ヒマワリだ!花火だ!と書き綴る私のブログにはおよそ不釣り合いな固いタイトル名である。若干の逡巡があったが北大の公開講座「東アジアのなかの北海道」を受講することにした。激変する東アジアの現状とその中で北海道が果たす役割について考えてみることにした。
北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センターという長~い名前の教育研究センターが主催する「東アジアのなかの北海道」という4回シリーズの公開講座を受講することにした。
第一講は教育研究センター長であり、本講座の企画者でもある鈴木貢教授が「北海道の国際化と東アジア」と題して講義した。
講座の概要と若干の感想をレポートすることにしたい。
※ 講義をする鈴木貢教授です。
鈴木教授は中国法・台湾法が専門ということだが、台湾や上海では「北海道」や「札幌」の名を冠した商品や施設、広告などがかなり目立つということだ。
これは北海道や札幌の資本が進出したということではなく、現地の資本が付けた名前だという。このことは北海道や札幌のイメージが良いことから、現地の人々に受け入れられやすいことからいろいろな商品で目立つそうだ。
また、道内空港から各国に国際定期便が現在13便飛んでいるが、9月からはさらに4便増えて17便となるが、そのうち15便が韓国・中国・台湾などの東アジアとの定期便だという。このことは北海道を訪れる外国人のおよそ3/4が東アジアの人たちだという現実がある。
さらに北海道の主な輸出相手国でも韓国、中国が突出しているという状況がある。(台湾はやや少ない)
興味ある統計として北大への留学生数を示すグラフが提示された。北大への留学生では中国からの留学生が圧倒的に多く毎年7~800人が学んでいる。韓国からも150人程度が在学しているという。反面、北大からの留学を希望する学生が少ないのが悩みとも云う。
このように北海道は今、東アジアの国々から憧れや羨望の的となっているのだが、そのことに北海道が対応しきれていないのではないかと鈴木氏は指摘する。
鈴木得氏は最後に次のようにまとめた。
・国際化=欧米化ではない。
・英語の公用語化は疑問である。
・東アジア3ヶ国の重要性を北海道(人)は意識すべきだ。
・現状に合わない旧態依然の教育体制が問題である。アジアを教える場がない。
・大学における欧米偏重とアジア軽視が学生にも影響し、伝染している。
・役所、企業でも対応が必要である。
・「北海道」のブランド力の維持、向上に向けた戦略が必要である。
東アジアの重要性ついてはメディアも最近はさかんに喧伝するが、そのことを真に認識し、対応しているところはまだまだ少ないということか。
以前は近くて遠い国とも称された東アジアの国々だが、地理的にも、経済的にも、心理的にも近くて大切な国々であることを私たちはもっと意識すべき時代のようだ。