Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(93)

2014-09-14 07:08:42 | コラム
トップ画像は、先日の読売夕刊に掲載されたガールズバンド「Silent Siren」の記事。

彼女らの音楽をきっちり聴いているというわけでもないし、はっきりいえば趣味でもないけれど、
ラジオ局「NACK5」を集中的に取材している時期があって、そのころに対面したことがある。
モデルをやっている子たちだから、みんな可愛いし、明るい性格だったのでそれ以来応援している。

ドラム担当の「ひなんちゅ」は、ゲーム『太鼓の達人』の超絶テクニックをテレビで紹介されたことがあり、知っているひとも多いのではないか。

そこでドラムをやっているひとに「『太鼓の達人』のテクニックで、ドラムの上手い下手は分かるのか」と問うてみた。

「いやぁ、それはないよ」
「ないの?」
「あれは、あくまでも器用不器用の話」

そうらしいです、はい。


音楽やっているひとから「それ系の映画で、いいの知らない?」と聞かれることが多い。

いつも答えるのが、91年の『ザ・コミットメンツ』。
アイルランドはダブリンに住む白人の若者たちがバンドを組み、黒人音楽「ソウルミュージック」を演奏し歌う。




「成り上がり、損ねた」というビターな結末も味わい深く、音楽を主題とした映画では自分のなかにおける最高傑作なのだった。

それを観たミュージシャン志望の知り合いが、翌日、自分に食ってかかってきた。

「なんで、ああいう映画を薦めたんですか!?」
「あれ、楽しめなかった?」
「楽しめないですよ、あんな結末!」
「あぁ…」
「牧野さんは、俺が、失敗すればいいと思っているんですか!?」

わぁ、、、コイツとは無理だなと思った。ふつうの友人関係を築くのは。

まぁいろんなヤツが居るからね、それ以上のことは書かないけど。


高校時代―ベースをやっているクラスメイトから、

「まっき~、映画の世界に進むんだよな。『シド・アンド・ナンシー』って観た? ああいう映画を創ってくれよ」

といわれたことがある。

セックスピストルズのベーシスト、シド・ビシャスの波乱の生涯を描いた86年の映画。
完成度はともかく、シドを演じるゲイリー・オールドマンは似ていたし、アレックス・コックスによる「かぶき演出」もうまくいった快作だと思う。(ナンシーの不細工加減も素晴らしい!)

そんな映画を創ってくれよといったクラスメイトこそ、自分をバンドに誘った張本人だった。

だが。
ドラムなんか買えないし。
映写技師のアルバイトをしていたけれど、稼いだ金はすべて映画に消えていたし。
そもそもの話、前日に書いたように自分の音楽センスを信用していなかったし。

クラスメイトにひとり、お坊ちゃんが居た。

彼の兄貴がかつてドラムを叩いていて、使われなくなった一式がガレージに仕舞われたままという。

群馬の片田舎にガレージを持つ―それ自体が夢のような話だが、使っていないというのであれば、いただくのは無理だとしても叩かせてもらおうと。

・・・・・で、数時間で挫折した。

スティックを持つ手が震える。
その震えが、ぜんぜん止まらない。

緊張すると歩きかたがヘンになるひとって居るでしょう?
右手と右足を揃えちゃう、、、みたいな。

あんな感じなのである。
だから当然、右手左手右足左足それぞれを別々に動かすなんていうことは出来なかった。

「慣れだよ、慣れ」と仲間はいうが、ときとして「早く悟る」ことも大事である。

幸運なこと? に、その坊ちゃんというのが暇人で、そこそこ器用なヤツだった。
彼が「じゃあ、俺ドラムやるよ」といいだし、これでバンド結成。


・・・あれ、じゃあ、まっき~どうする?

いやいや、俺、そもそも、はっきりとイエスとはいってないし。

群馬の県民性だろうか、みんな優しいから「お前は要らなくなった」とはいわない。

「いいよ、帰ってバイトするよ」とは、なんとなくいい難くて「文章なら自信あるよ、じゃあ、オリジナルの歌詞を書いてみようか?」といってみた。

あぁ、それいいかも!!

と、皆が同意。

そんなわけで彼らのために、曲を創ることになったのである。


ここからは新しい展開になるので、また次回に。


おわり。

…………………………………………

本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『じじばばシネマ』

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする