「ぼくらの理由」。
盛岡市の近くの巣子にその喫茶店はある。
詩人の大坪れみ子さんがされており
店内には全国から寄せられた詩集や同人誌が並んでいる。
拙著を送り、いつか行ってみたいと思っていた。
そんな折、所用で仙台に行くことになり
大坪さんに連絡を取った。
盛岡駅まで迎えに来てくださり、方々を案内してくださり
初対面にもかかわらず、一宿一飯のお世話にまでなった。
2月の凍てつく日だったと思う。
山陰の2月も寒いが、もっと底の深い寒さだった。
お母さんが用意してくださった湯たんぽの温もりが忘れられず
帰って湯たんぽを買った。
あれからもう十年近く経つだろうか・・・。
*
復興の石鎚が聞こえ始める中、
「東北は日本でいちばん素晴らしい地域になる」。
そんな声が聞こえてきた。
否、世界でいちばん素晴らしい地域になるのだ。
*
灯油不足が解消されるだろう来週当たりから
「ぼくらの理由」も再開する。
それぞれの歩みが始まっている・・・。
沈丁花
copyright Maoko Nakamura