田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道を元気にする!? Part Ⅱ

2010-08-11 13:09:38 | 札幌学 & ほっかいどう学
 「北の大地に未来はあるのか」のHTBテレビ「北海道朝まで生討論」はいよいよ北海道の主産業である農業(漁業)、観光業の振興について話が移っていった。
 
【農業は産業か?否か?】 
 ここでの大きな論点は、日本の農業を他の産業と同じように産業として位置付けすることが是か非かという点であった。
 大きく色分けすると、実業家・評論家は産業として位置付けたうえで大規模化を図り諸外国の農産業にも伍していくべきと主張した。
 対して政治家たちは立ち位置はそれぞれ異なるが、産業として成立しなければならいとしながらも農村社会(コミュニティー)を維持していくことも切り離せぬ問題だと主張した。

        
        ※ 政権党議員としてよく勉強され、誠実な受け答えが印象
         的だった民主党の佐々木氏

 ここでの共通認識は北海道の農業も含めて日本の農業を産業化しなければならないという点だった。そのためには農地法を見直すことも必要との指摘があった。
 グローバル化した社会において、世界に伍していくためには農業もまた産業化しなければならないという指摘であるが、実業家や評論家のようにドライに割り切れない問題も内包しているように思える。
 EU諸国が農村社会を維持しながら、産業としても成り立っていると紹介したパネリストがいたが、日本(北海道)の農業が目ざす一つの姿なのかもしれない。

 議論の中で田原氏が「チャーミングな農業」という言葉を用いたが、私には耳新しい言葉だった。意訳すると「関係者以外にとっても魅力的に映る農業」ということになるだろうか。
 そして今や日本は「農本主義」からの脱却が必要であるということだった。

        
        ※ いまひとつ主張が不明確だった公明党の稲津氏

【観光北海道を売り出すには?】
 この部分は司会の田原氏の関心が高いとは言えず、議論の深まりはそれほどなかったように感じた。
 その中で二三指摘があったこととして、一つは宣伝活動の重要性ということだ。このことは言わずもがなであるが、まだまだ足りないという指摘であろう。
 観光の素材が揃っている北海道であるが、見るだけの観光ではリピーターは望めない。体験する、創造するなどの付加価値を感じられる観光へ進化を図るべきとの指摘があった。
 そして戦略的に発信する必要性ということで、映画をはじめとしてさまざまな媒体を有効に活用した情報発信の必要性を指摘したパネリストがいた。彼は現在フィルムコミッションと連携して北海道を素材にした映画製作に取り組んでいるとのことだった。

        
        ※ 議論の和に加わることが少なく気の毒だった羅臼町観
         光協会事務局長の三浦氏

 議論の中で観光に関わっている二人のパネリストが現状に対する言い訳的な発言が気になった。観光産業の現場に近い、問題点に詳しいことがそうした発言に繋がったものと思うが、だからこそ力強いメッセージを聞きたかった。

 観光産業の振興のためには、中韓台などを中心とする海外観光客の誘致のためには前記したような施策が必要と思うが、やはり国内旅行客が増えることが何より重要だと思う。
 そのためにはやはり景気を回復させ、国民生活に余裕が出てくるような状況を作ることこそ肝心なのではないだろうか。

        
        ※ 帯広屋台村を開設したり多方面で活躍する観光カリスマの坂本氏

 番組では「北海道独立論」に話が進んでいく。そのことについては次回に…。