詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
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リフレイン

2009-10-27 | My詩集から
またしてもだ!
暗がりで手をさしのべてくれる人
にであい 手に手をとって暗黒の
アルコールにみちた街へおりてい
く ミューズよ!ミューズよ!と
心はさけびつづけるが 小さな袋
小路をぬけるとデーモンがついて
きた 地下室から星のみえる屋上
へ  黒い舞踏家のように 次々に
音をのみこみ歩いていく  腹の中
瞳の上がふくらんでいく とたん
に  舞台は足元からくちはじめ
観客席からバーの入口へころがり
おちる 三角形の部屋は  一枚一
枚の床板が平行に 不均衡に並べ
てあって  決して桟をふまずにと
びこえるのがきまり  桟をふんだ
ら人生がかわってしまうよ!と耳
もとの虫がささやいてきえる
川の流れはつねならず 時間が逆
流している  のかどうかもわから
ない 仁和寺の和尚 徒然法師が
窓のすきまをのぞいてはとおりす
ぎる 長明の影ぼうし  誰かのく
つがおきざりにされている  手を
さしのべてくれる人  どこへいっ
たの 40Wの電灯の下に ようや
くたどりつくと  モノクロームの
陰影が 見知らぬ顔をあぶりだす
大きな手をした  フロックコート
の下に マダム!マダム! 黒い
しっぽをかくした  神様がすわっ
ているよ

    詩集「月がまるみをおびる地点まで」より


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