北海道を代表する企業の経営者たち4人が一堂に顔を揃えた。経営者一人ひとりはとても個性豊かに見えた。彼らは自らの経営上の信念にもとづきリーダシップを発揮し、会社経営にあたっていることをあらためて認識させられた。
北海道新聞社刊「トップの決断~北の経営者たち」の発刊を記念しての道新フォーラムが7月10日(火)夜、道新ホールで開催された。
登壇した4人の経営者とは、
◇加森観光社長 加森 公人 氏
◇ニトリホールディングス社長 似鳥 昭雄 氏
◇石屋製菓会長 石水 勲 氏
◇アインファーマシーズ社長 大谷 喜一 氏
いずれも北海道では名だたる企業のトップの方ばかりである。
会社員の経験もない私はまったくの門外漢であるが、それでも組織のトップの話を聴くことは興味深いことである。
フォーラムでは前半は道新の論説委員の、後半は道内の大学で経済学を学ぶ学生たちの質問に答える形で進められた。
さまざまな角度から4人のトップの話をうかがい、私もたくさんのメモを残したが、それを紹介していては紙数が膨大となってしまう。ここでは話をうかがいながら垣間見えたトップのそれぞれの個性について私なりの見方を紹介してみたい。
最初に加森観光の加森氏は4人の中でも最も強力なリーダーシップで会社を引っ張っている方と見た。
加森観光というと日本はもとより、外国の観光施設もM&A(企業買収)によって企業規模を拡大してきた会社である。企業買収を進めるか否か、その決断を常に求められる加森氏は自らの理論と信念にもとづき決断を下していると話された。氏の経営理論には素人ながらうなずける言葉多かった。
ニトリホールディングスの似鳥氏は自分を頼りない経営者と云ってはばからなかった。自分を飾らない、あけっぴろげな性格が社員の共感を呼んでいるのではないかと伺わせてくれた。
氏は社員に対して会社の拡大目標だけを示し、あとは社員を信頼して任せるような会社経営をしているのではないかと思わせてくれた。しかしそれは外部の者にはそう思わせておいて、社内においてはしたたかな経営戦略のもとに会社経営にあたっているに違いないとは思うのだが…。
石屋製菓の石水会長は実質経営を子息に任せてしまったという安堵感からか、はたまた石屋製菓の賞味期限改ざん問題の後遺症からか、あまり多くを語らなかったように映った。
ただその影響力はまだまだ健在のようで、席上石水氏が「石屋製菓が近い将来シンガポールに出店する計画である」と述べたことが、2日後の北海道新聞の経済欄に大きく掲載されたことは企業のトップとしての発言と受け取られたということだろう。
アインファーマシーズの大谷氏は最もバランスのとれた経営者と見た。
それは大谷氏の経歴が影響しているように思える。大谷氏は高校時代まではまるっきりの野球少年で、北海高校で甲子園を目ざしたという野球しか知らない高校生だったという。野球以外何も知らないという渇望感から大学時代はさまざまなことを経験しようと努めたそうだ。その結果、大谷氏の発言には絶えず広い視野で見て判断していこうという姿勢が見て取れた。
いずれの経営者ともに会社の命運を握っているという重責を負いながらも、自らのロマンの実現と会社の伸長のために全精力を傾けていることがひしひしと伝わってくる一言一言だった。
北海道新聞社刊「トップの決断~北の経営者たち」の発刊を記念しての道新フォーラムが7月10日(火)夜、道新ホールで開催された。
登壇した4人の経営者とは、
◇加森観光社長 加森 公人 氏
◇ニトリホールディングス社長 似鳥 昭雄 氏
◇石屋製菓会長 石水 勲 氏
◇アインファーマシーズ社長 大谷 喜一 氏
いずれも北海道では名だたる企業のトップの方ばかりである。
会社員の経験もない私はまったくの門外漢であるが、それでも組織のトップの話を聴くことは興味深いことである。
フォーラムでは前半は道新の論説委員の、後半は道内の大学で経済学を学ぶ学生たちの質問に答える形で進められた。
さまざまな角度から4人のトップの話をうかがい、私もたくさんのメモを残したが、それを紹介していては紙数が膨大となってしまう。ここでは話をうかがいながら垣間見えたトップのそれぞれの個性について私なりの見方を紹介してみたい。
最初に加森観光の加森氏は4人の中でも最も強力なリーダーシップで会社を引っ張っている方と見た。
加森観光というと日本はもとより、外国の観光施設もM&A(企業買収)によって企業規模を拡大してきた会社である。企業買収を進めるか否か、その決断を常に求められる加森氏は自らの理論と信念にもとづき決断を下していると話された。氏の経営理論には素人ながらうなずける言葉多かった。
ニトリホールディングスの似鳥氏は自分を頼りない経営者と云ってはばからなかった。自分を飾らない、あけっぴろげな性格が社員の共感を呼んでいるのではないかと伺わせてくれた。
氏は社員に対して会社の拡大目標だけを示し、あとは社員を信頼して任せるような会社経営をしているのではないかと思わせてくれた。しかしそれは外部の者にはそう思わせておいて、社内においてはしたたかな経営戦略のもとに会社経営にあたっているに違いないとは思うのだが…。
石屋製菓の石水会長は実質経営を子息に任せてしまったという安堵感からか、はたまた石屋製菓の賞味期限改ざん問題の後遺症からか、あまり多くを語らなかったように映った。
ただその影響力はまだまだ健在のようで、席上石水氏が「石屋製菓が近い将来シンガポールに出店する計画である」と述べたことが、2日後の北海道新聞の経済欄に大きく掲載されたことは企業のトップとしての発言と受け取られたということだろう。
アインファーマシーズの大谷氏は最もバランスのとれた経営者と見た。
それは大谷氏の経歴が影響しているように思える。大谷氏は高校時代まではまるっきりの野球少年で、北海高校で甲子園を目ざしたという野球しか知らない高校生だったという。野球以外何も知らないという渇望感から大学時代はさまざまなことを経験しようと努めたそうだ。その結果、大谷氏の発言には絶えず広い視野で見て判断していこうという姿勢が見て取れた。
いずれの経営者ともに会社の命運を握っているという重責を負いながらも、自らのロマンの実現と会社の伸長のために全精力を傾けていることがひしひしと伝わってくる一言一言だった。