ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

名古屋大学のプラズマナノ工学研究センターを見学させていただきました

2011年12月12日 | イノベーション
 名古屋大学の東山キャンパス(名古屋市千種区不老町)に設置されたプラズマナノ工学研究センター(PLANT)を見学させていただきました。プラズマナノ工学研究センターに設置された、さまざまな最先端装置を見学させていただきました。

 このプラズマナノ工学研究センターは、東海地区の産学官が一体となってプラズマを産業に応用するための拠点として、平成18年(2006年)10月に設置されたそうです。8年間にわたって研究開発する拠点だそうです。同センター長の堀勝教授は「薄型太陽電池などのグリーンイノベーションや医療応用を目指したライフイノベーションの成果を目指している」と解説します。



 日本のモノづくりを強力に支援する産業応用向けのプラズマを研究開発する拠点だそうです。



 “プラズマ”とは、気体を構成する分子が部分的に、あるいは完全に電離して、陽イオンと電子に別れて自由に運動している状態になっているもので、元の気体の分子とは大きく異なった性質を持つために、プラズマは物質の三態の「固体」「液体」「気体」とは異なる、物質の第四態(第四の状態)といわれています。

 グリーンイノベーションでは、部材表面を高速に大面積を表面処理する大気圧プラズマや液中プラズマなどの「超高密度プラズマ」、燃料電池向けに新しいナノカーボンを合成する「ラジカル制御プラズマプロセス」、小型で簡単に元素を分析する環境センサーを目指す「小型ラジカル計測システム」などを実用化する研究開発をしているそうです。

 例えば、薄型アモルファスカーボン太陽電池という新型の太陽電池を開発するための「ラジカル注入型プラズマCVD装置」を見せていただきました。CVD装置とは「化学蒸着」あるいは「化学気相堆積」などと呼ばれる装置で、半導体の製造や表面処理などの用いられている装置を最先端科学向けにアレンジしたものです。

 薄型アモルファスカーボン太陽電池とは、炭素(C)と水素(H)で結晶構造が乱れているアモルファス(非晶質)の薄膜に、不純物を入れてそれぞれn型とP型をつくり、n型とp型を接合させると太陽電池になるというものです。現在、実用化されているケイ素(シリコン、Si)に不純物を入れてn型とP型をつくり、接合させるのと、原理は同じです。

 合計約700平方メートルのスペース内に、世界に1台、あるいは数台しかないような最先端装置が所狭しと並び、大学院の学生や研究員の方々が多数、研究開発活動に励んでいます。

 プラズマナノ工学研究センターは、文部科学省の21世紀COEプログラム「先端プラズマ科学が拓くナノ情報デバイス」の研究成果を基に、プラズマナノ工学の世界的研究拠点として設立されました。そのプラズマナノ工学研究センターのさまざまな最先端装置を見学させていただきました。

 プラズマナノ工学研究センターが発表している、各研究開発成果はかなり難しいものです。その最先端の研究開発成果を十分い理解し、紹介できるものをお伝えしたいと思っています。