学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

心の教育をめぐって

2009-06-08 | 教育
「心の教育」はたいへん重要である。
学校現場ではその重要性に鑑み,
あらゆる場面,あらゆる機会を捉えて
心の教育を行うべきであるとされている。

しかし,
「心」をダイレクトに教育することはできない。
もしも,「心」を
ダイレクトに教育することができるとすれば,
それは,教育ではなく洗脳である。
ある種の心情へと,子どもたちを誘導するとすれば,
それも一種の洗脳である。

教育の場においては,
「心」を教育するのではなく,
「心」の問題を「知」に置き換えて教育するのである。
そして,「知」が「心」を統御する力をもつように
教育するのである。

心情や感情にしても,
学校教育の場において,
それらが教育の対象となるときには,
必ず「知」に転換されて教育されているのである。

極端に言えば,
学校では「知」の形をとっているもの
(すなわち,論理的な言語で語ることができ,
反論可能性があるという意味だが)しか
扱うことができないのであり,
扱うべきではないのである。

「知」の力で「心」を統御することを教えることこそ,
「心の教育」の本質であるべきである。


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2 Comments

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目からウロコ (ほり)
2009-06-09 20:35:02
こんにちは。
「心の教育」という言葉を聞いたときに私が何となく感じる胡散臭さを明解に言語化され、感服します。

>そして,「知」が「心」を統御する力をもつように教育するのである。

「知」が単なる知識の量や技法ではなく、心と密接に関わるであろう人格にまでいたる教育でしょう。
「教養が邪魔をする」と言われるものだろうとも解釈しました。
Unknown (madographos)
2009-06-09 21:10:55
>ほり様。コメントありがとうございます。「知」を通して人格を陶冶する,それが真の教養のあり方でしょうね。

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