ちょこっと本音

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奇想天外「東海道中栗膝毛」

2016年08月17日 | 観劇徒然草

夏休みは、八月納涼歌舞伎。
8月は三部に分かれて、少し短い演目をやるのだ。
でもこれが楽しみ。
早速出かけました歌舞伎座へ。
私が観たのは二部の「東海道中膝栗毛」と「艶紅曙接拙(色もみじつなぎのふつつか」の2本。
東海道中~があまりにも面白くて、感想が上手く書けない。
とにかく弥次郎兵衛の染五郎と喜多八の猿之助コンビが面白い。
お伊勢参りに行くのだが、動機が不f純。
店賃をためて大家さんに追いかけられ、借金をして、金貸しに追いかけられ。
そして舞台は「だんまり」という暗闇の中で、皆が右往左往する様式に変わる。
そこで二人は大家さんのためた金をカメごと盗み、その金で金貸しから逃げるために、伊勢へ行こうとするのだった。
道中、お家存続の願いを、奉行大岡伊勢守忠相に届ける子どもたちと同行することになる。
この子たちは梵太郎(金之助:染五郎の長男)と政之助(團子:猿之助の従兄弟中車・香川照之の長男)で、実際の関係を知っていると、話が面白くなる。

途中の4人が泊まった宿は、五日月荘。
この宿の名前、似たのを聞いたことあるな、最近。
あの前都知事と号泣議員の名前が出てくる。
そして家族かと思われるのも、ご愛嬌。
こういう政治ネタも、昔から歌舞伎には取り入れられたのだ。

しかし、この宿は幽霊がでてー納涼歌舞伎なのでーそれに驚いて逃げだすのだが、川を渡る時、流されてしまう二人。
沖でクジラに乗って着いたところはラスベガス。
1階の桟敷席のカーテンから、ラスベガスの客たちが現れる。
舞台と客席が一体化。
ルーレットでいかさまがばれた二人は、また追われ、噴水の水に乗っかって、日本へ、旅の途中へと逆戻り。
そして、同行していた子ども二人と出会うが、金貸しにも追いつかれる。
この金貸しが、歌舞伎ワンピースに出てきたキャラそのまま。

戦いの末、梵太郎が傷つく。もはやこれまでと自害しようとするときに流れる曲が、三味線の弾く「ラ・マンチャの男/見果てぬ夢」
祖父の松本幸四郎丈のライフワークだ。
こういうところが遊び心満載。

なぜかここに天照大神が現れて、すべてを救ってくれ、一気に伊勢へと行った4人。
お家存続の願いも伊勢守大岡忠相にわたし一件落着。
・・・と思いきや、野次喜多の二人がいない。
何と、花火の中に入って隠れていたのだ。
何も知らない花火師。火をつけると・・・・・
二人は打ち上げられて、宙づりに。
そのままでの引っ込みになったのだった。
今回は1階席だったので、最後の引っ込みが全部観られなかった。
(先々月は2階だったので、猿之助の宙乗りが楽しめたのに)

あり得ない話だから、奇想天外と副題がつく。
それも夏のひと時のご愛嬌。
大笑いをして、暑さを吹き飛ばそうということなのだ。

休憩時間に小倉アイスを食べる。
やはりここでしか食べられないものを食べるのが通(?)
この前は冷やし甘酒。
お土産に歌舞伎揚げも買う。
なんとなく、観劇したら、お土産買ったり、飲んだり食べたりして浮世を離れて楽しみたい。
芸達者な猿之助、染五郎の二人が、私の夏休みを盛り上げてくれた。

第二部 二本目は故中村芝翫丈の縁(ゆかり)の人々が総出演。
橋之助、勘九郎、七之助、巳之助、児太郎、彌十郎、扇雀、国生・宗生・宜生の三兄弟。
成駒屋さんと中村屋さん総出演!
中村屋贔屓の私には垂涎もの。
それぞれが、物売りの様子を踊りで表現する。
華やかな舞台だった。
それにしても巳之助クン、お父さん(故三津五郎丈)に目元がそっくり。
そんな二世、三世たちの進歩も楽しい舞踊だった。

コメント
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