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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道を元気にする!? Part Ⅲ

2010-08-12 16:57:02 | 札幌学 & ほっかいどう学
 「北の大地に未来はあるのか」のHTBテレビ「北海道朝まで生討論」は北海道の負の因子を取り除く処方箋として“北海道独立論”に話が進んでいった。 

【北海道独立論とは?】
 さまざまなところで、さまざまな論者が論じている“北海道独立論”であるが、番組では手嶋龍一氏が文化人類学者の梅棹忠夫氏が若き日に著した「北海道独立論」について紹介した。
 梅棹氏は戦後の北海道には二つの道があると指摘した。
 その一つは、政治を機軸としたとき、中央政府からの自立を目ざすのか、それとも従属するのか。
 もう一つは、産業や文化を機軸としたとき、本州の産業や文化から自立するのか、それとも同化してしまうのか。と指摘したというのだ。

        
        ※ 道産子である手嶋氏は北海道の自立論を熱く語った
 
 その後の北海道の姿は、政治的にも、経済的、文化的にも中央にひたすら従属し、同化する道だったと手嶋氏は指摘する。
 従属同化 、なんと屈辱的な言葉だろう。
 ここら辺りに北海道を元気にするヒントが隠されているような気がするのだが…。

        
        ※ 函館市長の西尾氏はやや我田引水的な論に走ったきらいがあった?

【北海道の自立を模索して…】
 「北海道の独立」と表現すると過激に聞こえる向きもあるかもしれないが、意味するところは梅棹氏が指摘するように政治的、経済的、文化的に中央からの自立を意味する言葉として捉えたい。
 その自立がなぜできないのか。
 パネリストたちは「北海道民は危機意識が薄いのではないか」と指摘した。

        
        ※ 政党の論理から逸脱できない紙氏の論には限界を感じた?

 パネリストの一人、松田氏は北海道民の生活レベルはけっこう高いのでそこに満足してしまっているのではないか。しかし、北海道自体は起債収支(国でいうところの貿易収支)の赤字が膨らみ国からの補填も難しい状況の中、北海道自体が外貨(国内において道外から利益を得ることも含めて)を稼がねばならない状況となっていると指摘する。

 そして松田氏は徐々にではあるが、北海道の中にも「何とかしなければ」という機運が芽生え、従属と同化の歴史から脱却し自立への道を模索する動きが出てきていると言う。
 番組で話題に上った農業、観光業はもちろんのこと、注目すべきは松田氏が直接関わるIT産業においても札幌は国内的に注目されるポジションにいると彼は言った。
 こうした胎動に我々は注目していきたいと思う。

        
        ※ どのような話題にも独特の論理を展開した堀江氏        

 番組の最後に田原氏は「北海道の状況は、日本の状況に似ている」と言った。その意味は地盤沈下が著しい日本経済だが政治家も含めて関係者の危機意識が低い状況は、北海道の状況と良く似ていると…。
 そうさせてはならないだろう。それでは北海道が一番最初に沈没してしまう。そうはさせないために官民一体はもちろんのこと、私たち一般庶民もこの問題に深い関心を示していくことが必要だと私は思う。

        
        ※ 良くも悪くも田原氏の仕切りに左右された討論でした。

 次回は、もう一つの講演「北海道を元気にする!」をレポートすることにします。