Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

早刷り版、米オスカー予想

2018-01-26 02:15:39 | コラム
まもなく公開される期待作『スリー・ビルボード』を、試写で観てきた。

こりゃすげぇ! 18年になってまだ30日も経っていないが、確実に年間ベストにからんでくる意欲作ですわ。

断言してもいいと思う、
本年度のオスカー、作品賞はともかく、脚本賞は「まちがいなく」これが取るでしょう。


※とりあえず、予告編だけでも観てください



さて。
オスカーのノミネーションが発表されたので、映画小僧らしく予想を立てましょう。

きょうは「早刷り版」、賞前日(03.04)に「最終版」を展開。


去年からのセクハラ問題、その余波による「黒衣装の統一」などなど、賞レース以外の部分で話題を集めそうだが、それは報じるほうが躍起になっていること。

映画小僧としてはやっぱり、去年の映画で、なにがいちばん愛されたか―人気投票なので、いちばん評価されたか、、、ではない―に興味があるのです。


では、いくぜ!!

※「取るだろう」が◎、「その対抗」と思われる候補に○


~第90回アカデミー賞ノミネーション全リスト~

<作品賞>

『レディ・バード』
『ゲット・アウト』
『スリー・ビルボード』○
『君の名前で僕を呼んで』
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
『ファントム・スレッド』
『シェイプ・オブ・ウォーター』◎
『ダンケルク』

<監督賞>

クリストファー・ノーラン 『ダンケルク』○
ジョーダン・ピール 『ゲット・アウト』
グレタ・ガーウィグ 『レディ・バード』
ギレルモ・デル・トロ 『シェイプ・オブ・ウォーター』◎
ポール・トーマス・アンダーソン 『ファントム・スレッド』

<主演男優賞>

ティモシー・シャラメ 『君の名前で僕を呼んで』
ダニエル・デイ=ルイス 『ファントム・スレッド』
ダニエル・カルーヤ 『ゲット・アウト』○
ゲイリー・オールドマン 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』◎
デンゼル・ワシントン 『ローマン・J・イスラエル・エスク』

<主演女優賞>

サリー・ホーキンス 『シェイプ・オブ・ウォーター』○
フランシス・マクドーマンド 『スリー・ビルボード』◎
マーゴット・ロビー  『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
シアーシャ・ローナン 『レディ・バード』
メリル・ストリープ 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

<助演男優賞>

ウィレム・デフォー 『ザ・フロリダ・プロジェクト』
リチャード・ジェンキンス 『シェイプ・オブ・ウォーター』○
クリストファー・プラマー 『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』
サム・ロックウェル 『スリー・ビルボード』◎
ウディ・ハレルソン 『スリー・ビルボード』

<助演女優賞>

メアリー・J・ブライジ 『マッドバウンド 哀しき友情』
アリソン・ジャネイ 『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
ローリー・メトカーフ 『レディ・バード』○
オクタヴィア・スペンサー 『シェイプ・オブ・ウォーター』◎
レスリー・マンヴィル 『ファントム・スレッド』

<長編アニメ映画賞>

『ボス・ベイビー』
『ザ・ブレッドウィナー』
『リメンバー・ミー』○
『ファーディナンド』
『ゴッホ 最期の手紙』◎

<短編アニメ映画賞>

『ディア・バスケットボール』
『ガーデンパーティー』
『LOU』○
『ネガティブ・スペース』
『へそまがり昔ばなし』◎

<脚本賞>

エミリー・V・ゴードン、クメイル・ナンジアニ 『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』
ジョーダン・ピール 『ゲット・アウト』
グレタ・ガーウィグ 『レディ・バード』
ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー 『シェイプ・オブ・ウォーター』○
マーティン・マクドナー 『スリー・ビルボード』◎

<脚色賞>

ジェームズ・アイヴォリー 『君の名前で僕を呼んで』◎
スコット・ノイスタッター、 マイケル・H・ウェバー 『ザ・ディザスター・アーティスト』
マイケル・グリーン、スコット・フランク、ジェームズ・マンゴールド 『LOGAN/ローガン』
アーロン・ソーキン 『モリーズ・ゲーム』
ヴァージル・ウィリアムズ、ディー・リース 『マッドバウンド 哀しき友情』○

<撮影賞>

ロジャー・ディーキンス 『ブレードランナー 2049』
ブリュノ・デルボネル 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
ホイテ・ヴァン・ホイテマ 『ダンケルク』◎
ダン・ローストセン 『シェイプ・オブ・ウォーター』○
レイチェル・モリソン 『マッドバウンド 哀しき友情』

<美術賞>

サラ・グリーンウッド、ケイティ・スペンサー 『美女と野獣』○
サラ・グリーンウッド、ケイティ・スペンサー 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
デニス・ガスナー、アレッサンドラ・クエルゾラ 『ブレードランナー 2049』
ポール・デナム・オースタベリー、ジェフリー・A・メリヴィン、シェーン・ヴィア 『シェイプ・オブ・ウォーター』◎
ネイサン・クロウリー、ゲイリー・フェティス 『ダンケルク』

<音響編集賞>

『ベイビー・ドライバー』
『ブレードランナー 2049』○
『ダンケルク』◎
『シェイプ・オブ・ウォーター』
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

<録音賞>

『ベイビー・ドライバー』
『ブレードランナー 2049』○
『ダンケルク』◎
『シェイプ・オブ・ウォーター』
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

<編集賞>

ポール・マクリス&ジェナサン・エイモス 『ベイビー・ドライバー』◎
リー・スミス 『ダンケルク』○
タティアナ・S・リーゲル 『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
シドニー・ウォリンスキー 『シェイプ・オブ・ウォーター』
ジョン・グレゴリー 『スリー・ビルボード』

<視覚効果賞>

『猿の惑星:聖戦記』○
『ブレードランナー 2049』◎
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
『キングコング:髑髏島の巨神』

<歌曲賞>

「Mystery of Love」 『君の名前で僕を呼んで』◎
「Stand Up for Something」 『マーシャル』
「Mighty River」 『マッドバウンド 哀しき友情』
「Remember Me」 『リメンバー・ミー』
「This Is Me」  『グレイテスト・ショーマン』○

<作曲賞>

ハンス・ジマー 『ダンケルク』
アレクサンドル・デスプラ 『シェイプ・オブ・ウォーター』○
カーター・バーウェル 『スリー・ビルボード』◎
ジョニー・グリーンウッド 『ファントム・スレッド』
ジョン・ウィリアムズ 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

<衣装デザイン賞>

マーク・ブリッジス 『ファントム・スレッド』
ジャクリーヌ・デュラン 『美女と野獣』
ジャクリーヌ・デュラン 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』◎
ルイス・セケイラ 『シェイプ・オブ・ウォーター』○
コンソラータ・ボイル 『ヴィクトリア・アンド・アブドゥル』

<メイク・ヘアスタイリング賞>

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』◎
『ヴィクトリア&アブドゥール』○
『ワンダー』

<外国語映画賞>

『ナチュラルウーマン』(チリ)◎
『ジ・インサルト』(レバノン)
『ラブレス』(ロシア)○
『心と体と』(ハンガリー) 
『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(スウェーデン)

<短編実写映画賞>

『ディカーブ・エレメンタリー』
『ジ・イレブン・オクロック』○
『マイ・ネフュー・エメット』
『ワツ・ウォテ:オール・オブ・アス』
『ザ・サイレント・チャイルド』◎

<長編ドキュメンタリー賞>

『アバカス:スモール・イナフ・トゥ・ジェイル』◎
『フェイセズ・プレイシーズ』
『イカロス』
『アレッポ 最後の男』○
『ストロング・アイランド』

<短編ドキュメンタリー賞>

『イーディス+エディー』
『ヘヴン・イズ・ア・トラフィック・ジャム・オン・ザ・405』◎
『ヘロイン×ヒロイン』○
『ナイフ・スキルズ』
『トラフィック・ストップ』

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明日のコラムは・・・

『まちぶせ』
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映画監督別10傑(4)宮崎駿

2018-01-25 00:10:00 | コラム
~宮崎駿のキャリア10傑~

77歳、引退撤回。

いいじゃないか、ヘンクツのヘビースモーカーらしくって。

次回作は、『君たちはどう生きるか』。

いいじゃないかストレートで、爺ならなんだって許される。


大作主義に傾倒した黒澤の晩年を、「市井の民はどうでもよくなったのか」といった内容で批判したのは松本清張。

同じように宮崎爺も、「変わってしまった」と多くのひとから批判されている。


そうかな。

ヘンクツなままじゃん!

たとえ変わったとしても、なんか問題ある?

本人は、「昔のような作品を観たいなら、昔のやつを観てればいい。同じものを創って何の意味がある?」と発言しているし。


思うんだな、自分は。

爺はもう、好き勝手やっていい。
そういう資格を持っている。

過度な期待は、細田守や新海誠のような、若手アニメーターに抱けばいいんだ、、、と。


(1)『魔女の宅急便』(89)

上京前日という、抜群のタイミングで鑑賞した、自分にとっての宝物のひとつ。

爺は「ひとり暮らしを始める、おんなのこ」に向けて創ったらしいが、18歳のザーメンキチガイにも響く物語だった。

魔女としての能力は備えたが、結局、黒猫ジジが「喋らぬまま」というオチが素晴らしい。



(2)『風立ちぬ』(2013)

70を超えた爺が、初めて自分のために創った映画だったんだと思う。

メロドラマ部分が「メロメロに過ぎる」かもしれないが・・・

♪ 空を見ていたの、今はわからない

ほかの人にはわからない ♪

・・・に、尽きる。

これは、そんな映画です。



(3)『千と千尋の神隠し』(2001)

イマジネーションが爆発した快作。

若いひとより、はるかに柔らかい脳味噌の持ち主だ。

(4)『ルパン三世 カリオストロの城』(79)

ひたすら愉快痛快、観終えたあと、すぐに観返したくなる。

(5)『風の谷のナウシカ』(84)

長大な原作を思えば、おそらく爺の原点になるのではないか。



調子っぱずれな安田成美の主題歌さえ、聖歌のように聞こえてくるんだマジで。

(6)『となりのトトロ』(88)

幼少のころ本作に触れることが出来た・出来る子どもたちは、ほんとうに幸福だと思います。

(7)『天空の城ラピュタ』(86)

現在の爺やジブリを敢えて批判するひとたちは、きっとこういう映画をもういちど創ってほしいのだろう。

分かるよ、その気持ちは。

(8)『紅の豚』(92)

黒澤が『生きる』(52)を「嫌いな作品だ」と告白したように、爺も本作を創って後悔しているという。

そういうところかな、やっぱりこのひとは黒澤と「いろいろ、かぶる」んだよ。 



(9)『もののけ姫』(97)

いちばん迷走した問題作。

だが、その迷走が異様な迫力を生んでいる。

(10)『パンダコパンダ』(72)

微笑ましい小品。

しかし、その核にはおおいなる野心が芽吹いている。

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明日のコラムは・・・

『早刷り版、米オスカー予想』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(236)

2018-01-24 00:10:00 | コラム
じょー「く」→「く」れーまー(クレーマー)

(1)朝日と読売の契約がダブってしまっていたため、先に取っていた朝日の契約を破棄すべく、

配達員(自分)が度々新聞を入れるのを忘れる、
集金員(これも自分)の態度が横柄、

などと電話で抗議し、実際に契約を切られた。

この主婦の抗議は嘘であったし、自分にはまったく非がなかったので、クレーマーというよりは「ヤカラ」でしょう。


18歳のころのことを未だ根に持っている?

根には持っていないが、人生でこれほど傷ついたことがなかったものでね、忘れられないんですわ。

(2)映画館でアルバイトをしていたとき、お客さんが「音量が大き過ぎる」と文句をいってきた。

たしか、『平成狸合戦ぽんぽこ』(94)だったかと。

これは難しいところだが、クレーマーとはいえないでしょう。

そのとき自分は「映画館ならではの大画面、大音量で、、、」と懸命に説明したが、お客さんは聞く耳を持たなかった。

音量を下げなくてもいいと思うが、「申し訳ございません」と謝るだけでよかったんだよね。

「最善を尽くします」「全力を尽くします」みたいなものか。

(3)ラーメン屋で、元ヤクザのYさんと食事。

YさんはA定食、自分はB定食を頼む。

AとBは「塩ラーメン」か「塩とんこつラーメン」かのちがいだけで、あとはすべて同じ。

店員さんは自分のほうにAを置き、YさんのほうにBを置いた。

2~3口、食べたあとに気づいたんだ。

「あ、これ、逆ですね」

するとAさんは会計時、「AとBが逆だったんだけど」と凄みを聞かせる。

その顔に慄いた店員さんは、それぞれを半額にしてくれた。


まだ20歳だったし、Yさんのことにビビッていたので、なにもいえなかった・・・が、これ、クレーマーっぽい気がするな。

(4)新宿の映画館で、ギャスパー・ノエの衝撃作『アレックス』(2002・トップ画像)を鑑賞。

いやぁ、すげぇ映画だったと席を立つと、係員に喰ってかかっている中年男性が居た。

「―こんな映画が創られるから、世の中でおかしなことが起こるんだ!!」
「…いえ、その」
「どうして、こんな映画を上映する!?」
「…いや、その」
「お前、頭おかしいんか!?」

これは完全に、クレーマーだろう。


「フランスの宝石」モニカ・ベルッチが犯される物語だからね、気持ちは分からんでもないが・・・

向かっていく相手を、完全にまちがっているし!


・・・以上、自分の周りで起こった「クレーマー気味」な出来事。


クレームは英語(claim)だが、クレーマーは和製英語。
21世紀に入って以降に出来上がったことばと思われる。

するほうは相手に頭を下げさせて快楽を得るのかもしれない、しかしそれを見るのも、そういうニュースを聞くだけでも、不愉快になるひとも多いだろう。


以下、映画のなかで印象に残る「男クレーマー」「女クレーマー」をひとりずつ。


『ショート・カッツ』(93)

ケーキ屋の店長(ライル・ラヴェット)が、客へイタズラ電話をかけつづける。

(客の)子どもが交通事故に遭ったことから電話確認の際に「辛くあたられた」ことがきっかけで、ここからクレーマーに変貌。

ただ「かんちがい」であったことが分かると、店長は改心する。


改心しなさそうなのが・・・


『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)

十和子(蒼井優)だろう。

冒頭からクレーマー気質全開の彼女は、それが日課になっているのだから。


※『ぽんぽこ』より、上々颱風のテーマ曲を




次回のしりとりは・・・
くれー「まー」→「まー」ち。

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『映画監督別10傑(4)宮崎駿』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(235)

2018-01-23 08:38:58 | コラム
びなんび「じょ」→「じょ」ーく(ジョーク)

いままでに30本くらいの長編シナリオを書いてきたが、「唯一」師匠に褒められたシークエンスがあって―。

…………………………………………

工場勤務の主人公が、勤務中に上司を殺害する。

作業用スパナで上司の頭が破壊するほど叩きのめす―イメージとしては、『ワイルド・アット・ハート』(90・トップ画像)の冒頭みたいな感じ。

立ち尽くす工員たち。

主人公は同僚に警察を呼んでくれと頼み、作業場をあとにする・・・

・・・が、30秒後(そのあいだ、工員たちは動けずにいる)に戻ってきて、タイムカードで退勤を押し、こちらに向かって苦笑する―。

…………………………………………

というものだった。

ひと殺してんのに勤怠を気にするというね、
いわゆるブラックジョークかな、これは自分でもよく表現出来たと思っており、評価されたのがうれしかった。


笑いは難しい。

誰もが笑う方向を狙えば「無害」になりがちだし、攻めたら攻めたで「ごく一部」のひとしか反応しないだろうし。
(先日の『すべらない話』で最も面白かったのは、小藪さんのカレーの話だったと思う)


楽な表現なんて、この世にはないと思うけれど。

ただなんというか、「泣かせにいって泣かせることが出来なかった」より「笑わせにいって笑わすことが出来なかった」のほうが恥ずかしいような気がするし、創り手も「より、落ち込む」のではないか。

コメディ映画なのに笑えない―たとえば『PARTY7』(2000)や『トゥルーライズ』(94)がそれにあたるか。

※小林明美ちゃんは、可愛かったんだけどね。




さて。
こんな顔に生まれた? ので、格好いいよりも面白いといわれるほうが、うれしいわけですよ。

そこそこのイケメンが「イケメンだね」と評される頻度と同じくらいには、面白いと評されてきた―ちょっと「盛っている」ような気がしないでもないが、そう自負する自分が、

あぁ、いいジョークだな!

と感心した、映画のなかの「味わい深い笑い3傑」を選出しておきたい。


(1)『セブン』(95)

クライマックス直前―。

車を停め、荒野を歩くふたりの刑事、ミルズ(ブラッド・ピット)とサマセット(モーガン・フリーマン)、そして犯人ジョン(ケビン・スペイシー)。

サマセットが、「あるもの」を見つける。

ミルズ「なんだ?」
サマセット「…犬の死体だ」
ジョン「(殺したのは)俺じゃない」

緊迫したシーンに、このジョーク最高だと思う!



(2)『用心棒』(61)

おりん(山田五十鈴)に命令され、三十郎(三船敏郎)の前で踊る、囚われの女たち。

その不健康な身体、不気味な笑顔、そして嫌がる三十郎!笑

(3)『ホーホケキョ となりの山田くん』(99)



本編を通していちばん面白かったのは、東宝マークの次にくる、制作協力「山田さん」のクレジットだった。


あすのしりとりは・・・
じょー「く」→「く」れーまー。

…………………………………………

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『シネマしりとり「薀蓄篇」(236)』
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NG WORD

2018-01-22 00:32:10 | コラム
来日していた映画監督、ソフィア・コッポラがNHKの『あさイチ』に出演していた。

益若ちゃんがよく出るので、ワンコーナーを「流し見」することはあったものの、



番組を通して観たのは初めてだった・・・が、
青木さやかが「キャラ変」していたことに驚き、そしてちょっとイヤだった笑

いや、べつにいいんだけど、エンタメコーナーの進行役らしく、ソフィアへのインタビューというかリアクションがいちいちオーバーで、ちょっとイライラしたんだ。




分かってはいると思うが、映画と格闘技に関してはうるさい。

専門家ではないにしても、テレビの電波に乗せる発言は気をつけてもらわないと。


たとえばソフィアやジェーン・カンピオン、キャスリーン・ビグロー、西川美和などの女性監督に対し、

「女性が撮ったとは思えないような迫力」

だとか、

「女性ならではの視点」

だとかね、

いまは21世紀だぜ!? と思うわけですよ。


上のふたつは、自分にとっての「映画批評におけるNGワード」。

NGはほかにもあり、たとえば「賞を取ったからすごい」という方向に持っていく流れだとか。


だからこれらのことに触れないよう気をつけているわけだが、
思わず使いたくなっちゃうけど、本来はダメなんじゃないか・・・と思っているのは、

「Aを褒めるために、Bを貶す」という、「比較を前提とした」批評。


例外的に、リメイク/シリーズ/原作物は誕生の瞬間からそうした宿命を背負ってしまっている。

これは創り手側が「覚悟したうえで」発表しているのだから無問題。

問題があるのは、オリジナル作品であるにも関わらず、比較対象をぶつけられてしまうケースだと思う。


これは結局、「昔はよかった」につながると思う。

「古きよき、、、」みたいな、まぁ自分も発しそうになることはあるけれど。


というのも最近、『七人の侍』(54)を評するひとが「昔の俳優は演技が上手だった」といっていて、じゃあ現代の俳優がヘタクソなのかと疑問に思ったんだ。

たしかに、そういうひとも沢山居るのは事実だが。

しかしだね。
芸人「ゆりやんレトリィバァ」の「昭和の日本映画に出てくる女優さんの喋りかた」って、見事に特徴を捉えていて思わず笑ってしまうのだが、



ああいう演技が上手だとは思えないでしょう。

現代の女優さんのほうが、よっぽど上手なんじゃないか。
(ほれ! こんな風に自分も比較しちゃっている!)


話を広げ過ぎたか。

AとBを比較して、Aのほうが好き「までなら」分かる。

しかし、それを証明するために、Bのこういうところが気に入らないしダメだからAのほうに票を入れるというのは、日常生活レベルなら「ぜんぜんOK!」だと思うが、
これを批評でやるとなると、なんというか「お手軽」感が見えてきてしまい、AにもBにも愛を感じられなくて、なんだかイヤな気持ちになるのだった。


ん?

オメーはしょっちゅうランキングを展開しているじゃないかって?

だからそこですよ、「より好き」を順位づけするだけに留め、選に漏れた作品を貶すことはしないよう心がけてます。


※そしてソフィアの最新作は、きっと面白い



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