まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『ショコラ』お口の中から幸せが・・・

2010-01-28 22:39:46 | イギリス・アイルランドの作家
CHOCOLAT 
1999年 ジョアン・ハリス

いわずもがな!のお菓子作りのシーンの美味しそうさはともかく
読んでいるだけでこんなにカラフルな映像が浮かんでくるなら映画はどうなの?
そうなんです、観ていないんですよね

とにかく、いつの話かよく分からんが面白いぞ!!
村のたたずまいや教会に縛りつけられる習慣なんかを読んでいるうちに
すっかり100年も200年も前の物語のつもりになっちゃっていると
スタンガン、東芝のビデオデッキなんて言葉で現代に戻されます。

主人公ヴィアンヌ・ロシェは、自称魔女の母を持つ世界中を放浪した女性。
娘のアヌークを連れてフランスの小さな村にふらりと現れチョコレート屋を開きます。
ヴィアンヌは村の人々のチョコレートの好みばかりか気持ちまで分かってしまうの。

やはり魔女のような感性を持つ村の老女アルマンド・ヴォワザンは
ヴィアンヌを同類だと思ってすぐに打ち解けます。

すぐに何人かの常連もできて売上もまあまあで、良かったね、と言いたいところですが
店を開いた場所が悪かった!
村人から尊敬を集め、ある意味恐れられている神父レノーがいる教会の向かいです。

レノーは、教会に来ない、日曜日に店を開く、ましてや未婚で娘がいるヴィアンヌを
最初から目の敵にして、次第に憎悪を抱くようになります。
もう彼女の店 “ ラ・セレスト・プラリーヌ ” から目が離せません。

ヴィアンヌは自分にも悩みがありました。
母が恐れ逃れ続けていた “ 黒い男 ” の存在とタロットに現れる死の印…

もしかして “ 黒い男 ” って…

夫の暴力に耐え続けているジョセフィーヌが自由の身になる手助けをしたり
村ぐるみでジプシーを排斥しようという考えに反対し
その上ルーという男性と親しくなったことでレノー大激怒!
“バイブル親衛隊 ” の人たちも加わってラ・プラリーヌを窮地に追い込もうと考えます。

わくわくするでしょお?
最後はヴィアンヌと黒い男の魔術対決?
まさかまさかの急展開でレノーと恋に陥っちゃう?

ヴィアンヌと母の謎に満ちた過去と、レノーの忘れ去りたい忌まわしい記憶が
次第に明らかになっていくところも見どころのひとつです。

物語は一抹の哀しさと「ざまーみろ」な痛快さ、ちょっぴりのせつなさ、
それでこれからどうすんのよぉ?というもどかしさを含みつつラストを迎えます。
映画ではどうなったのでしょうか?
私はヴィアンヌに村にいてほしいなぁ…でも去った方がいいのかなぁ…
センセーショナルなことになりそうだし、と(勝手に)悩んでおります

余談です
小説を読んでいると、やっぱり通貨は「フラン」とか 「リラ」とかの方が風情があるよね。
ひと昔前のシリングとかエキュなんかの響きはさらにいい感じ。
ユーロじゃちょっとねぇ…

ショコラ  角川書店


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コメント
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