「マザー・テレサ展」と時をほぼ同じくして、東急デパートでは「吉田拓郎展」が開催されていた。こちらは有料だった(700円)が、その構成がとても似ていたのが面白いと思った。
東急デパートにおいて4/1~7までの一週間「吉田拓郎展」が開催されました。
「今なぜ拓郎展なの?」といぶかる思いも抱きながら、見逃せないと思い5日に駆けつけました。
さすがに平日の昼間とあって、入場者も多くはなくゆっくりと見て回ることができました。会場内はあたりまえですが拓郎一色という感じで、若かりし頃大ファンだったのでしょうか、会場内に流れる拓郎の映像をうっとりと見つめ続ける女性が印象的でした。
それにしても会場の構成が「マザー・テレサ展」とよく似ていることに気付きました。
会場入り口には拓郎の歩んできた軌跡が掲げられ、会場内は拓郎のそれぞれの時代を彩った数々の写真のパネルが、そして彼が使用していたギターをはじめとした数々の楽器が展示されていました。
また、会場のコーナーではこれまた拓郎のそれぞれの時代のステージの様子がダイジェストにまとめられて放映していたのも同じような提示方法です。
あえて違っていたとすれば、時代時代のコンサートのポスターやチケット、そしてレコードジャケットなどが展示されていたことでしょうか?
私はけっして拓郎の熱狂的なファンでもなければ、反対にまったく興味のない存在というわけでもありません。
自分と同時代を生き、時代の音楽シーンを切り拓いてきたスーパースターとしていつも注目していたミュージシャンであったことは間違いありません。
そんな彼の展覧会がなぜ今?という疑問が頭から離れません。
一つのヒントは、展覧会の年譜の最後に「2009年9月、コンサートツアーが中断された」と記されていたことが何か謎かけなのだろうか?
「マザー・テレサ展」では自らの生きざまを振り返り、「吉田拓郎展」では自らの若き日をダブらせることができた二つの展覧会でした。