詩の現場

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雨もり修理人 1

2013-05-05 | 連詩
電話がかかってきた
天井から雨もりがするので直してほしい と

便利屋と私の家は 電話番号が一番違い
便利屋に電話をすると
「現在、この電話は、使われておりません」

依頼主は 住所を早口で言い終わると
電話を切ってしまうものだから
しかたがない 行ってみることにした

さっそく家についてみると
「じゃあ、お願いね」と お金を置いて
急いで行ってしまう とにかく忙しい人のようだ

通された2階の部屋だけが 鍵が開いている
天井を見上げると なるほど確認できる隙間が3か所
依頼主が自分で直そうとした跡がある
金づちや釘が 足元に散乱している
大工仕事などしたことがないが 
まあ とにかくやってみようか

小さな木片を目隠しに 打ちつけてみる
1回目失敗 2回目失敗
釘は 釘穴をつけたところには
もう一度 打つわけにはいかない
ようやく何回目かに 木片を打ちつけることができた
奇跡のように 3か所の修理が済んだ

その代わりに 打ちそこなった小さな釘跡が 
数十か所できてしまったが
しかたなく 誰もいない家から黙って帰ることにした



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