氏の体験は私たち高齢者には大きな刺激となった。「夢」を持つことの大切さ、「夢」に向かって励むことの尊さ、に改めて気づかされた夜だった。 

 11月19日(火)夜、エルプラザにおいて北海道山岳会主催の「安全登山シンポジウム」が開催され、この夏に80歳の高齢にして3度目のエベレスト登頂を果たした三浦雄一郎氏がゲストスピーカーとして招かれ講演したのを聴く機会を得た。
 シンポジウムはその名のとおり、安全な登山について三浦氏以外の二人の方からお話をうかがったが、ここでは三浦氏の話に絞ってレポートする。

               
             
 失礼な話であるが、三浦氏の話は前後の脈絡なく話があちらこちらへと飛んでしまうことで有名である(少なくとも私の中では…)。その話を再構成するのはけっこう骨が折れることではあるが試みてみることにする。

 プロスキーヤーとして富士山滑降や、エベレスト滑降などに挑み有名だったが、年齢を重ねて引退状態となってからは不摂生な生活からメタボ状態になっていたという。
 60歳を過ぎたころ、三浦氏の父親が高齢にもかかわらず国内外のスキー場を元気に滑る姿に刺激を受け、65歳の時に「5年後にエベレストに登ろう!」と決心したという。
 それからは外出時に両足に重りを付け、20キロの荷物を背負いトレーニングを続けたそうだ。そうしたトレーニングも30代の時に北アルプスの立山でボッカ生活を送り、最終的には100キロ近くの荷物を山小屋まで背負い上げる日々を経験したことが可能にしたということだった。結果的に三浦氏は体重を20キロ近く落としメタボから脱却したそうだ。
 そうして2002年、70歳の時に目標通りエベレスト山の登頂を果たした。(当時の世界最高齢登頂)

               
               ※ 講演は今回の登山中のこのような映像を流した後に講演された。

 三浦氏は心臓に欠陥をもち不整脈に襲われることがしばしばあったが、75歳の2度目のエベレスト挑戦を前にして2度の心臓手術を受けたが、それを克服して2008年、医師のサポートも受けながら2度目の登頂を果たした。

 そして今回、80歳にして3度目の挑戦をしたのだが、実は76歳の時テイネハイランドでスキー中の事故で骨盤と左大腿骨を骨折するという重傷を負ったが、これも強い意志でリハビリに努め約1年で普通の生活ができるほどに回復したそうだ。
 今年2013年5月23日、三浦氏は三度目の世界最高峰に立ったのである。80歳にしてのエベレスト登頂はもちろん世界最高齢での登頂である。

 三浦氏は思っていたよりはやや小太りな体型で、髪はもちろん真っ白だったが、自身の偉業を淡々と語るという感じに見えた。
 三浦氏の言葉で印象に残ったのは、「年寄り半日仕事」という言葉を何度か使った。つまり年寄りは半日行動、半日休養くらいがちょうどよい。できることをゆっくりと、ということだった。
 そして「夢をあきらめない」というスポーツ人が良く発する言葉だった。
 しかし、三浦氏がその言葉を発すると、それは非常に説得力をもって聞こえてくる。
 私より年上の三浦氏が自らの夢をあきらめず、夢に向かって努力した結果、その夢を実現したということは大きな励みとなる。
 おおいに刺激を受けた講演だった。