ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

東海大学湘南キャンパスで開催された「産学連携フェア2011」を拝見しました

2011年12月09日 | イノベーション
 神奈川県平塚市の東海大学の湘南キャンパスで、同大の産学連携などを紹介する「東海大学産学連携フェア2011」が開催されました。

 この「東海大学産学連携フェア2011」は、今年度で8回目を迎え、東海大にとっては「冬の恒例行事」になっているのだそうです。



 別件の用事があって、湘南キャンパスにたまたま訪問したことから、同フェアと同時開催された研究プロジェクトの成果報告会(東海大学研究フォーラム)を拝見・拝聴しました。

 会場の入り口には、工学部動力機械工学科の長谷川真也助教の研究成果として、「熱音響機関による高効率廃熱回収システム」のミニシステムの展示品が置いてあります。





 音波の共振を利用して動く「熱音響機関」は、吸熱反応と発熱反応を起こすので発熱と急熱による冷却を起こすとのことです。その仕組みはセラミックス製の円柱状のフィルターです。円柱状の軸方向に四角柱の細長い穴が開いています。四角柱の四角は1ミリメートル弱と小さい穴です。自動車の排ガスフィルターと同じ構造と思い、どこが作製してるのかを聞くと「日本ガイシです」との答えに納得しました。このセラミックス製の円柱状フィルターを2個組み合わせて利用するシステムです。

 音波が、このような細長い穴(波長の1/3000程度)の中に入り、その狭い穴(流路)をゆっくりと音波が伝播する場合に、 流体である空気の圧縮と膨張のサイクルが長くなり、空気は等温的に変化し、流路の壁と空気(流体)との間で熱交換が行わるのだそうです。 この熱交換によって、音エネルギー(振動エネルギー)と熱エネルギーとの間でエネルギー変換やエネルギー輸送が行われるのだそうです。この発熱や冷却の仕組みを用いた冷却システムや、熱音響機関とリニア発電機器と組み合わせた廃熱による発電システムを開発中だです。

 研究プロジェクトの成果報告会では、チタン合金製の人工股関節のボール部分にダイアモンドライクカーボンというやや構造が崩れた炭素の薄膜をコーティングする研究成果などを拝見しました。

 自分の研究成果を表すポスターの前に、その研究を担当する各教員が立ち、参加者によるいろいろな質問に答えます。こうした中から、共同研究が誕生したり、製品化を目指した技術移転などが生まれるようです。

 開催場所の建物の外では、寒さが厳しい外気の中で雨が降り、寒さを一層強めていましたが、開催された建物の内部では、熱い議論が飛び交っていました。