POSTERN OF FATE
1973年 アガサ・クリスティ
『親指のうずき』から5年、ついにタペンスはリューマチにかかっています。
終焉に近づくクリスティの執筆活動…哀しいですね。
でもこの時クリスティ82か83歳! もう充分楽しませてくれましたね。
トミーとタペンスは、田舎町ホロウキィに手頃な家を見つけて移り住みます。
前の持ち主が置いていった古い蔵書をかたずけていると
奇妙なアンダーラインが引いてある本がありました。
組み合わせると…
「メアリ・ジョーダンは自然死ではない。犯人は私たちの中にいる」になります。
タペンスは興奮気味ですが、トミーは取合いませんでした。
しかし、そのアンダーラインを引いたらしいアレグザンダー・パーキンソンなる人物が
14歳で急死したと知ってからは、興味を持たずにはいられませんでした。
なにしろかなり昔の事件で、実際に知っている人がほとんどいません。
祖父母に聞いたり大叔母にきいたり、といった話ばかりです。
有力な証人はじい様とばあ様ばかりで、あんまり記憶がはっきりしないんだしね…
メアリ・ジョーダンはパーキンソン家の養育係だった女性とわかりましたが
ドイツ人と言われていて、スパイじゃないかという噂だったらしいのです。
彼女は夕食にほうれん草と間違って混ざっていた毒草で死にました。
トミーが昔のツテを利用してホロウキィに関するスパイ事件の情報を集めると
なんと!まさにその事件の舞台になった家を自分たちが買っていたことが判りました。
例によってはしょるわね。
タペンスは何度か危ない目に遭った挙げ句
ついに、ピストルで狙われ肩に怪我を負いました。
なぜかというと温室である書類を見つけたからなのですけど…
書類が見つかった経緯は説明できないんだけど
クリスティの読書好きが垣間見える、古い書物からの引用が手がかりになります。
書類が見つかった後はというと…
なんだか犯人が自分から現れて、簡単に見破られてしまうという
ちょっとクリスティらしくないラストでありました。
トミーとタペンスも孫がいる年代ですもの。
自らアクションたっぷりに捜査する…というわけにはいかないのはわかりますが
結局全ては諜報部が解決したみたいになっちゃって残念です。
とにかく、トミー&タペンス以外の登場人物に
80歳や90歳を越えたじい様、ばあ様が多くって、会話のとりとめの無さはすごい
年代が定かでないのに自信たっぷりに「あの時よ」と教えてくれる迷惑な親切、
自分が言うことが一番正しいという、希薄な根拠による頑固な応酬の数々。
読んでるうちに目に浮かんでくる老人ぶり…
クリスティが友人や自分自身を皮肉たっぷりに書いているようで笑えました。
そして「若者よ、あなたたちもいつかはね…」と言われているようでもありました。
私も決して若くはないんだけど…
いきなり老けこんだトミーとタペンスが大活躍!
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね
1973年 アガサ・クリスティ
『親指のうずき』から5年、ついにタペンスはリューマチにかかっています。
終焉に近づくクリスティの執筆活動…哀しいですね。
でもこの時クリスティ82か83歳! もう充分楽しませてくれましたね。
トミーとタペンスは、田舎町ホロウキィに手頃な家を見つけて移り住みます。
前の持ち主が置いていった古い蔵書をかたずけていると
奇妙なアンダーラインが引いてある本がありました。
組み合わせると…
「メアリ・ジョーダンは自然死ではない。犯人は私たちの中にいる」になります。
タペンスは興奮気味ですが、トミーは取合いませんでした。
しかし、そのアンダーラインを引いたらしいアレグザンダー・パーキンソンなる人物が
14歳で急死したと知ってからは、興味を持たずにはいられませんでした。
なにしろかなり昔の事件で、実際に知っている人がほとんどいません。
祖父母に聞いたり大叔母にきいたり、といった話ばかりです。
有力な証人はじい様とばあ様ばかりで、あんまり記憶がはっきりしないんだしね…
メアリ・ジョーダンはパーキンソン家の養育係だった女性とわかりましたが
ドイツ人と言われていて、スパイじゃないかという噂だったらしいのです。
彼女は夕食にほうれん草と間違って混ざっていた毒草で死にました。
トミーが昔のツテを利用してホロウキィに関するスパイ事件の情報を集めると
なんと!まさにその事件の舞台になった家を自分たちが買っていたことが判りました。
例によってはしょるわね。
タペンスは何度か危ない目に遭った挙げ句
ついに、ピストルで狙われ肩に怪我を負いました。
なぜかというと温室である書類を見つけたからなのですけど…
書類が見つかった経緯は説明できないんだけど
クリスティの読書好きが垣間見える、古い書物からの引用が手がかりになります。
書類が見つかった後はというと…
なんだか犯人が自分から現れて、簡単に見破られてしまうという
ちょっとクリスティらしくないラストでありました。
トミーとタペンスも孫がいる年代ですもの。
自らアクションたっぷりに捜査する…というわけにはいかないのはわかりますが
結局全ては諜報部が解決したみたいになっちゃって残念です。
とにかく、トミー&タペンス以外の登場人物に
80歳や90歳を越えたじい様、ばあ様が多くって、会話のとりとめの無さはすごい
年代が定かでないのに自信たっぷりに「あの時よ」と教えてくれる迷惑な親切、
自分が言うことが一番正しいという、希薄な根拠による頑固な応酬の数々。
読んでるうちに目に浮かんでくる老人ぶり…
クリスティが友人や自分自身を皮肉たっぷりに書いているようで笑えました。
そして「若者よ、あなたたちもいつかはね…」と言われているようでもありました。
私も決して若くはないんだけど…
いきなり老けこんだトミーとタペンスが大活躍!
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