某日―。
女優・川口春奈の始球式を密着取材する。
あぁ可愛い可愛い! と、はしゃぐ自分に、同行したキャメラマンは「でも、作品に恵まれないっすよね」といった。
うーーん、まぁそうかも。
映画に初挑戦した『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(2011)は前田あっちゃんメインであったし、そもそも映画としてどうこういう出来でもなかったし。
本年7月に公開された『好きっていいなよ。』も、真面目に論じられるのを拒否しているような甘~~い作品であったし。
これらの映画を挙げたうえで
「だからまぁ、これからじゃない?」と返したら、
「いやテレビのことをいったんですけど、あれ、映画もそうなんすか?」
あぁそうだった、そうだった。
彼はテレビの世界の知識が豊富で映画音痴、自分は「その逆」なのであった。
「ニュースでしか知らないけど、『夫のカノジョ』ってそんなにつまらなかったの?」
「つまらなくはないですよ、でも数字が悪かったから」
「打ち切りなんだっけ」
「えぇ、たしか1話減らしての終了だったと思います」
「シビアな話だねぇ」
「でも5%も取れなかったわけですから」
映画も動員数がニュースになることはあるが、それは『アナ雪』とかジブリアニメーションが叩き出す「記録更新」くらいなもので、不入りが大々的に取り上げられることは滅多にない。
テレビの世界と比べると、まるで「不入りなんて、ない」ように思われるかもしれないが、確実に「ある」。
それは、みんなが思っている以上に「ある」。
よく知られたところでは「いつもひっそりと打ち切りになっている」松本人志の映画だが、
自分が薦めたあの佳作も、観に行こうと思っていたあの小品も、公開2週間くらいで「1日1度のみの上映」となり、4週目には上映終了となっている、、、なんていう展開は「よくあること」なのだ。
シネコンが主流になってから上映形態が変わり、初日の時点で「朝1回のみの上映」だとか「夕刻から2度上映」とか複雑化してきており、
たとえば満員になったとしても「それは1日1回の上映だから」と判断しなければならないこともあり、不入りかどうか正確な評価を下せなかったりする―テレビと比べてニュースになり難いのは、この点からだろう。
基本、ひとり勝ちしているのはビッグバジェットのみ。
だからときどき、ほんとうにときどき、ミニシアターで半年くらいロングランを続けている小品が登場すると、わがことのようにうれしくなるのだ。
がらん、がらんの映画館―いまでは「不名誉」なことでしかないかもしれないが、かつてはそれが伝説になることもあった。
初期の北野映画がそうであったし、
もっと前の話をすれば・・・
不入りを理由に打ち切りになったオオシマの『日本の夜と霧』(60)、
鈴木清順が神格化されるのも、『殺しの烙印』(67)の不入りと「社長の憤慨=難解な作品を創りやがって!!」による打ち切り騒動があったからである。
「落ち着いた」理想の映画鑑賞というものは、じつは満員御礼ではなく、7割の入りであったりする。
するのだが、映画はそもそも商品、創り手の理想はやっぱり常に「ぎゅう、ぎゅう。」なんだよね。
最初の話に戻るが、そういう意味では川口春奈ちゃんの『好きっていいなよ。』は、そこそこの結果を残したのではないか。
まぁいってしまえば、
どっちにしても自分の嫌いなタイプの作品であることに変わりはなく笑、そろそろ映画小僧が納得するような代表作がほしいよね、、、と、美少女ウォッチャーでもある自分だって思う。
始球式は失敗してもいいから、映画選びは失敗しないでね、春奈ちゃん。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(87)』
女優・川口春奈の始球式を密着取材する。
あぁ可愛い可愛い! と、はしゃぐ自分に、同行したキャメラマンは「でも、作品に恵まれないっすよね」といった。
うーーん、まぁそうかも。
映画に初挑戦した『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(2011)は前田あっちゃんメインであったし、そもそも映画としてどうこういう出来でもなかったし。
本年7月に公開された『好きっていいなよ。』も、真面目に論じられるのを拒否しているような甘~~い作品であったし。
これらの映画を挙げたうえで
「だからまぁ、これからじゃない?」と返したら、
「いやテレビのことをいったんですけど、あれ、映画もそうなんすか?」
あぁそうだった、そうだった。
彼はテレビの世界の知識が豊富で映画音痴、自分は「その逆」なのであった。
「ニュースでしか知らないけど、『夫のカノジョ』ってそんなにつまらなかったの?」
「つまらなくはないですよ、でも数字が悪かったから」
「打ち切りなんだっけ」
「えぇ、たしか1話減らしての終了だったと思います」
「シビアな話だねぇ」
「でも5%も取れなかったわけですから」
映画も動員数がニュースになることはあるが、それは『アナ雪』とかジブリアニメーションが叩き出す「記録更新」くらいなもので、不入りが大々的に取り上げられることは滅多にない。
テレビの世界と比べると、まるで「不入りなんて、ない」ように思われるかもしれないが、確実に「ある」。
それは、みんなが思っている以上に「ある」。
よく知られたところでは「いつもひっそりと打ち切りになっている」松本人志の映画だが、
自分が薦めたあの佳作も、観に行こうと思っていたあの小品も、公開2週間くらいで「1日1度のみの上映」となり、4週目には上映終了となっている、、、なんていう展開は「よくあること」なのだ。
シネコンが主流になってから上映形態が変わり、初日の時点で「朝1回のみの上映」だとか「夕刻から2度上映」とか複雑化してきており、
たとえば満員になったとしても「それは1日1回の上映だから」と判断しなければならないこともあり、不入りかどうか正確な評価を下せなかったりする―テレビと比べてニュースになり難いのは、この点からだろう。
基本、ひとり勝ちしているのはビッグバジェットのみ。
だからときどき、ほんとうにときどき、ミニシアターで半年くらいロングランを続けている小品が登場すると、わがことのようにうれしくなるのだ。
がらん、がらんの映画館―いまでは「不名誉」なことでしかないかもしれないが、かつてはそれが伝説になることもあった。
初期の北野映画がそうであったし、
もっと前の話をすれば・・・
不入りを理由に打ち切りになったオオシマの『日本の夜と霧』(60)、
鈴木清順が神格化されるのも、『殺しの烙印』(67)の不入りと「社長の憤慨=難解な作品を創りやがって!!」による打ち切り騒動があったからである。
「落ち着いた」理想の映画鑑賞というものは、じつは満員御礼ではなく、7割の入りであったりする。
するのだが、映画はそもそも商品、創り手の理想はやっぱり常に「ぎゅう、ぎゅう。」なんだよね。
最初の話に戻るが、そういう意味では川口春奈ちゃんの『好きっていいなよ。』は、そこそこの結果を残したのではないか。
まぁいってしまえば、
どっちにしても自分の嫌いなタイプの作品であることに変わりはなく笑、そろそろ映画小僧が納得するような代表作がほしいよね、、、と、美少女ウォッチャーでもある自分だって思う。
始球式は失敗してもいいから、映画選びは失敗しないでね、春奈ちゃん。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
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明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(87)』