毎日駅を出てから坂道をのぼって出勤する
テクテクテク・・・
途中でいつもコーヒーを買う
もう毎日のことなので顔なじみ
おはよう、いつものね
今日は銀行へもいかなくては
坂をくだって用を済ませてまたのぼる
テクテクテク
あ、忘れ物をしてきた
タタタタタタタ・・・
銀行へ戻る
よかった、まだ残っていた
そしてまた会社へ戻る
テクテクテ・・ク・・・テ・・・・ク
お昼を買いに坂を降りる
テクテクテク
今日は何にしようかな
なぜかプリンの特売日
もちろん買って会社へ戻る
おなかがすいたよ
テクテクテク
いったい一日に何度この坂を
行ったり来たりするのだろうか
テクテクテク
それでもちっともやせないなぁ
ｂｙ 紫苑
ビルに映った夕陽
まるで炎のように
ビルを燃やしながら
沈んでいく
今日一日の日本での仕事を終えても
夕陽は家路につくことができない
次の国の朝の光になるのだから
太陽は夕陽とよばれるときから
優しいものに変わり
楽しい一日を思い出に変える
by 紫苑
キンキンに冷やしたグラスに
ウィスキーを入れ
炭酸を注ぐ
ライムを絞り
飾りにライムの皮をちょこんとのせる
ライムのハイボールのできあがり
小さなカフェバー森香るBAR
外は列車の時間が迫っている人が
走って通る
私はゆっくり
炭酸の泡に口を近づけ
シュワシュワを楽しんで
ライムの香りを楽しんで
今日の一日の仕事に終わりを告げる
ｂｙ 紫苑
＊森香るBARは上野駅構内にある小さなカフェバー
ここで一杯のハイボールを飲んで電車に乗るのが今の楽しみ。
哀しみはいつかは終わる
今日きいた素敵な言葉
生きているかぎり
つきまとう喜怒哀楽
そして哀しみに出会うとつらい
永遠に続くかと思うほど哀しいときがある
でも
終わりのない哀しみはない
私がいきているかぎり
地デジになってから、チューナーを買うのも面倒なので、自分の部屋のTVとさよならをした。
そのかわりRadioを聞くようになった。
いつもベッドに入り、眠りにつく前にTVを観ていたけれど、今の深夜番組は同じような芸人さんたちがでてきて、同じようにギャーギャーやっているだけ。
昔はもっと面白い深夜番組もあった。
でも面白いとおもっているとすぐゴールデンに進出してしまう。
Radioは音楽が静かに流れる番組もあり、眠る前のひと時にはいいかもしれない。
そういえば、心療内科の先生に寝る前のパソコンやTVは禁止されていたんだった。
でもなにか音がないと寂しいというのでつけていて、朝、起きられなかったりもした。
Radioの長寿番組ジェットストリーム。
昔はよく聞いていた。パーソナリティーは城達也さんだったかな？
そのあとは知らないが今は大沢たかおさんが夜間飛行のパイロットを務めている。
そして私は音楽と静かな語り口を聞きながら眠りに入る。
それが私の一日の終わり。
箱を組み立てる
彼女の荷物を詰め込む
こんなところにも
あんなところにも
いつのまにか荷物がふえている
仕事を一緒にやろうともちかけられ
断りきれずオフィスををシェアした
でも一度も家賃も入らず
いろいろな知らない人が出入りし
さまざまな資料が搬入された
そのうち2月以上もこなくなった
メールをすれば
あきらかに嘘だとわかる返事
それでも騙されていてあげた
まだ彼女との夢の話は
私の中にはあったから
でも3か月ただの荷物置き場となり
土日に知らない人々があつまり
プリンターのトナーもトイレットペーパーもなくなり
補充してくれるわけでもなく
ついに別れを決意した
そして昨日
彼女は荷物をまとめてでていった
ちょっと寂しさはのこったけれど
さよならと言って私はドアをしめた
嫌なことほど時間がたつと
だんだん大きく膨らんでいく
最初は本当に小さなことだったのに
積み重なって、積み重なって
だんだん大きくなっていく
積み木のようにそのうち崩れてしまえばいいのに
なぜか心の奥にいつでも
澱のようによどんでいる
だからもっともっと楽しいことをしたり
空想したり、友人とおしゃべりしたり・・・
嫌なことが頭をださないように
抑え込まなくては
今の私はつぶれてしまう
ｂｙ 紫苑
昨日初秋刀魚を食べた
本当に刀のように
青く銀色に光っている
こんがりと焼きあがり
箸を真ん中にすーっといれ身をほぐす
そして白く湯気の立っている身に
すだちをしぼる
柑橘類の香りがひろがり
こころなしか
秋刀魚の身がきゅっとひきしまる
秋
残暑が厳しくても すっかり秋
ｂｙ 紫苑
私は彼女に怒りすらおぼえる
一方的に急に会いたいといってきて
おいしそうな話をちらつかせ
会う日を決める段階になったら
明日の3時すぎに連絡をしてくれという
結局
3時過ぎにメールをしたら
今忙しいので月末にという返事
まだ、罠の準備ができないのか
もう会う気は失せた
私は彼女に怒っていた
もう二度と付き合いたくないと思っていた
さっしたのかどうか
彼女から甘い誘いがかかってきた
仕事がらみなので
どうしても食指をのばしてしまう
これは罠だろうか
また彼女にふりまわされるのだろうか
仕事がからんでいるので
断りきれない
悩んでいる
もう一度、罠に足を引っ掛けてみようか
そのかわり
痛い思いをする前に引き下がる
という約束を自分に課して
